活用事例

モチベーション高く新規事業を推進できる組織へ。チームビルディングを外部のプロ人材がサポート

株式会社JVCケンウッド

目的
業種
利用サービス

インタビューにご協力いただいた方

  • 無線システム事業部
    事業部長補佐 ソリューション統括
    岡田 真治様
  1. 課題
    • マニュアルなどをもとに社内で新規事業開発を目指したが、上手くいかずモチベーションが低下
    • 社内の経営層に向けて承認を得ることが目的になっていた
  2. アプローチ
    • 新規事業のアイデアを生み出すためトレンドレポートの発表・ディスカッションを実施
    • メンバー14人を2グループに分け、それぞれを1つの会社と見立て競争・共創させた
    • 経営層の考えやパーパス、議論したことを可視化した
  3. 効果
    • 合計300以上のアイデアが生まれ、2年後を見据え実現可能性を検討中
    • 部署内で意見交換が活発になり、ストレスチェックサーベイの結果が向上
    • 経営陣から今後も継続して欲しいと、取り組みを認められた

「ビザスクpartner」を活用いただいた背景をお教えください。

新規事業開発を進めるために、以前はコンサルタントに協力を依頼していました。コンサルタントとの契約終了後は、提供されたプロセスに従い、社内メンバーだけで約1年間取り組んでいましたが、思うような成果が出ず、チームのモチベーションは低下していました。
チームの目的はもちろん新規事業創出。しかし実際には進捗報告会議で経営陣に報告する資料を整えることや、承認を得ることが目的になりかけていました。
当時は思うように成果があがらないことに関して私だけでなく、メンバーも悩んでいたと思います。しかし新規事業となると社内で相談できる相手が存在せず、外部で知見をお持ちの方にアドバイスをいただきたいと考えました。

他にもサービスがある中で「ビザスクpartner」を選んだ理由は何でしょうか。

以前「ビザスクinterview」を利用したことがあり、普段アクセスしづらい業界を含めて豊富なネットワークがあることは知っていました。定期的に開催されているビザスク主催のオンライン無料セミナーを視聴した時、多くの企業が「ビザスクpartner」の支援のもと、新規事業を推進していることを知りました。セミナーを通じてどのような方がエキスパートなのか、どのようなアドバイスをいただけそうかのイメージができたこともあり、まずはビザスクさんに相談してみました。

エキスパートの柴田様に依頼された決め手は何でしょうか。

自分たちの課題感を担当の方に相談した後、多くのエキスパート候補リストをいただきました。選定時には複数の方に面談をさせていただいた上で、柴田様を選ばせていただきました。決め手としては、ビザスクの無料セミナーで事前に柴田様のセミナーを体験していたこともあり、どんなエキスパートなのかをある程度の雰囲気がわかっていたのは良かったと思います。大きな新規事業を何度も立ち上げたご経験がある事も心強く思いました。

柴田様に実際に面談でお会いしてみると、社内にはいないタイプで、大きなパワーを感じました。このような方だからこそ新しいことができるんだと思いましたし、我々も大きな変化を期待していたので、依頼させていただきました。

実際にどのような取り組みを行なったかを教えてください。

最初の打ち合わせでは柴田様に現状を説明し、我々がどうありたいかを理解していただいたうえで、今後1年間の計画を話し合いながらスタートしました。

その結果、モチベーションが低下し、疲弊している組織を立て直すためのチームビルディングから取り掛かろうと言われ、新規事業を他人事ではなく自分事にして動いていける自律的組織に変革させていく取り組みが始まりました。組織内で誰もが自由に意見を言える風土を作るための施策も行いました。たとえば柴田様が全員と1on1を実施し、第三者としてフラットな立場で意見や想いを聞くこともあり、心理的安全性を確保する取り組みも行い結束が強まりました。
また、チームビルディングを行いながらアイデア創出の活動もスタートしていきました。
最初に柴田様から指摘された事ですが、「あなたたちは新規事業の型を知らない。受け身も知らずに道場破りに行って、投げ飛ばされている状態です。」と言われました。
柴田様は我々を客観的に見ての判断ですが、自社の特許や製品、販売チャネルも知らない。世の中のトレンドも知らない。そんな人はいくら考えても引き出しが乏しく、何も結び付けられないよと。つまりアイデアなんか生まれないと気づかせてくれたのです。

新規事業の型を身に着けるため、色々な施策を行いましたが、その取り組みの一つとして週に1度のトレンドレポートがあります。全員がテレビ番組やSNS、WEBサイトなどから気になるトピックを探しておき、毎週発表、ディスカッションや気づきを共有するという取り組みです。この活動は1年間休むことなく継続し、500件を超えるレポートを蓄積したおかげでアイデア創出のための引き出しが確実に増えました。

その他柴田様から事業部長をはじめとする分野の経営陣3人に対して、新規事業に対する経営サイドの関わり方についての講義をしていただきました。組織改革を進める上で事業部長から全面的にサポートしてもらえたことはチームの支えになりました。

