活用事例
新規事業のユーザー像は?構想期の複数業界/業種の想定顧客へのインタビューで解像度高くユーザーを抽出できた
株式会社リコー
- 目的
- 業種
- 利用サービス
インタビューにご協力いただいた方
- 未来デザインセンター TRIBUS推進室 鴻上 和彦 氏、内田 傑之 氏
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- 課題
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- これまで社内で経験のない領域での新規事業を検討
- ターゲットとなり得る人にすぐにアクセスができず、ターゲットが不明確かつ解像度が低い
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- アプローチ
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- ターゲットの絞り込み、ソリューション仮説の検証の2段階に分けて複数名にインタビューを実施
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- 効果
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- 属性ごとの解像度を上げ、ターゲットの業界や部署、組織規模を絞り込むことができた
- これから提供すべきソリューションの方向性が明確になった
株式会社リコー(以下、リコー)様は、新規サービス「サトラス」の立ち上げにおいて「ビザスクInterview」を活用されました。
2024年4月、弊社主催セミナーにて、事業立ち上げを担当された 株式会社リコー 未来デザインセンター TRIBUS推進室 鴻上様と内田様にご講演いただきました。
本記事では、その内容から抜粋して新規事業立ち上げにおけるビザスク活用事例をご紹介します。
サトラスについて:https://accelerator.ricoh/satrus/
新規事業創造プログラム「TRIBUS」とはどのような内容ですか?
TRIBUSはリコーが進めているアクセラレータープログラムで、新規事業創造のための挑戦の場として、社内外からイノベーターを募っております。
TRIBUSの特徴的なところは、社内の起業家とスタートアップ企業様が統合型で参加するプログラムがある点です。最終的には、プログラムの最後に社外の審査員の方の入ったピッチコンテストがあり、セレクションされるようなプログラムになっています。社内の経営陣だけの判断だけでなく、社外の投資家の方の意見を取り入れ、社外の目の方が多い状態で審査されます。
新規サービス「サトラス」について教えてください
「サトラス」は私たち自身が社内起業家としてTRIBUSにエントリーして立ち上げたサービスです。
音声データを記録して、商談を可視化したり、そこからレポーティングができるようなサービスで、ターゲットにしているのは会社の経営層やマーケ部門、営業企画の方々です。この方たちは顧客の実際の声が分からないという課題を抱えていると捉えています。顧客の声をもとにしたマーケや営業施策ができないこと、その施策の効果測定ができないこと、プロダクトの改善ができないこと、これらを解決するソリューションとして開発しました。
「サトラス」は、最初に商談の音声を記録し、AIを活用して顧客の声を分析します。そして、分析したものを効果測定する、というような構成になっています。ターゲットに挙げたようなお客様の膨大な商談の音声記録のファクトから、AIを活用して分析し、経営判断や営業戦略の策定、効果的に活動できるようなデータを提供します。
記録したデータを活用して、レポーティングをし、事業拡大に不可欠なマーケティングや、セールス・プロダクトの各チームに向けて、実際のお客様の声からLLMを使ってレポートをお届けするサービスです。
このサービスの開発当初、どのような課題をお持ちでしたか?
一点目は身近なところにターゲットとなる人がいなかったということです。これまで社内でやってこなかった領域での新規事業だったので、社内に詳しい方がおらず、インタビューできる人がいない状況でした。また、ソリューションの仮説検証時においては、クイックにたくさんのユーザーに見てもらい早く反応をいただきたいものですが、そのユーザーを探すのにとにかく時間がかかってしまっていました。
二点目はターゲットが不明確で解像度が低かったことです。プロジェクトの構想時期は、ターゲットが全然決まっていなくて、大雑把に「オンラインで商談している人」のような属性だけで進めてしまっていました。本来であれば初期段階で多くの方に話を聞いて、ターゲットを絞っていく必要がある時期ですが、適切な対象にアクセスできる手段がなかったり、できたとしてもすごく時間がかかったり、というようなことが課題でした。
プロジェクト構想時期における「ビザスクinterview」の調査内容及び結果についてお聞かせください
今述べたような課題があったので、ビザスクinterviewを使い、オンライン商談をされている様々な業種の営業の方にお話を伺うことにしました。例えば、Saas企業の営業・マネージャーの方や、ハードメーカーの営業企画の方、大企業の営業マネージャーの方などにインタビューさせていただきました。
インタビューした主な内容は、「業界の情勢や動向」「自社の営業組織の運用」「抱えている課題感(仮説検証)」などです。インタビューを重ねる中で、業界業種によって答えが全然違ったということがまず大きな気付きでした。
組織運用の仕方も全然違いましたし、売っているもの・サービスによって課題感も全く違うということをリアルにお聞きでき、身をもって知ることができました。
このフェーズでビザスクinterviewを使ってできたことをまとめると、事業のターゲットを絞ることができたため、課題感がさらに明確になり、元々持っていた仮説を確認できました。
次に、事業の立上げ初期フェーズにおける「ビザスクinterview」の調査内容及び結果についてお聞かせください
構想時期のインタビューを通じて「サトラス」のターゲットはSaaS系の営業マネージャーや営業企画の方と、ターゲットをある程度確定させることができましたので、次に属性の違いっていうところでインタビューをいくつか行いました。一例ですが、営業組織の大きさというところで属性を切って、複数の方にインタビューをさせていただきました。
インタビューで、営業組織の規模ごとの課題感の再確認や適切なソリューションの仮説の確認を進めていきました。
この時期のインタビューを通して、組織規模ごとの課題感の違いや、どんなソリューションが良いのかといった点が分かり、我々がこれから提供すべきソリューションの方向性が明確になってきましたので、現在は開発を進めています。
「ビザスクInterview」を活用する上で意識したことを教えてください
まずは、複数人にインタビューするということです。先入観で自分たちが選んでいる属性の方にインタビューしてしまうと、周りが見えないということがありますので、複数人にインタビューする必要があると考えております。
二つ目が、属性の確認をしっかりやり、同じ項目でやるというところを意識してやりました。属性によって後で課題を分類したり、分析するためにも、固定で聞く項目っていうのはしっかり準備していくことが必要だという風に考えています。
三つ目は、オープンな質問には深掘りの質問をたくさん用意しておきました。オープンな質問といえども、その回答を用意しておくべきです。その場で新しい質問を作るのってなかなか難しかったりもしますので、あらかじめ準備していました。
今回「ビザスク interview」を活用して調査を実施された感想をお聞かせください
一つ目は、インタビューできるまでのスピードが早いということです。ビザスクにインタビューを依頼して、早ければ数日後にはもうインタビューできていた印象です。特に新規事業の立ち上げ初期など、短い期間で構想し仮説検証しないといけない場合に、かなり有効な手段だと感じました。
二つ目は、エキスパートの質が高いということです。実際ソリューションを確認していくようなインタビューの場合に、競合のサービスと比べるとこうだねとか、そういったレベルでのコメントをいただけるような方もいらっしゃり、非常に参考になりました。
三つ目は、インタビュー候補者を事前に比較確認できるところです。我々は属性や事業の規模ごとにインタビューしたい人をピックアップしたかったので、細かく属性を絞って候補者を探せたのが非常に良かったです。
一刻も早く適切な一次情報にアクセスすることが大切な新規事業の立ち上げフェーズで「ビザスクinterview」は、非常に有効だと感じました。我々は今回活用したようなシーンを初め、リアルな一次情報を集めたい場合にはとてもおすすめできるサービスだと思っております。
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