活用事例
1年間で4名のプロが伴走。データサイエンスなど各専門家の支援で、AI・ブロックチェーンの最新技術実装の追い風に
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- 課題
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- 新規事業の成長に伴い収集できた膨大なデータを活用したい
- 既存事業の業務の向上や新たなサービス展開のため、AIやブロックチェーンなどの技術を事業に結びつけたいが、技術に関する知見が不足しており既存メンバーでは限界があった
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- アプローチ
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- 自社の戦略の可能性を見定めていくための最新事例にあてたディスカッション
- プロトタイプの制作と様々な手法の研究
- エンタープライズ向け研修企画提案のサポート
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- 効果
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- AIやブロックチェーンなどの技術を取り入れた新たなサービスの可能性について、知見を深められた
現在力を入れている事業内容について教えてください。
今回「ビザスクpartner」に支援を依頼した事業は、CTS語学サポートデスクです。
語学力の向上を必要とする顧客企業の社員のみなさまに個別でカウンセリングを実施、多様な学びのニーズや課題に対して、30社以上のパートナー企業が提供する学習サービスの中から最適な提案を行い、学習中もサポートを実施します。ほけんの窓口の語学版のようなイメージです。
また同時に、企業の担当者にとっては事務局を無料で代行するサービスを提供しているため、業者選定や、募集管理、申込み管理、学習実績の取得/集計、修了要件の判定、補助金の処理など、煩雑な工数を一切かけずに導入できる仕掛けとなっています。
元々CTSは企業に講師を派遣する対面型の語学研修事業を長年行なっていたのですが、オンライン英会話の普及や新型コロナウイルスの影響で対面研修が激減したため、ビジネスモデルの変革を余儀なくされ、その試行錯誤の中で生まれました。
ビザスクpartner導入の背景をお聞かせください。
2021年にCTS語学サポートデスクが誕生してから、順調なスピードで成長しユーザー数、パートナー企業数を拡大し続けていますが、コロナ以降の世の中の移り変わりの速さを目の当たりにし、新しいサービスモデルを開発してもスグに追いつかれてしまうことから、常に1歩先を見据えて進化させ続ける必要性を感じていました。
そこでいろいろな思考の末たどり着いたのが、AIやブロックチェーンの活用です。
利用者の方のカウンセリングの記録や学習データなどの膨大な情報をAIで価値ある形に集計し、そのデータをユーザー自身が自分の所属する企業の外でも持ち運んで活用できる次世代のサービスをつくりたいと考えました。しかし、そこで直面したのが技術の壁です。素人である私たちが自力で理解できる範囲には限界がありました。
また、当社のスタッフは英語スクールの出身者が多く、現在実施しているカウンセリング後の提案作成の部分でも課題があります。当社の顧客の場合、語学スキルだけでなく、業務内容やグローバルとの関わり方などビジネスに関する要素も重要となりますが、これらを紐づけた有効な提案を行う、という業務の難易度が高かったのです。そこで、AIを活用してより有効な提案ができるようにしたいとも考えていました。
さまざまなサービスがある中で「ビザスクpartner」を選んだ理由をお聞かせください。
何をするかが明確で、プログラムをつくる段階であれば自社で募集をかけやすいのですが、現在はその手前の段階です。新しい事例を生み出すためのディスカッションや要件定義が可能な方に参画いただきたかったのですが、普通の募集方法では難しいと考えました。
当初は、大学の研究室などにも連絡を入れたりしたのですが、内容やお作法がよくなかったのか、まったく返信すらもらえない状態でした。開発をしている企業ともいくつかお話をしたのですが、スグに開発の要件定義の話に入ってしまったり、儲かるかわからないものに対する警戒感などから、なかなか求める動き方にフィットするパートナーを見つけられませんでした。
そこで、以前からサービスを知っていたビザスクに依頼しました。
私たちが希望したのは、先進事例に常に触れていて、新しいものを生み出す、というミッションと親和性が高い方です。複数の候補者の中から、当社の事業に興味を持ち意欲的に取り組んでくださる方、人物的に相性が良さそうな方合計4名にエキスパートを依頼しました。
今回4名のエキスパートから伴走支援いただきましたが、それぞれのご支援内容と成果を教えてください。
4名のエキスパートの方には、それぞれ異なる部分で支援を依頼しました。
データサイエンティスト領域のエキスパートには、AIを活用したカウンセリング内容と提案書の紐付けの実証のため、AIプラットフォームの検証をお願いしました。AIの世界は進化が早く、 ChatGPT以外にも次々にリリースされています。それらのサービスのうちどれが適しているかを試行、検証していただきました。
AI研究領域のエキスパートには、顧問のような立場で、月1回の面談とSlackでコミュニケーションをとり、最新事例や研究結果、他社の取り組みなどを共有いただき、壁打ち相手をお願いしました。
ブロックチェーン領域のエキスパートとは、より具体的にAIやブロックチェーンを取り入れた事業計画の策定を目指し、ブロックチェーンの機能的な部分や事例、当社の事業コンセプトとどうマッチするか、などのディスカッションを進めました。
コンサルティングファームやスタートアップでの経験が豊富なエキスパートには、企業向けの提案書の制作でご協力いただきました。他の3名の方とは少し位置付けが違うのですが、案件の増加に伴い提案機会が増える一方で、私や代表カウンセリングなどの対応数が多く手が回らなくなってきており、お任せできる業務を依頼したいという理由からです。
AIやブロックチェーンの活用については今後の挑戦を見据えた研究開発に近いものでしたが、我々だけでは越えられなかった壁に対して、エキスパートの皆様の知見をいただきながら考察を深められました。
「ビザスクpartner」のメリットはどのようなところで感じられましたか。
自社ではアプローチすることが難しい人材の方をご紹介いただけたことです。
候補者の方のプロフィールを見て、私たちでは接点が持ちづらく、何らかの仲介者がなければたどり着けない方だと感じました。
特に、現在他社に所属されている方にプロジェクトへの参画を依頼するのは難しいものです。
実際に支援いただいたとき、現職で活躍中の方の業務面での強さを実感できました。
今後目指すビジネス展開や、未来のビジョンを教えてください。
教育業界において個人の学習体験や経験を、信頼できるデータとして蓄積し、活用することを目指したいです。
現在ではTOEICやVERSANTのようなテストの数値が評価の対象となっていますが、人はそれぞれに異なる学習経験や重要な体験を持っているものです。これらは一律の数値で測ることができませんが、価値あるものだと考えています。
現代社会では技術革新が進んだことで、人間ができることの可能性が拡張しています。それに伴って企業の価値も、従来の「大きな工場や店舗網がある」といったことから、「どれだけ拡張した人間が参画しているか」で評価されるように変わっていくのではないでしょうか。我々はその社会の中で、個人個人が持つ信頼度を示せるものを表現したいです。
「ビザスクpartner」をどのようなニーズを持つ方に勧めたいですか。
人員の増加や事業規模の拡大など変化を続けている組織で、フェーズに合う人材を依頼できるのは大きなメリットだと思います。
たとえば、我々の場合現在社員数は20名〜30名、業務委託のメンバーも合わせると50名程度の組織なのですが、もし今後、人員が増えるとバックオフィスや管理系の業務の負担が一気に増すと予想されます。
組織に合わせた業務フロー構築などの面で、支援いただくのも有効だと思います。