活用事例

新規事業提案制度でアドバイザーによる「業界勉強会」を開催。 最先端の課題を学び、コミットできる事業テーマを見つける

SBイノベンチャー株式会社

目的
利用サービス

インタビューにご協力いただいた方

  • 事業推進部 部長 佐橋 宏隆様

ビザスクのご利用のきっかけを教えてください

ソフトバンクグループは、「300年間成長し続ける企業グループ」を目指し、2010年度に策定された『新30年ビジョン』で『時価総額200兆円』と『戦略的シナジーグループ5000社』という数値目標を掲げています。当社は「ソフトバンクイノベンチャー」という新規事業提案制度での事業化を推進することでその実現の一端を担っています。

「ソフトバンクイノベンチャー」は2011年から実施しており、2016年度からは社内起業家の育成を後押しするための「イノベンチャー・ラボ」もスタートしました。「イノベンチャー・ラボ」では、国内外のスタートアップに関する知識や新規事業企画のノウハウを身につけるための学習プログラムやチームアップイベントなどを展開しています。こうした取り組みの中で、自分たちだけでは推進することが困難な部分も出てきました。

1つ目は、ソフトバンクイノベンチャーの事務局として提案者と深くかかわる中で、参加者の課題が見えてきました。参加者が困っているのは「自身が、これに賭けたい!というアイデアになかなか出会えない」という点であることが多いです。新規事業を創りたいという強い想いがあるかと、コミットしたいテーマが見つかるかは別の課題とも言えます。勿論、アイデアを生み出すのは自分自身であることが大前提ですが、事業を創りたいという想いを持っている人が、興味のある領域において何かしら課題を抱えている人に出会ったら、良いアイデアを生み出すきっかけになるのではないかと考えました。

2つ目は事務局サイドとしての課題認識です。ソフトバンクグループには新規事業にチャレンジしたいという社員も多数おり、例えば、IoTはソフトバンクグループの注力テーマの一つですが、「IoT×X」のXにあてはまる特定業界については、十分な知識を持っていないこともあります。また、ある課題を捉えていたとしても、その業界の最先端の課題であるとは限りません。新規事業に取り組む以上は、その業界の問題の最も進んでいる課題を解いていく必要があると考えています。そこで特定の業界に従事して、俯瞰した課題や本質的な問題が見えている方と接点を持つ機会を作り事業アイデアの精度を高める機会を作ることを企図しました。

特定の業界のスペシャリストとのネットワークはなかなか作りにくいので、業界経験者とマッチングしてくれるビザスクのサービスに興味を持ちました。業界の中の人にとっては当たり前の商習慣などの業界特性を踏まえつつ、最先端の課題を知るスペシャリストを探そうとなるとそれなりのサーチスキルが必要になります。業界経験者を紹介してくれるサービスはいくつかありますが、ビザスクのサーチ力に期待してビザスクに依頼をしました。

アドバイザーとはどのような形式で対話されましたか?

一つの業界にテーマを絞り、「業界の最先端の課題を知る勉強会」と位置づけ、アドバイザーを講師として招きました。テーマは、情報革命による課題解決の余地が比較的大きいと考えられる業界を選定し、3名ほど専門領域が異なるアドバイザーを選定してお話いただきました。業界構造をお話いただく方、大手企業勤務の方、テックベンチャーで活躍する方など様々なバックグラウンドのアドバイザーを選び、参加者がより複眼的に業界を知ることができるように工夫しました。

ビザスクのアドバイザーは、通常は面談という形で対応しているので、勉強会形式に慣れていない方もいるかもしれないと、当初は懸念もありました。しかし、ビザスクのプロジェクトマネージャーが、業界経験や知見の深さだけでなく講演経験なども踏まえてアドバイザーを選定してくれたようです。結果的には、勉強会の講師が十分務まる方にお話をいただきましたし、突っ込んだ質問にもしっかり回答いただけました。

今回の取組の成果をどのように認識されていますか?

ひと言でいえば、やって良かったです。どの業界についても、短い時間ですべてを理解することはできませんが、業界知識がなければたどり着けない課題を見つけるきっかけにはなったと感じています。「この業界は面白い!」と興味をもったという参加者がでたことは、成果の一つです。実際に、アカデミーの勉強会で感じたことを起点に、新規事業を構想した人も出てきています。

事業を創りたいという想いのある人が、業界に興味を持つことが一番大事で、業界を知る人の話から考え始めると事業の可能性も見つけやすくなると感じています。今回の勉強会でも「こうした考え方はあり得るのか?」といった質問が出ていましたが、業界の専門家と意見交換することでありがちではない事業の切り口を捉えることができるようになるのではないでしょうか。

今後の展開について教えてください

今回は手上げ式で実施したこともあり、参加者の業界知識にバラツキがありました。既に業界を調査している人にとっては内容が基本的すぎたという声もありました。業界動向を知るための勉強会と事業アイデアをブラッシュアップするためのテーマを特定した意見交換会など、業界経験者との接点の作り方は今後も工夫の余地があると考えています。

新規事業の創出を推進する立場としては、「ソフトバンクイノベンチャー」への応募時の質を引き上げていきたいと考えています。情報通信を軸にして市場を再編するきっかけとなるような事業アイデアを生み続けるには、本質的な課題を捉えた事業テーマを見つけだすことが必要です。新規事業提案制度を続ける以上は事業を生み出さなければ意味がありませんので、社内外の知見やリソースをフル活用しながら事業を生み出し続ける仕掛けを今後も取り入れていく考えです。

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