活用事例

生成AIのプロが高校生とメタバース上で議論!? 大学が高大連携の取り組みとして学外の人材を活用し、探究的な学びを得られるワークショップを実施

三重大学

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インタビューにご協力いただいた方

  • 高等教育デザイン・推進機構 アドミッションセンター 宮下 伊吉様
  1. 課題
    • 三重大学における高大連携・接続事業では、高校生の探究力育成に注力
    • 合わせて、地域の魅力を創造・発信できる若者の育成を目指す
    • 学外の有識者と連携し、最新のビジネス知見を活用したワークショップを企画検討
  2. アプローチ
    • 注目が集まっている生成AIに関する知見が豊富なエキスパートに講師を依頼
    • 生成AIについて仮想空間でディスカッションしながら学べるワークショップを実施
    • 事前動画の作成、当日の登壇、高校生へのアドバイスをエキスパートが担当
  3. 効果
    • 動画や解説が非常にわかりやすく、参加した高校生から好評だった
    • エキスパートのアドバイスのおかげで、高校生同士のディスカッションも活性化

所属部署の役割について教えてください。

三重大学のアドミッションセンターは、入学者選抜に関わる業務と、高大連携・接続事業に関わる業務を担っています。高大連携・接続事業では、意欲にあふれる高校生に学びの機会を提供すべく、各学部教員による多様なテーマでの「学問探究セミナー」の開催、三重県内の地域の高校生を対象にした講座(東紀州講座など)の開講、高大両方の単位を認定する高大連携授業として三重大学全学共通教育科目の一部を公開するなど、幅広い取り組みを推進しています。

今回「ビザスクpartner」をご活用いただいた背景を教えてください。

社会の急激な変化、生成AIなどの飛躍的な技術進歩などにより予測困難な時代に直面している中で、高校の学習指導要領も大きく改訂され、自ら課題を発見し解決する「探究力」を養う取り組みが求められています。
高校での探究力育成の取り組みと大学教育との教育接続において、地域の魅力を創造・発信できる若者の育成を三重大学は目指しています。そこで、大学のリソースだけでなく、企業や地域(自治体、教育委員会など)をはじめとする学外の方々と連携できないかとアンテナを張って情報収集を行いながら、実践的で最新のビジネス知見も活用した新たなワークショップの企画を検討していました。

エキスパートの小栗様に依頼された決め手を教えてください。

企業や地域などの学外との連携に際して情報収集をする一環で、小栗様が登壇するビザスク主催セミナー「ChatGPTが変える新規事業開発の未来〜生成系AIを活用した事業創出・ロードマップの策定法〜」を受講したことがきっかけです。
小栗様は注目が集まっている生成AIに関する豊富なご知見をお持ちで、かつ生成AIについての解説や新規事業開発に向けたアイデアの考え方が非常にわかりやすく、高校生の探究的な学びの参考になるのではないかと考え依頼しました。

どのような支援内容でしたか。

生成AIについて仮想空間でディスカッションしながら学べるように、期間限定で設置したメタバースを活用したワークショップ「アバターになってスティーブ・ジョブズのように考えよう!」の開催を小栗様に支援いただきました。メタバース上で初対面の高校生同士がディスカッションしながら生成AIを切り口にしてアイデア発想のプロセスを学ぶワークショップです。
まず、小栗様には15分程度の動画を作成いただきました。参加高校生には、メタバース内でその動画を視聴して、生成AIの基本的な内容を学び、生成AIを活用して身近な課題をどのように解決できるのかを考えるという事前課題にあらかじめ取り組んだうえで、ワークショップ当日に参加してもらいました。
ワークショップの内容については、小栗様と共に事前に複数回打ち合わせを行い、作り込んでいきました。当日は、小栗様にもメタバース内で登壇いただき、アイデアを実際に形にしていくための思考プロセスを解説いただいたり、高校生のプレゼンテーションに対するコメントやアイデアをブラッシュアップする手助けをしていただきました。

支援の成果について教えてください。

小栗様の動画や解説は非常にわかりやすく、参加した高校生からも好評でした。小栗様から考え方についてのヒントを得たり、それぞれのアイデアに対してアドバイスをいただいたおかげで、参加高校生同士のディスカッションも活性化され、多くの学生が自分の意見を明確に発言できていたように感じました。

「ビザスクpartner」をご活用いただいた感想をお聞かせください。

ワークショップの実施前に、小栗様とビザスクの担当者も交えて複数回打ち合わせの機会を設けていただいたことが非常によかったです。
ドラフト段階から方向性をすり合わせ、こちらの要望も踏まえて必要に応じて修正を加えていただきました。エキスパートに丸投げにせず、しっかりと意見交換しながら一緒にワークショップの構成を作りあげることができたのが成功の要因だと考えています。
また、事前に作成いただいた動画や、ワークショップ当日の解説も質の高い内容であったことから、これをきっかけにさらに学外の知見を活用する仕組みができれば、高校生の学びへのモチベーションを高めることにつながるのではないかと考えています。

ここからは支援エキスパートの小栗様にもお伺いしてまいります。

エキスパート 小栗 伸様
NTTドコモにて、「AI電話」をはじめとした12のAIプロジェクトを製品化・事業化。ドコモのソリューション協創プロジェクト“トップガン“の立上げにも携わる。世界で最も権威あるIFデザインアワードのService Design部門で国内企業初のGold受賞。他にも国内外をはじめとした18件のアワードを受賞。経済産業省主催「始動Next Innovator 2021」採択。

ビザスクご登録のきっかけと今回の案件をお受けいただいた理由を教えてください。

NTTドコモでの新規事業の立上げ、AIの技術開発、プロダクト開発の経験を活かして、クライアント様に伴走したいと思いビザスクに登録しました。
お受けした理由については、高校生が生成AIを学び、生成AIを活用して身近な課題を解決してみるセミナーのご支援ということで、これはまさに私が専門とする技術分野で、新規事業の要でもある課題探索に関する内容だったからです。

ご自身のどんな強みをいかして貢献できると思われましたか。

生成AIに関する知見や、課題探索・アイデアを形にするワークショップの実施経験があったため、このセミナーにおいても貢献できると感じました。

ご支援の際に工夫されたことを教えてください。

一つは、三重大学の宮下様の企画への想いや、どのような場にしたいかというお話を事前に伺い、セミナーで話す内容をチューニングしたこと。もう一つは、今回メタバース上でのワークショップで、かつリアル参加とリモート参加の方が両方いるという状況だったので、宮下様と私で役回りや進行を丁寧に目線合わせした上で、当日臨んだことです。

ご支援いただいた感想ややりがいを教えてください。

参加された高校生が生成AIについて学ぶだけでなく、身近な課題解決について議論し、よりよい未来について考えるという、とても素敵な場となりました。先生方や皆様と場作りができたことはとても刺激的であり、なにより高校生と一緒に議論した内容は私にとっても発見のあるものでした。

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