有識者セミナーレポート

大企業のための新規事業の立ち上げメソッド
〜巨大アセットを活かす〜

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「新規事業は千三つ」──成功確率わずか 0.3% とも⾔われるこの通説は、本当に変えられないのでしょうか?

本セミナーでは、⼤企業‧戦略コンサル‧スタートアップなど多様な⽴場で事業創造を実践してきた『⼤企業×事業創造の神髄』の著者、前出 貴則 ⽒ がご登壇します。「スタートアップと⼤企業の事業創造は本質的に異なる」ことを体得した前出⽒が、⼤企業だけが持つ巨⼤アセットをどう別の領域へ振り分け、新たな利益の源泉を掘り起こすか、その核⼼に迫ります。

承認プロセスが進まない、社内の壁にぶつかるーー。⼤企業特有の失敗パターンの背景には何があるのか?スタートアップとは異なる「勝ち⽅」とは?「確実に⼤きな利益を得られる新規事業」を⽣み出すための実践的なメソッドと実際の事例をご紹介します。

登壇者プロフィール
前出 貴則 ⽒
株式会社エニストラテジー代表


モバイル業界の激動期に NTTドコモへ⼊社。新サービスの開発やスマホ導⼊など、 全 社 プロジェクトを 推 進 。その 後 、アビームコンサルティングに 移り、様々な業界⼤⼿の新規事業⽴ち上げを⽀援。独⽴後は、⼤企業向け⽀援を⻑期で継続する⼀⽅で、調達⽀援を主としたスタートアップ側の⽀援も数多く⼿がけ、⾃らも起業‧譲渡を経験。⼤企業とスタートアップの両⽅に精通することから、スタートアップとの⽐較を交えながら、⼤企業が⽬指すべき事業⽴ち上げを定義した「⼤企業×事業創造の神髄」(幻冬舎)を上梓。国⽴⼤学での講義を含む、登壇多数。執筆多数。

事業を創る上で重要な「⼤企業とスタートアップの違い」

本⽇は「⼤企業のための新規事業⽴ち上げメソッド〜巨⼤アセットを活かす〜」というテーマでお話しします。

まず⾃⼰紹介をさせていただきます。私は新卒でNTTドコモに⼊社し、事業計画の策定や新規サービスの⽴ち上げなどに従事しました。その後、アビームコンサルティングの戦略ビジネスユニットに移り、上場企業の中期経営計画や事業計画策定、新規事業⽴ち上げの⽀援を⾏いました。独⽴後は、上場企業の事業⽴ち上げを⽀援する⼀⽅で、スタートアップの資⾦調達⽀援なども⾏いました。現在は複数の上場企業のアドバイザーと複数のスタートアップの取締役を務めています。このように、⼤企業とスタートアップ双⽅の領域を熟知している点が私の特徴です。

こうした経緯から、この度書籍を出版させていただきましたが、本⽇はその書籍から内容を抜粋し、少しアレンジを加えてお伝えします。皆様が⾃社にて進めている新規事業創造‧事業⽴ち上げが⼤企業の正攻法に則っているかを改めてご確認ください。

早速、重要な問いから始めましょう。事業を創るという観点で「⼤企業とスタートアップの違い」は何でしょうか。この解説から話を進めます。

前⾴下部はイノベーター理論の図です。⼤企業とスタートアップでは顧客層が異なります。スタートアップの顧客は、図の左側に置する「イノベーター」や「アーリーアダプター」に限られます。彼らは少数派で、新しいものを好む気質の⽅が多くいます。⼀⽅、⼤企業の顧客は、マジョリティ層を含め、図の右側にまで広がっています。保守的な気質の⽅々まで含まれる点が特徴です。

つまり、保有する顧客層が異なるため、事業展開の⾃由度が違う、ということが⼀つの⼤きな違いです。例えば、私がドコモに在籍していた頃、もし顧客層がスタートアップのように限定されていれば、先進的な商品を次々と投⼊できたでしょう。しかし、実際には広範な顧客を抱えているため、スタートアップとは異なる正解を追求する必要がありました。

次に、資⾦についての違いを説明します。「スタートアップは資⾦が乏しく、⼤企業は潤沢である」という⼀般論は事実です。しかし、それぞれの資⾦の「性質」が異なります。スタートアップの資⾦は、額は少なくともそのほとんどが⾃⼰資⾦です。そのため、⾃由な意思決定の下で使⽤できます。対して⼤企業の資⾦は、そのほとんどが株主や投資家から預かった「他⼈資本」です。根拠がない独断で使うわけにはいきません。これもまた⼤きな違いであり、⾃⼰資⾦を使うのと他⼈資本を使うのでは、求められる責任やプロセスが⼤きく異なります。


3. ⽬標の違い

スタートアップは、「近い将来において⾼い利益と成⻑率を⽣み出す」という夢を語り、資⾦を集め、その実現を⽬指していくゲームを進めています。現在の⼿堅い利益確保ではなく、いつか訪れる未来の⾼い成⻑こそが、事業の⽬標となるのです。⼀⽅、⼤企業はすでに成⻑を遂げた存在であり、多くの投資家から毎年安定的な利益を出し続けることを求められています。これも⼤きな違いです。

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スタートアップが進む道は⼀⽅通⾏です。事業を推進しなければ未来は拓けないため、実⾏する以外に選択肢はありません。進まないことは挫折することと同義です。しかし⼤企業には、別に利益を⽣み出す主⼒事業‧既存事業が存在するため、「新規事業をやらない」という選択肢が合理的である場合も多くあります。新規事業に取り組むより、既存事業を少し成⻑させる⽅が、楽にかつ⼤きく儲かる可能性すらあります。⼤企業は⽴ち⽌まれるのです。

どの選択肢が最適かは状況によりますが、スタートアップと⼤企業では保有する選択肢、つまり⼿持ちのカードが違います。



・・・(続く)

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