有識者セミナーレポート
BIPROGY が語る
“異業種との共創のリアル”
人と組織の関係性を可視化する仕組みから生まれた、新規事業づくり
自動車業界やIT業界など、既存事業の枠組みを超えた新規事業開発が求められる今、異なる強みを持つ企業同士が手を取り合う「共創」の重要性が高まっています。しかし、文化やスピード感の異なる異業種連携は一筋縄ではいきません。BIPROGY株式会社(旧日本ユニシス)は、博報堂グループとの共同事業として、デジタル称賛カードで組織のコミュニケーションを可視化する「PRAISE CARD(プレイズカード)」を立ち上げました。
本レポートでは、足掛け7年に及ぶプロジェクトの軌跡を、ダニエル・キム氏が提唱する「成功循環モデル」に則ってひも解きます。水面下の探索から事業化、そしてデータ活用における葛藤と確信まで、当事者が語る「共創のリアル」を詳しく紹介します。
登壇者プロフィール
小谷野 圭司 ⽒
BIPROGY株式会社
グループマーケティング部
大学卒業後、日本ユニシス(現 BIPROGY)に入社し、社員教育、業務/ITコンサルティング、新規事業開発などに従事。 現在はマーケティング組織に在席し、現場一体となった顧客 DX や新規事業開発支援などに携わる。 社会人としてのキャリアを教育からスタートしたため、コンサルタント時代は BPR だけでなく人事制度策定も担当する等、人材にフォーカスしたアプローチを得意とする。牧野 友紀 ⽒
BIPROGY株式会社
プロダクトマネジメント部
web3 アーキテクト
ゼロから構想する新規サービス・プロダクトの企画および事業支援に多数従事。web3 を用いた電子チケットシステムや、感謝・称賛を可視化する「PRAISE CARD」の企画・設計を担当。
イントロダクション:異業種共創が生んだ
「PRAISE CARD」と「成功循環モデル」の活用
登壇者紹介と活動背景
小谷野 氏(以下、小谷野)
本日は「異業種との共創のリアル」というタイトルでお話しさせていただきます。私、小谷野は現在マーケティング部門で新規事業に携わっていますが、もともとは教育部門とコンサルティング部門をそれぞれ10年ほど経験してきました。キャリアのスタートが教育だったこともあり、「人がどのように変わっていくのか」というテーマに非常に興味があります。本日は、エンジニアとして長年活躍し、現在は web3 やブロックチェーン技術を使ったビジネス構想を行っている牧野とともに、私たちが立ち上げた新規事業のリアルな道のりをお伝えします。
新規事業の仮説構築がなかなか進まない、自社の技術を未経験の領域にどう展開してよいかわからない、あるいはデータを使ってどのように事業を立ち上げるべきか。そうした悩みを持つ皆様へのヒントになれば幸いです。
PRAISE CARDの概要
小谷野
今回、事例としてご紹介するのは、私と牧野で立ち上げた「PRAISE CARD(プレイズカード)」というビジネスです。これはパソコンやスマートフォンを使い、デジタルで称賛カードを送り合える非常にシンプルなサービスです。お互いの良い行動を見つけたときに、「さっきは助かりました」「ナイスアイデアです」といったカードを送ることで、誰から誰にどのような称賛が送られたかが行動ログデータとして蓄積されます。これによって、組織内でこれまで見えにくかったコミュニケーションを可視化できる仕組みになっています。
この事業の最大の特徴は、弊社 BIPROGY だけで立ち上げたのではなく、博報堂、博報堂コンサルティングとの三社共同事業である点です。さらに、東京女子大学で社会心理学を専門とされる正木 郁太郎 先生をアドバイザーに迎え、アカデミアの視点も取り入れながらデータの分析・活用を進めています。
成功循環モデルの定義

小谷野
本日のお話は、皆様にわかりやすくお伝えするため、ダニエル・キム氏が提唱した「成功循環モデル」というフレームワークに沿って進めます。これは「関係の質」からスタートし、「思考の質」「行動の質」「結果の質」をぐるぐると回していくモデルです。
まずは会話や傾聴を通じて「関係の質」を築きます。すると、価値観の異なる者同士の交流によって「思考の質」が高まり、新しいアイデアが生まれます。それが自発的な「行動」につながり、一定の確率で「結果」が生まれます。良い結果が出れば、さらに信頼が深まり、「関係の質」が向上します。まさに私たちは、このサイクルを体現しながら事業を作ってきました。本日は、このサイクルを大きく二周回した経験を時系列でお話しします。
・・・(続く)
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