どのような成果がありましたか。

一番大きな成果は組織が変革し、新規事業をやり切るメンタルを持った自律的組織に変われたという点です。全体のモチベーションが上がり、非常に活気が出てきています。
他部門からも、「最近変わりましたよね?何をしたらああなったんですか?」と驚かれました。また、国内・海外の関連会社から”彼らに相談すれば、どうにかしてくれる!”ということで新製品・サービスに関するアイデア出しを一緒にやって欲しいと頼まれることもありました。たった1年で周囲の目が変わってきたことに関してメンバー全員が驚いています。
組織の風通しがよくなり、チームに活気が出てきたことは数値でも見えています。当社では全社員を対象に外部業者を使ってストレスチェックサーベイを実施しているのですが、私たちの部門は「働きがい」「職場の活気」「同僚からのサポート」「上司からのサポート」の4項目において、1年前よりも劇的な数値向上が見られました。社内全体や、他企業との比較でも我々の部門はかなり高い数値となっています。

2つ目の成果として新規事業の型を身に着けたことでアイデアが出やすくなりました。毎週のトレンドレポートや自社アセットを理解することで引き出しが増え、年間で約300個の事業アイデアを出すことができました。
ただし、アイデアの質という点ではまだまだですので、トレンドレポートや自社アセットの理解を継続し、質をあげていきます。(そのうちの3個が事業化の可能性があると判断して検討を進めています。)

経営陣からはどのような評価を得られましたか。

先日、社長に対してチーム全員でこの1年間の成果をプレゼンする機会をいただきました。
プレゼン後、社長からは「皆さんの熱意ある取り組みに感心した」というコメントがありました。メンバーは社長に対して「絶対に実現します」「社長にも顧客を紹介していただきたい」など、堂々としており頼もしく見えました。

今後、事業化に向けてどのような展開を考えていますか。

今後、2年ほどかけて新規事業として立ち上がるように複数の事業アイデアの仮説検証を回しながら、次のアイデア候補を作り続ける活動をしていきます。
自社だけでは事業化の実現が不可能なアイデアに関してはスタートアップ企業や大学とのオープンイノベーションも検討していきます。

「ビザスクpartner」のお勧めのポイントを教えてください。

現在、多くの大企業が新規事業に挑戦していますが、「ビザスクpartner」は必要な知識やスキルをただ教わるだけでなく、共にプロジェクトを推進できるので、貴重な経験や新鮮な発想を得られます。私たちも、元々必要だと思っていなかったチームビルディングに取り組むことで、成果を得られました。経営陣にとっては、外部のプロだからこそ意見を受け入れやすい、というメリットもあります。

ここからは支援エキスパートの柴田様にもお伺いしてまいります。

エキスパート 柴田 雄一郎様(一般社団法人i-ba)
一般社団法人 公益代理店 i-ba 代表理事、京都芸術大学 非常勤講師(2018〜2020年)、熊本大学 非常勤講師(2017〜2021年) 、Avintonジャパン(株)アドバイザー、 TechNoam(株)COM 顧問

音楽配信、動画配信のベンチャーを経て、トヨタ自動車のメタバース『メタポリス』や経産省・内閣府が運用する『地域経済分析システム(RESAS)』、その他ソフトバンク、ゼンリンなどの新規事業専門のクリエイティブ・マネージャーを担当。アート思考やデザイン思考の実践者として社員研修から新規事業伴走支援までを担当する。「クリエイティブ・マネジメントセミナー」の受講者数は10000人を超える。

今回のご支援にあたって、柴田様が大切にしていたことをお教えください。

最初にお話をした際、JVCケンウッド様は多くのソリューションがあり、環境が整えば伸びる余地が非常に大きいと感じました。ボトムアップ型の新規事業開発をしていらっしゃるので、現場チームの強い熱意やアイデアと経営陣の支援の両方が必要であること、そのためにまずはチームビルディングから取り組みたい、とお伝えしました。

新規事業は、部門では「早く事業化したい」「売上を出したい」と考えがちですが、半年や1年での実現は非常に難しいことです。外部人材ありきで「あの人に頼らないと進まない」という状況をつくらず、支援終了後も社内メンバーだけで推進できる組織であることが大切だと私は考えています。

新規事業部門に、外部人材が役立てるのはどのような面でしょうか。

特に、長期的に安定している企業では、組織を成長・持続させてきた人材が多くを占めていますが、新規事業で必要となるゼロイチが得意な方というのは全く異なるタイプです。経験豊富な外部パートナーが一時的に加わり、マインドセットやモチベーションを維持させるメンター的な立場を担い、問題に速やかに対応することで成功率を上げられると考えています。

今回ご支援されての感想や、やりがいを教えてください。

実際にメンバーの皆さまの表情が変化していく様子などを見ていましたが、モチベーションの向上や働きやすさなど、数字に表れたことで組織としての土台作りが成功したと実感できました。

JVCケンウッド様もそうですが、大手企業では新規事業部が複数ある場合も多く、パワーバランスの上下があったり、社内でアイデア同士がぶつかったり、ということもありえます。そういった大きな組織の中で、社長にもこの活動内容を共有してもらい、一定の評価をいただいたことで、やりがいを感じられました。

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