活用事例

外部講師が県内学生に起業家精神を伝授、学生にもリアルなビジネス知見に触れる場を提供

国立大学法人 東海国立大学機構 岐阜大学

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インタビューにご協力いただいた方

  • 学術研究・産学官連携推進本部 副部門長  上原 雅行様


岐阜大学で実施されている「岐阜大学アントレプレナー育成プログラム」とはどのような内容でしょうか?
現在、私たちを取り巻く社会・経済は、デジタル革命等の急速なテクノロジーの進展や大規模な自然災害、感染症の流行など新たな変化や課題、困難に次々と直面しています。このような状況下だからこそ、高い意欲を持ちながらリスクに挑戦し、既存の枠に囚われずに自ら行動を起こし新しい価値を生み出していく姿勢や行動様式 「アントレプレナーシップ(起業家精神)」 を醸成・発揮することが社会全体で求められていると考えます。

そこで岐阜大学では、近年、アントレプレナーシップ教育に注力しており、独自の体系的プログラムや起業関連授業、公認の起業部等を運営しています。
独自プログラムである「岐阜大学アントレプレナー育成プログラム」は、岐阜大学生のみならず、地域の大学生や高校生を対象にしています。アントレプレナーシップの醸成や社会課題の発掘、アイデア創出、学生スタートアップ創設などの社会実践までシームレスな幅広いプログラムとなっております。

今回、「岐阜大学アントレプレナー育成プログラム」の実施にあたりビザスクにご相談いただいた背景をご教示ください。
授業や起業部等の運営については岐阜大学の教員で対応しておりましたが、受講対象の広い独自プログラムでは指導人材が不足しており、プログラム運営体制に課題がありました。また、外部の講師に入っていただくことで、学生たちにビジネス最前線におけるよりリアルな新規事業創出の手法を学んで欲しいという思いもありました。

そこで、更なるプログラム運営体制強化を図るため、外部講師の活用を検討し、情報収集している中でビザスクを知り、相談してみることにしました。
特に、「岐阜大学アントレプレナー育成プログラム」では、デザインシンキングやリーンスタートアップ手法(リーンキャンバス等フレームワーク活用)等をベースにした講座を実施しているため、それらのメソッドに詳しい講師をピンポイントで選定できればと相談しました。

講師としてアドバイザーの河西様にご依頼されたのはなぜですか?
岐阜大学の教育プログラムに比較的近いメソッドを活用されていたためです。
また、「アイデア創出プロセス」における本学の方針として、「相手の言葉を否定せずに一旦受け入れ、自分のアイデアを付け加えて返す話し方(「イエス アンド」話法)」を取り入れており、ご依頼前の面談等を通して、河西様であれば我々の方針を理解して学生たちに接していただけそうだと感じました。


アドバイザー河西様による講義の様子

河西様が実施された講義の内容を教えてください。
河西様には、独自のプログラム「岐阜大学アントレプレナー育成プログラム」の講座を1dayで実施いただきました。河西様はオンラインで講義をし、学生はオンラインとオフラインのハイブリッドで25名の学生が参加し様々なワークを交えながら講義を受けました。多くのワークを取り入れた実践型の講義で、起業へのはじめの一歩を踏み出してもらうことが狙いでした。

午前は、「初めての起業の為の心得」をテーマに、起業はいかに実践が大切かということ、そしてその実践をうまく進める為の”エフェクチュエーション”という考え方について解説していただきました。学生たちは個人・グループでのワークを通して、身をもって体感できたと思います。

午後は、「アイデアを形にする為に」というテーマで、それぞれが考える”世の中の誰かの助けになるであろうアイデアの種”をどのように現実のものにしていくかを教えていただきました。演習を交えた講義はわかりやすく、学生たちに翌日から実践できる手法を持ち帰ってもらうことができたと感じます。


グループワークに取り組む受講学生たち

今回、ビザスクをご活用された感想をご教示ください。
ビザスクの豊富なデータベースから自分たちでは短時間でリーチできない本プログラムに最適な講師人材を紹介いただくことができ、とても助かりました。ビザスクの方には、講座終了まで伴走的にフォローしていただき、安心して講座運営を行うことができた点もよかったです。

また、講義自体も大変良い結果に繋がりました。河西様に講義を行っていただけたので、岐阜大学のスタッフは受講学生のフォローにまわることができ、受講後アンケートの満足度も非常に高かったです。「普段あまり聞く事が出来ない内容を聞く事ができ、今後の大学生活や就職先で活かしていきたい」という学生の感想もあり、まさにビジネスの第一線で活躍している外部の講師を起用した甲斐があったと思います。
さらに、特筆すべき点として、その後、受講学生が、地域のビジネスアイデアコンテストに参加する意思を表明するなど、実際に行動する後押しにつながった点も大変嬉しく思っています。

今後の「岐阜大学アントレプレナー育成プログラム」の展望を教えてください。
来年度以降のプログラム運営においてもビザスクを活用させていただき、最適な講師人材の方と連携しながら、プログラムの充実化を図っていきたいと考えています。今回は1dayでしたが、連続した講義形式でより学生の理解を深めることができればと思います。

ここからは講師を担当されたアドバイザーの河西様にお伺いします。

アドバイザー 河西様

アイコニックビート株式会社代表取締役。一般社団法人REIONE代表理事。名古屋商科大学大学院(MBA)。
株式会社日比谷花壇を経て、アスクル株式会社にて企業内新規事業に従事。2018年から株式会社NTTドコモにて社内新規事業制度の設計・運営と社内起業家育成のプログラム開発などに取り組む。

ビザスクご登録のきっかけと今回の案件をお受けいただいた理由を教えてください
当時勤務していた企業で実際にサービスを活用しており、自分も何かお役に立てる事があるのではと思い登録しました。今回の案件については、まさに求められている事と、ご提供できる事が一致していると感じました。自身が初めて新規事業に取組んでいた頃の試行錯誤がもたらしてくれた知見が提供できると感じられました。

ご自身のどのような強みを活かして貢献できると思われましたか。
これまで、高校や専門学校など、今回の受講生の皆さんと同世代の方々向けに、起業家の初めの一歩をお手伝いする機会がありました。
また、私自身も事業立ち上げを経験した頃、最初の一歩目を踏み出すのにとても勇気が必要でした。そこに果敢に挑まれようとする生徒さんには、心から尊敬するのと同時に、少しでもこれまでの自分の経験を分かりやすく伝える事で、背中を押したいと思い取り組ませていただきました。

ご支援の際に工夫されたことを教えてください。 
もともとは社会人向けにメソッドを体系化して提供しておりましたが、ビジネス経験の面で差がある生徒さんに対して、表現の工夫・事例の選定の工夫を心がけました。
また、起業に向けて意欲的に取り組み自信を持てている生徒さん、この日が初めの一歩で緊張している生徒さんもいらっしゃることと想定していました。どんな方の声にも耳を傾け「包摂」する姿勢は、事業家としてステークホルダの方々との対話の場面で大切になると考え、コミュニケーションのルールを定めてディスカッションをしていただきました。

ご支援いただいた感想、やりがいを教えてください。
この日に何度かグループディスカッションの時間を取らせていただきました。最初はご自身の意見を述べる際に戸惑われていた生徒さんが、この日の最後には挙手をされ全体で意見を述べられていた姿を拝見しました。やはり、こうした場面に自ら足を運んで下さる生徒さんは、内に秘めた想いをお持ちになられていました。
未来ある次世代起業家候補の皆さんに、機会を生み出し、想いを引き出していく事が、少し長く生きた大人の役割なのだと痛感させれる一幕でした。

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