有識者セミナーレポート

リブ・コンサルティング パートナーが語る
次世代自動車 事業開発動向
〜日中市場分析から見出す、EVXのチャンスとは〜

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自動車産業は、EVトランスフォーメーション(EVX)という大きな転換期を迎えています。EVを起点として、モビリティ領域のプレイヤーが新しくエネルギービジネスへ参入し、逆にエネルギー領域のプレイヤーがモビリティ関連ビジネスを始めるといった“相互乗り入れ” が起きており、この領域の中で新たなサービスやソリューションが生まれています。このような変革期の中、自動車産業に関わる企業は、どのような事業機会を狙うべきなのでしょうか。

自動車産業における事業開発のスペシャリストである、株式会社リブ・コンサルティング パートナーの 西口 恒一郎氏 をお迎えし、日本と中国、二つの主要市場における最新動向の分析から、今後の事業開発の方向性と具体的な機会についてご講演いただいた模様をレポートします。

登壇者プロフィール
西口 恒一郎 氏
株式会社リブ・コンサルティング パートナー

2015年、リブ・コンサルティングへ入社。
自動車メーカー、公共交通事業者、自治体を対象に、中期経営計画の策定、新規事業開発、M&A/PMIなどのテーマを担当。
現在は、MaaS事業開発、地域モビリティサービスの展開など持続可能なモビリティ社会の実現に向け活動中。
2020年より、三重県伊勢湾熊野灘 広域連携スーパーシティ推進協議会のメンバーとして、交通空白地の移動題解決に向けたモビリティサービス開発を担当。
2022年12月、プレジデント社より「EVトランスフォーメーション~EVシフトにより生まれる新たな事業へのアプローチ~」を出版。
2023年より、経済産業省 資源エネルギー庁主催のEVグリッドワーキングにオブザーバーとして参加

中国及び日本国内のEV/SDV市場感

グローバル全体でのEV(BEV+PHEV)販売状況

まずは中国および日本国内のEV並びにSDVの市場について話せればと思います。

まず、グローバル全体でのEV販売状況ということで、BEVとPHEVを合わせた数字として以下のグラフを見てください。直近、2024年の推移でいきますと、グローバル全体の総販売台数のうち、EVが占める割合は20%強になっています。昨年、EVシフトに対して逆風が吹いたという報道がありますが、BEVとPHEVを足しあげた数字でいくと順調に右肩上がりで成長している状況です。

その一方で、以下のグラフはBEVとPHEVを切り分けたもので、これを見るとPHEVの構成比率(薄い黄色の折れ線グラフ)は順調に右肩上がりで成長していますが、BEVの構成比率(濃いオレンジの折れ線グラフ)は特に昨年の1Qは大きく数字を落としています。それ以降の2Q、3Qで順調に成長はしているものの、昨年対比では、少し成長が鈍化しているところが見てとれます。

中国でのBEV/PHEV販売状況

最もEVシフトを牽引してるのはご存じの通り、中国です。直近の中国の状況は、新車販売台数の内、約3割がBEVという状況です。一方日本は直近のデータでいくと、グローバルの平均に対しても、大きくビハインドしている状況です。

もう少し中国の今のEVシフトの状況を細かく見ていくと、グローバル全体の動きとほぼほぼ相関が出ると思っておりますが、PHEVが堅調に伸びている一方で、BEVはこれまでの成長がかなり激しかったこともあり成長速度という観点においては少し鈍化しています。

そんな中、どのブランドが今の中国のEVシフトを牽引しているのかというデータが以下のグラフです。皆さんご存じの通り、最も高いシェアを占めているのは比亜迪汽車(BYD)で、シェアの上位7社が、いわゆる国産の中国メーカーです。そして個人的に注目をしている会社は5位に位置づけられている極氪(ZEEKR)です。

中国の吉利汽車(ジーリー)グループの中で最もハイエンド、最新のテクノロジーや技術をしっかりと織り込んだブランドになっております。CES2025にも出展をされていましたし、日本にも今年進出される予定になっておりますので、今後我々が目にする機会も非常に多いのかなと思っております。

また、後半のパートでも一部触れさせていただきますが、蔚来汽車(NIO)も注目の企業の1社です。元々交換式バッテリーで非常に有名な会社です。2024年10月頃中国へ行かせていただいた際にNIOのショールームを視察したのですが、すごく面白いなと思ったのが、日本のカーディーラーに似たような体験だったことです。コミュニティマーケティングのようなところにしっかり力を入れているのが、他の中国系のブランドとの違いになっています。例えば、ショールームの中にNIOのユーザー限定のラウンジが置かれていたり、コミュニティの中でイベントが行われたりしていて、日系企業の取り組みと近しいと思っています。

車種の価格帯としても、中国のブランドの中でいくとハイエンドなグレードが多いので、富裕層の方々のコミュニティを作れているのが一つ大きい特徴なのかなと思います。

中国の新エネルギー車に関する政策と規制

そして、中国で一気にBEVが進んでいる理由、トリガーになっている政策部分を整理したのが、以下のページです。

詳細は後ほど資料をご確認をいただければと思いますが、いわゆる飴と鞭ですね。EVを購入されるユーザー、あるいは推進するメーカーに対して多額の補助金をつける、あるいはガソリン車を購入されるユーザー、推進しようとしているメーカーに対して規制を与える。このバランスの中で直近、一気にEVシフトを仕掛けていってるというところが一つの特徴なのかなと思っております。

中国国内における充電インフラの整備状況については、基本的には沿岸部、かつ経済が発展しているエリアを中心として、非常に潤沢に充電スタンドが構築されています。国家主体で進めているところも含めて、EVシフトを牽引しているベースになっています。


・・・(続く)

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