有識者セミナーレポート

組織を変えるのは
“対話と行動のサイクル”
〜コクヨが実践するチーム起点の組織開発と、
新規事業創出の裏側〜

近年、企業が持続的に成長を遂げるための鍵として、「人的資本経営」や「組織開発」が注目を集めています。しかし、多くの現場では、経営層が掲げる戦略と、現場で働く個人の想いの間に「ギャップ」が生じているのが実情です。

文具・家具のトップメーカーとして知られるコクヨ株式会社は、長年培ってきた「働く環境」への知見を活かし、この見えにくい組織の課題を「チーム」という単位から解決する新規事業「TEAMUS(チームアス)」を立ち上げました。本レポートでは、同社の 林 俊祐 氏が登壇したセミナーの模様を、本人の語りによる講演録形式で詳しくお届けします。新たな領域へ挑戦した新規事業創出の裏側と、現場を動かすための「対話と行動」の本質とは何か。組織変革に悩むリーダーや人事担当者、新規事業担当者にとって、実践的な示唆に富んだ内容となっています。

※本レポートは、2025年12月10日に開催されたセミナーをレポート化したものであり、当該時点での情報に基づき作成されております
※現場のリアルなニーズを受けて開発されたTEAMUSの詳細WEBサイト
https://www.kokuyo-furniture.co.jp/wp/special/teamus/

登壇者プロフィール
林 俊祐
コクヨ株式会社
グローバルワークプレイス事業本部

HRCAソリューション部
マーケティンググループ リーダー
2012年にコクヨに入社後、空間構築事業において、商品開発から商品企画・商品戦略構築までを経験。その後、新規事業「TEAMUS(チームアス)」の立ち上げチームに携わる。市場マーケティングから、プロモーション・提案まで、広くマーケティング活動に携わるチームの責任者を務める。

事業の背景と自己紹介

皆様、本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。コクヨ株式会社の林と申します。本日は、「組織を変えるのは対話と行動のサイクル」というテーマで、私たちが実践しているチーム起点の組織開発と、そのサービスが生まれるに至った新規事業創出の裏側についてお話しさせていただきます。

私は現在、コクヨのグローバルワークプレイス事業本部に所属しています。この部門は、主にオフィス空間などの空間構築を担っており、その中で新たに設立された「HRCAソリューション部」という、今回の新規事業を担当する部門に身を置いています。

私の経歴は、実は少し変わっています。2012年に入社した当初は、家具の開発を担当していました。最初は下流工程にあたる品質保証部からスタートし、工場への駐在や商品開発を経験しながら、徐々に企画などの上流工程へと携わるようになりました。その後、オフィスやコワーキングスペースのデザインを担当し、再び家具の商品戦略や商品企画に戻るというプロセスを経て、2024年から新規事業「TEAMUS」の立ち上げチームに加わりました。現在は、マーケティンググループのリーダーとして、市場マーケティングやブランディング、プロモーション活動を幅広く担当しています。

コクヨといえば、皆様は「文房具」や「オフィス家具」をイメージされることが多いかと思います。実際に私たちは長年、オフィスという「環境(ハード)」を提供し続けてきました。働き方のコンサルティングなども行ってきましたが、主軸はやはり空間構築にありました。

しかし、コロナ禍を経て、お客様が働く空間や働き方に求める価値が大きく変化していることを、肌で感じるようになりました。以前であれば、オフィスに求められる価値は「コストの削減」や「効率性」といったことが中心でした。

それが現在では、「やりがい(Purpose)」「成長実感(Growth)」「一体感(Culture)」といった、より「ヒト」に関わること、あるいは組織のあり方に関わるキーワードが重視されるようになっています。中でもコクヨが特に注目したのが、「組織文化」でした。

給与や地位といった目に見える報酬だけでなく、働く中で得られる体験価値や、それを支える組織文化が、これまで以上に重要視される時代になっています。

これまで私たちが提供してきたことは、いわば「目に見えるもの=オフィス」が中心でした。しかし、お客様の真の課題が「組織文化の変革」のような、目に見えにくい組織の状態にあるのであれば、ハードの提供だけでは不十分です。

「見えにくい組織の状態や成長を、いかに戦略や施策に反映し、企業の力へと変えていくのか」。これこそが、私たちのサービス開発における大きな出発点となりました。



組織に潜んでいたギャップと「チーム」起点

組織文化の変革に踏み込もうとしたとき、私たちはまず、企業内のさまざまな立場の間に生まれている「ギャップ」があることに気づきました。

現場でのリサーチを通じて、以下の三つの立場における葛藤が明らかになりました。

  • 経営層:「戦略を実行しているはずだが、現場の具体と一致しない」「戦略への理解が十分に得られない」
  • 人事:「既存施策の運用だけで手一杯」「個別の部署や社員の事情まで把握しきれない」
  • 現場:「会社が掲げる施策の実感がわかない」「ミドルマネージャー(リーダー)の負担が大きすぎる」

こうしたギャップによって、組織が一体になれていない感覚を、多くの企業が抱いていました。

これらのギャップを埋めるための視点として、私たちは「チーム」という単位に注目しました。

続きのご講演内容や質疑応答などを含めたセミナーレポート(完全版)は、このページのフォームより無料ダウンロードいただけます。

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