有識者セミナーレポート

三井化学 新規事業開発担当が語る
R&Dにおけるイノベーションプロセス徹底解剖
〜40年間の経験で得た研究(R)を開発(D)に導く必要要件とは〜

近年では社会の不確実性が高くなり、企業成長をかけたイノベーションが非常に重要となっております。
中でも、研究開発部門は自社の強みを活かし、中長期的な成長戦略の実現に向けた需要創造・新価値具現化が求められます。

そこで今回は三井化学株式会社にて新事業開発センターを担当されている 表 利彦 氏をお招きし、
事業化に繋がる R&D イノベーションプロセスについてご講演いただいた模様をレポートします。

登壇者プロフィール

表 利彦

三井化学株式会社
社長補佐 新事業開発センター担当

1983年に日東電気工業株式会社(現日東電工)に入社。研究者、研究開発部長、事業部長を務めてきた。その後、2009年から 2015年にかけて CTO として日東技術に深く関わった任務を遂行。2015年から 2018年の3年間は CIO 経営インフラ統括本部長として IT、 調達、物流領域での構造改革を推進。2018年5月以降は米国サンノゼに駐在し、日東電工の CTO や CIO の経験を活かし、新たなビジネスチャンスの探索と創造を行ってきた。2022年2月より三井化学株式会社に入社。
社長補佐、新事業開発センター担当として三井化学の新事業創出をメンバーと共に推進している。千葉大学自然科学研究科修了。Ph.D.。

イノベーションプロセスの概要
経営に必要な上位概念からの論理フロー

企業の中でイノベーションを起こしていくためには、会社の上位概念から理解をしておく必要があります。
まず最も重要なのは経営ビジョンです。
三井化学では「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する」というものを打ち出しております。
ここから逸脱する活動はできません。

その次に経営理念があります。これは企業の存続意味、価値などを示す哲学的なものです。
「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値創造をとおして持続的に成長し続ける企業グループ」
ということが明言されています。

それらをもとに生まれるのが、経営戦略です。三井化学では「ビジョン2030」という新しい長期計画を策定し、その実現に向けて総力をあげて挑戦をしています。

それを受けて、今度は個別部署ごとに経営戦術を考えます。戦略遂行のための具体的方法論を各部署ごとに考え、なりたい姿を目指していくというものです。戦術ができると今度は戦技になりまして、経営戦略を
遂行するための戦術を実行するために必要な技術、資本力、ブランド力、調達力、物づくり力などの資産を駆使しながらやっていきます。

そして、最終的に大事なのは、「みんなでやっていくぞ」という経営戦意です。
新事業をやっていくときに、このどれかが欠けるとなかなか上手くいきません。

先ほどお伝えした三井化学の「ビジョン2030」はどういうものかも簡単に説明します。
具体的には、素材提供型ビジネスから社会課題視点のビジネスへの転換を進めることが基本的なコンセプトになっています。デジタルを手段として使いながら、新事業といえどカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー型のビジネスモデルを最初から想定し、今までの素材を使った提供型のビジネスにとどまらず、社会やお客様に課題解決のソリューションを提供できるようになっていく。
これが「ビジョン2030」では示されています。

研究と開発の違い

三井化学ではイノベーションプロセスを担う組織が上手く配置されています。
0から1の部分は今までにない新しい技術を育成していこうというプラットフォームで、
未来創生センターというものがあります。ここは大学と組みながら大学に研究員を派遣し、
アカデミアと一緒に将来役に立つ技術プラットフォームを構築していく活動をしています。

研究開発本部では産学連携も含め、もう少し時間軸の短い領域の技術進化をさせながら、
それらの技術を活用して新たな製品につながる開発も行っています。

そうした中、私がいまミッションとしてやらせてもらっているのは両者の中間領域にあり、社内で持っているアセットと、社外の破壊的なアセットを融合しながら新しいビジネスモデルをつくっていくことです。
研究開発本部がやっている技術プッシュ型の活動とは違い、外部の資産を使いながら新しいビジネスを
社外の人と生み出していくのが新事業開発センターの仕事です。
そこでは国内外のスタートアップや他社との付き合いもあります。

個人的には研究と開発は似て非なるもので、やっていること、到達地点、ミッションも違います。
アウトプットの貢献度や時間軸、評価も異なります。

そういう意味では、研究はお金を使って知識を獲得していると思っており、
長期間にわたって未知のものを既知のものにしているのが研究の重要タスクです。
一方で、開発は知識から得られた知恵をお金に変えていっている認識です。
ほとんどのことを具体的に描くことができるものに取り組んでいます。

では、 CVC を使って投資部門と協業している新事業開発センターは何をしているのでしょうか。
それは、意図的に未知のものを外部から取得し、アセットを複合化しながらスケールの大きな
ビジネスモデル提案をしていくということをやっています。

外部資産への戦略的アプローチ実行

その活動をするためには将来を眺望しながら、現状のアセットを十分に熟知しておく必要があります。
将来の社会課題に対して何がソリューションになるかを考えます。重要なのは三井化学のような原材料を
売っているメーカーが社会課題を想定する場合、インターネット的な情報は得られたとしても現場で起きているであろう課題をつぶさに理解し、マーケティングを進めていくのは大変です。
大事なのは仮説思考で仮説を立て、今は持ち合わせていないけれども、将来的には必要となる破壊的技術を持っている外部資産にリーチしていくことです。

・・・(続く)

続きのご講演内容や質疑応答などを含めたセミナーレポート(完全版)は、このページのフォームより無料ダウンロードいただけます。

ご利用実績(一部)東証プライム上場企業 4社に1社が導入経験あり※1

TOYOTA TOYOTA
Panasonic Panasonic
MITSUBISHI Changes for the Better MITSUBISHI Changes for the Better
NEC Orchestrating a brighter world NEC Orchestrating a brighter world
FUJITSU FUJITSU
HITACHI HITACHI
AGC AGC
FUJIFILM Value from Innovation FUJIFILM Value from Innovation
日本触媒 日本触媒
Tomorrow, Together KDDI Tomorrow, Together KDDI
Eat Well, Live Well. AJINOMOTO Eat Well, Live Well. AJINOMOTO
みずほ銀行 みずほ銀行
国内外エキスパート登録数 80万人超 国内外エキスパート登録数 80万人超
時価総額上位50社中 導入経験のある企業80%以上 時価総額上位50社中 導入経験のある企業80%以上
クライアント口座数 2,200 クライアント口座数 2,200
※1:複数部署での導入も1社扱い。2026年3月時点 ※2:2026年2月時点 ※3:2026年3月時点 ※4:2025年12月時点 国内事業会社のクライアント口座数
  1. トップ
  2. 資料一覧
  3. お役立ち資料
  4. 三井化学 新規事業開発担当が語る R&Dにおけるイノベーションプロセス徹底解剖〜40年間の経験で得た研究(R)を開発(D)に導く必要要件とは〜

各サービスの特長や料金が5分でわかる

サービス資料をダウンロード

最適なサービスやエキスパートを無料でご提案

ご利用に関するご相談(無料)