活用事例
パナソニックの新事業、センサリールーム事業化に向けたネーミング検討を社外のプロが伴走支援
パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
- 目的
- 業種
- 利用サービス
インタビューにご協力いただいた方
- パナソニック エレクトリックワークス社 ソリューション開発本部 ライティング開発センター 渡邉 健太様、パナソニック オペレーショナルエクセレンス社 ブランドコミュニケーション部門 三浦 美賀子様
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- 課題
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- 本事業におけるセンサリールームでは、既存の施設とは住み分け、新たな価値を提供できることを伝える必要あり
- そのために新しい名称を付ける必要があるが、マーケティングの知見が不足しており候補の名称が適切か判断できない
- 専門的なマーケティング知見のある社外のプロの力を借りてリードしてもらいたい
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- アプローチ
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- マーケティングやブランディングの知見を持つ社外プロが1ヶ月間伴走支援
- 社内で検討した有力候補を含め、対象や目的、顧客目線、ビジネス目線など様々な視点でひとつひとつ整理し検討
- 実際に実証実験で活用している場所で体験をしてもらい、価値を共有した上でオンラインで打合せ
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- 効果
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- 「あるまま」という名称に決定し、クラウドファウンディングも開始
- 社外プロの客観的な視点でブレストしていく中で、事業の新たな可能性を見出すことが出来た
- 社会インフラとして当たり前の施設となり、日本中に広まっていくことを目指す
今回「ビザスクpartner」を活用されたセンサリールームの新規事業について教えてください。
私たちは、当社の照明技術を活用し、光・音・匂い・振動・触覚などの五感を心地よく刺激する空間”センサリールーム”をプロデュースする取り組みを行っています。本事業は、社内の新規事業提案プロジェクトがきっかけで始まり、1年間のプロジェクト終了後も実証試験を続け、本格的な事業化に向けて動き出しています。
欧州では、センサリールームが親子のためのセラピー施設や保育園などにも用いられていますが、日本ではサッカースタジアムなどに併設された感覚過敏の方向けの防音室という印象が強く、誰もが使える癒しの空間としてのイメージは薄いです。本事業では、主に親子をターゲットに五感をやさしく刺激し、子どもだけでなく子育てに疲れてしまった大人の方にも心地よく過ごせる空間を検証し、設計した新しいセンサリールームを広めていきたいと考えています。
今回「ビザスクpartner」ご利用にあたり、どのような課題やニーズをお持ちでしたか。
本事業でプロデュースするセンサリールームは、既に日本国内に定着しているセンサリールームとのすみ分けをし、新たな価値を提供できることを伝えるためには、新しい名称を付ける必要がありました。
しかし、どのように手順で名称を決定すべきかわからず、プロジェクトメンバーだけではマーケティングの知見が不足しており候補の名称が適切か判断することも難しいと感じていました。
活動が加速したきっかけは、ドナルド・マクドナルド・ハウス様から導入検討の連絡をいただいたことでした。運営の全てを寄付と募金で賄っているため、クラウドファンディングによる導入を決定、その場でもネーミングを周知するチャンスを得たことです。病気と立ち向かう子どもや常に緊張状態にあるご家族が滞在される場所だからこそ、少しでも笑顔につながる心地よい空間づくりをしたいという思いを、どのようにわかりやすくネーミングに込めるのかを、専門的なマーケティング知見のある社外のプロの力を借り、リードしていただくのが良いと考えました。
◎クラウドファウンディング詳細はこちら:https://readyfor.jp/projects/sapporo2023
「ビザスクpartner」をご利用いただいた背景を教えてください。
本事業の初期フェーズでも、アイディアを仮説検証するために「ビザスクinterview」(1時間単位のインタビューのマッチングサービス)を活用したことがあり、私たちの課題に合ったアドバイザーの方をご紹介いただきました。そのため、今回のテーマでも社外の知見を活用するならばビザスクにお願いしようと思いました。
特に今回は、スピード感を持って名称決定を一貫してサポートしてもらいたいというニーズがあったため、社外プロ人材による伴走型支援サービス「ビザスクpartner」を活用しました。
今回、アドバイザーの岩見様に依頼された決め手は何でしょうか。
実は、岩見様には以前、ビザスクで1時間のインタビューをお願いしたことがありました。その際も、非言語部分を言語化し、的確にアドバイスをいただき理解が深まりました。
