活用事例

13部門で27のスポットコンサルを実施。外部のベストプラクティスに学び、各部門の業務内容・仕事の進め方の変革の参考に

PHC株式会社(旧:パナソニックヘルスケア株式会社)

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インタビューにご協力いただいた方

  • BPR推進部 BPR推進課 岡崎 忠史様

パナソニックヘルスケアの事業内容について教えてください

病院や医師向けの「診断と治療の連携」、患者向けの「医療情報の活用」研究機関向けの「創薬・研究の支援」が事業領域です。2014年のパナソニックからのカーブアウトを経て、現在は独立会社として事業を推進しており、一人ひとりに最適なヘルスケアを実現するために、お役立ちし続ける企業を目指しています。

ビザスクの「スポットコンサル」を、初めて知ったときの印象を教えてください

サービスの概要を聞いた時に、まず、「スポットで知見が聞けるサービスがあるのか!」と驚きました。私が参加する他社主催の異業種交流会やセミナーなどで事例紹介などもありますが、「本当に聞きたいこと」は、なかなか聞けないものです。また、他社の方と何かしらの接点が作れたとしても、改めてヒアリングをお願いしにくいという実情もあります。しかし、ビザスクがあれば、先行している企業の取り組み事例や、実務的な知見を学ぶ機会を作れます。当社としては、個別性の高い特殊なお話というよりも、その領域の一般的な知見をお伺いしたかったので、視野を広げる機会になるのではないかと考えました。

ビザスクの導入はどのように進められたのでしょうか?

2014年度に全社的な取組みとして、13部門で27回のスポットコンサルを受けました。背景としては、2014年にカーブアウトにより経営体制が変更になったのを受け、独立会社として各部門の機能や役割を大きく見直す必要がありました。以前は、グループ本社の方針に基づいて、当社の事業特性や状況に応じた運用をするという形で業務を進めてきました。しかし、これからは、ヘルスケア事業の推進に必要な組織・機能の在り方を自社で確立していくことになります。そこで、先進的な企業の業務の種類やレベル感をお伺いし、自社の参考にさせていただきたいと考えました。そして、2015年度以降は、案件が発生した際に随時、ビザスクを利用しています。

2014年度の全社的な取り組みの内容を教えてください

外部のベストプラクティスに学び、各部門の業務内容・仕事の進め方の変革の参考とするという位置づけで、各部門からテーマを募りました。経営企画、広報、法務、人事、総務、経理、知財、IT、物流、BPRなどの13部門から27案件が挙げられましたが、いずれも、各部門が企業価値の向上に貢献するための業務領域の定義と業務プロセスの在り方についてお伺いしました。それぞれのアドバイザーとの面談では、各部門の代表者数名が参加させていただきました。

具体的には、どのような案件だったのでしょうか?

例えば、人事部では、人材育成の在り方について外資系企業の取締役 執行役員 人事統括本部長の方にお話をお伺いしました。これまでのご経験から、人材育成においてどのような考えを重視して取り組みを進めてきたかをお伺いする中で、人材育成の根本思想について学ばせていただきました。

また、総務部では、新しい総務の在り方を模索しており、外資系と日系企業で経験を積んでおられる方のお話をお伺いしました。総務部は、社内の各機能に分類できない業務は、すべて対応するべきだという考え方など、部門の在り方に関する示唆をいただけました。総務の機能を拡充して、各部門で時間がかかってしまっているものを集中化するという方針は、総務部門の変革活動の根本になっています。

法務部でも、情報セキュリティ管理に関して、同業種と異業種のメーカーの法務経験者の方のお話を伺っています。情報管理の難しさは、ルールや基準の厳格さと円滑な業務遂行のバランスにあります。情報管理という面からみれば、厳しい基準を設けたほうが、問題発生のリスクはコントロールしやすくなります。しかし、あまりに細かくルール化すると実際に業務は進めにくくなります。アドバイザーとのお話の中で、業務毎に「濃淡をつける」という考え方は、やはり重要なのだと気付きをいただきました。情報漏洩の事前、発生、事後の対応内容や体制の在り方、何をルール化し、何をシステムで担保し、啓蒙活動や教育をどう進めるかの指針を考えるヒントをいただきました。

アドバイザーのマッチングは適切だったでしょうか?

ビザスクに案件の相談をする段階で、当社からお伝えできることやお話いただきたいことは、丁寧に伝えていますので、マッチングに関しては問題なく進められています。案件ごとに、アドバイザーに求める要件は変わってきますが、当社の事業内容や規模だからこその悩みにマッチしたアドバイザーを紹介してもらえたと感じています。大手企業の役員・部長経験者や現在は大学教授として活躍されている方など、当社のネットワークでは、お会いできなかった方に話をお伺いできたのは、ありがたかったですね。

スポットコンサルの成果はどのように認識されていますか?

各部門で面談した内容については、随時、経営陣や関係部門にレポートすることで共有を図っています。また、ビザスクの導入を進めた結果については、各部門の面談参加者にアンケートを実施し、その内容も報告しています。アンケートは、「スポットコンサルに満足したか」、「アドバイザーは、要件にマッチしていたか」、「自部門の業務改善の参考になったか」、「自部門のアクションにつながったか」といった観点での4段階評価と定性コメントを回答する形式です。

結果としては、「有益なアドバイスが入手できた」、「アクションに繋がった」という回答が多く、社内での評判も良く、各部門もほぼ満足してくれているとの認識です。コメントでも、「他社の業務のレベル感が分かった」、「今後の活動の方向性を決める参考になった」、「今後の変革を進める上での考え方の整理ができた」などの声が寄せられています。一部、満足度が低かったのは、アドバイザーのご経験が少し求めているものと離れていたといったケースですので、今後、案件情報をビザスクに伝える際に、工夫していければよいと考えています。

スポットコンサルと一般的なコンサルティングとの違いは何でしょうか?

一般的なコンサルティングでは、業務範囲も広く、定例会議なども実施しながら長期間に渡って問題の解決を進めていくことになります。一方で、ビザスクのスポットコンサルは「舵取りの羅針盤」として活用しています。スピーディにお話を聞いて、「そういう手もあったか」という気付きをいただき、自分たちの業務に取り入れていくというイメージですね。1時間のスポットコンサルであれば、関係者も集まりやすいですし、アドバイスを経て方向性が決まれば、一気に動けるという手軽さとスピード感が違いではないかと思います。

今後、ビザスクをどのように利用していくお考えですか?

各部門でビザスクを活用することで、世間のレベル感を知って、当社の強みを活かすために、どのようにシステムや制度を変えていけばいいのか、変革の指針を定めることができました。今後も、先進的な取り組みをしている企業の知見をいただきたいという局面はでてくると考えています。特に今回は、役員や部長層も面談に参加していますので、何か変えたいという意志があれば、ビザスクで外部の方の意見を聞いてみようという流れが出て来ると思います。自分たちの想いや分かる範囲でできることには、限界があるので、外部のベストプラクティスを知るというプロセスを挟むことが標準化していくといいですね。

これまでのモノづくりの会社では、情報を取りに行かなくても、お客様から自然と情報が入ってくるという傾向が強かったのではないかと思います。しかし、これからは、どのような企業も、自分たちから情報を取りに行かなければならないですし、外部とのネットワークも恒常的に作っていくことが必要だと考えています。外部に常に目を向けている状態を作っていくことが、様々な業務のレベルアップにつながると思いますので、継続的にビザスクを利用していきたいですね。

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