有識者セミナーレポート

AIで加速するビジネスの最前線
新規事業開発は「数か月」から「1日」へ
マクニカ 本村氏が明かす
実践特化の新規事業立ち上げプロセス

テクノロジーの進化、特に生成 AI の台頭により、新規事業開発の在り方は根本から覆されようとしています。かつては数ヶ月の期間と多額の予算を投じて行っていたプロトタイプ開発や市場検証が、今や「1日」あるいは「数分」で実行可能な時代となりました。

本レポートでは、株式会社マクニカにおいて10年以上にわたり AI を活用した新規事業開発を牽引してきた本村 健登 氏が登壇します。同社が技術商社から「サービス・ソリューションカンパニー」へと変貌を遂げる中で培った、実践に即した事業立ち上げのプロセスを公開します。

「まずつくる」ことの圧倒的な価値、そして検証を「日常的な行為」へと昇華させる新時代の実務フロー。さらには、自社プロダクト「おまとめ忍者」の開発秘話を通じ、AI 時代に求められる「実践的な経験値」の重要性について、本村氏の熱量あふれる語り口でお届けします。

登壇者プロフィール

本村 健登
株式会社マクニカ
イノベーション戦略事業本部
AI & デジタル事業開発部
部長/エバンジェリスト


元お笑い芸人として培った表現力と、Walt Disney World でのキャスト経験で磨いたホスピタリティとクリエイティビティを強みに、マクニカにて10年以上 AI を活用した新規事業開発に従事。立ち上げた「Re:Alize」は画像認識市場でシェア1位を獲得。現在は3つのAI SaaS の GTM と AI 戦略から実装まで担うディレクターとして活動する一方、「MOTOKEN」として没入映像や MV を手掛ける AI アーティストとしても活躍中。

マクニカの変遷とビジョン

本日はたくさんの方にお集まりいただき、ありがとうございます。マクニカの本村と申します。私は現在、AI&デジタル事業開発部という部署で責任者を務めています。まずは、私たちがどのような背景で新規事業に取り組んでいるのか、会社の沿革とともにご紹介させてください。

マクニカという会社は1972年に創業し、約35年間はエレクトロニクスの専門商社として半導体事業を主軸に展開してきました。その後、技術力を付加価値とした「技術商社」へと進化し、サイバーセキュリティやネットワーク機器などへポートフォリオを拡張しました。2024年度の売上高は1兆342億円、時価総額も3,219億円規模まで成長を続けています。

大きな転換点は2019年です。現社長の原が就任し、私たちは「サービス・ソリューションカンパニー(SS カンパニー)」への変革を宣言しました。これまでの「商社」というビジネスモデルをコアに据えつつも、AI、自動運転、スマートシティ、製造 DX といったさまざまな領域で、最先端テクノロジーを社会実装するサービスプロバイダーへと生まれ変わろうとしています。




新規事業立ち上げのマインドセット

新規事業を成功させるために、私が最も重要だと考えているのは「マインドセット」です。ジョン・コッター氏が提唱する「変革成功のための8要素」という理論がありますが、その第一歩は「緊急感を醸成し、変革の必要性を共有すること」です。

「なぜ今、これをやらなければならないのか」という危機感の醸成と腹落ちがなければ、組織は動きません。マクニカがなぜ新規事業をこれほど強力に推進しているのか。それは、過去に強烈な危機に直面したからです。



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