今回はマーケティングやブランディングの知見をお持ちのアドバイザーの方を探していましたが、他の候補者の方と一緒に改めて岩見様をご紹介いただき、お話ししていくうちにやはりこの方以上に最適な方はいないと確信しました。
アドバイザーの支援内容とその成果についてお聞かせいただけますか。
センサリールームの名称決定を目標に、1ヶ月の伴走支援をしていただきました。具体的には、社内で検討した有力候補を含め、対象や目的、顧客目線、ビジネス目線など様々な視点でひとつひとつ整理し、一緒に検討を重ねていきました。岩見様には実際に実証実験で活用している場所で体験をしていただき、価値を共有した上でさらにオンラインでの打合せで深めていきました。
そして、支援の結果「あるまま」という名称に決定いたしました。大人も子どもも各々があるがままの自分で過ごせる、そして周りのこともあるがままに受け入れられる何にも縛られない場所であるということを表現しています。様々なノイズから切り離された場所で、集中して感覚を研ぎ澄ますからこそ子どもの新しい発見につながったり、表情が豊かになる瞬間に気づいたり、大人自身がホッとできたりします。子育てという短い時間を本当に大切に過ごしていただきたいと願っています。
名称を決定する過程では、岩見様の客観的な視点でブレストしていく中で、ユーザーだけではなく、施設側へのPRの手法についてもアドバイスいただき、事業の新たな可能性を見出すことが出来ました。
「ビザスクpartner」をご利用いただいた感想をお聞かせください。
知見が豊富で寄り添ったコミュニケーションを取ってくださるアドバイザーを紹介いただいたからこそ、名称決定において完全に腹落ちし、決定理由も明確に言語化することができ、大変満足しています。
また、ビザスクには、非常に短納期であったにも関わらず、スピーディーに最適な方をご紹介いただき感謝しています。時間をかけてゆっくり悩むことでいい決定ができることもありますが、今回の場合は時間との勝負だったので、こちらの締切や予算などの事情に合わせて対応いただけたことに大きな価値を感じました。
センサリールーム「あるまま」の今後の展望をお聞かせください。
年代や障がいの有無に関わらず、誰もが少しずつ我慢をし、ストレスを抱えながら過ごしている昨今、親子が静かに向き合い、リラックスできる「あるまま」のようなセンサリールームが、社会インフラとして授乳室くらい当たり前の施設となり、日本中に広まっていくことを目指しています。
また、2025年開催の大阪万博におけるユニバーサルデザインのガイドラインでは、センサリールームの設置推奨に関して言及されており、日本におけるセンサリールームの認知拡大が期待できます。
「ビザスクpartner」をおすすめしたい企業やおすすめの活用シーンを教えてください。
新規事業創出のプロジェクトは少人数制で、割けるリソースに限界があったり、スキルセットに偏りが生じたりすることが多くあると思います。そんな時、足りないスキルを補填する形で社外のプロに間に入ってもらうことで、商品・サービスに対して新しい価値を見出していくことができると思います。
ここからは支援アドバイザーの岩見様にもお伺いしてまいります。
アドバイザー 岩見 奈津代様
学研プラスにてママ向けのライフスタイルマガジンを創刊し、編集長を務める。その後、同じく学研グループで経営戦略や新事業開発を担当し、教育系事業に長期携わる。2019年の独立後も、ビジネスコンサル、言語化プロデューサーとして企業の戦略立案やブランディングを支援し、多数の教育プロジェクトに参画。現在も研修講師として人材育成に携わる。
ビザスクご登録のきっかけと今回の案件をお受けいただいた理由を教えてください。
登録したのは、会社員時代にビザスクの方と知り合ったのがキッカケです。自分がビジネスで培ってきた当たり前のようなスキルや知見が、他の業界の方たちにとって役に立つという発想にとても興味を持ちました。
ご自身のどんな強みをいかして貢献できると思われましたか?
「教育」「女性・マママーケティング」「想いの言語化」などの領域で私の知見はニーズがあると感じています。今までのビジネス経験及び子育て経験、すべてが自分の財産だと思っています。ビザスクからは、毎月のようにお問い合わせをいただき、今までも多くの企業のサポートをしております。
ご支援の際に工夫されたことを教えてください。
今回は、B2B2Cの新規事業で多くの企業にご理解いただくためのブランディングメッセージを作るお手伝いをしました。新規事業では、発案者の想いがとても大切ですが、それが強くなるほど、ビジネス面での魅力が分かりづらくなることがあります。特にB2B2Cの場合、誰に何を伝えるのかが不明瞭になりがちです。
最初に事業についてお話をお聞きした際、非常に魅力的なサービスですし、お二人の想いは伝わるのですが、ビジネスとしての魅力がうまく伝わっていない印象を感じました。そこで、お二人の想いをしっかり理解した上で、改めて、お客様(BやC)それぞれからの視点で考え、どう伝えるのがベストか言語化コーチングのセッションを重ねました。
ご支援いただいた感想、やりがいを教えてください。
新しいビジネスが生まれていく際に、自分の知見がお役に立ち、お手伝いできることに毎回とても喜びを感じます。特に、今回のように継続サポートができると、よりビジネスへの理解も深まり、応援したい気持ちも強くなります。
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