活用事例
会社のさらなる成長に向けた人事制度改定プロジェクトにプロフェッショナルの知見を。自社らしさと新しさを両立した改革ができたのは、社外アドバイザーの存在あってこそ。
ダンデライオン・チョコレート・ジャパン株式会社
- 目的
- 業種
- 利用サービス
インタビューにご協力いただいた方
- HRマネージャー 山形 幸様
課題:自社の規模・フェーズに合った新たな人事制度の構築
支援したアドバイザー:神吉様
デロイトトーマツコンサルティング、リクルートホールディングスといった大手企業や上場前のベンチャー企業など、幅広い規模・フェーズの組織において豊富な人事制度構築や制度運用マネジメント等の経験を有する。
現在は、業界・企業規模・課題の種類問わず、複数社で組織人事の課題を解決する働き方を実践。
事業内容を教えてください。
ダンデライオン・チョコレートは、サンフランシスコ発祥のクラフトチョコレート専門店です。カカオ豆の農園での仕入れから焙煎、製造まですべての工程を自社工房で一貫して行う”Bean to Bar(ビーントゥーバー)“を特徴としています。この新しいチョコレート文化を日本でも広げるべく、2015年にダンデライオン・チョコレート・ジャパンを設立、オープンファクトリーを備えた「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」を皮切りに、伊勢外宮店、およびオンラインストアを展開しています。
今回、ビザスクをご活用いただいた経緯をお聞かせいただけますか?
当社は2020年に設立から5年を迎え、これからさらに会社が成長するために、従来の人事制度を見直すことになりました。それまでは創業当時に急ピッチで導入した制度をそのまま運用していましたが、OKRの仕組みなどが会社の規模やフェーズにフィットしておらず、半ば形骸化していたのです。
そこで新たな人事制度の構築が必要だということになったのですが、当時の私は人事領域でも採用など限られた経験しかありませんでした。また、当社に入社する前はアメリカで10年程生活していたため、日本国内で相談できる人事ネットワークもなく、専門的な知見を得る手段を探していました。その時、上司であるCOOが「こんなサービスがあるよ」と、ビザスクを紹介してくれたのです。
「ビザスクpartner」の活用を決めた理由と、アドバイザー選定で重視したことを教えてください。
会社の成長のためには、ダンデライオン・チョコレート・ジャパンらしい、かつ運用しやすい人事制度が必要でした。ビザスク以外に人事コンサルティング会社も検討したのですが、今回は当社らしい制度のあり方を同じ目線で一緒に創り上げてくださる方を求めていたため、アドバイザーの方を複数名の候補から選択できるビザスクにお願いすることにしました。
ビザスクからは、タイプの異なる3名の方を紹介していただきました。その中から、人事制度の知見に富んでいらっしゃることはもちろん、伴走して共に手足を動かしてくれそうな方を選定しました。また、親しみやすいキャラクターの方で、当社のカルチャーにフィットしていたことも、決め手のひとつです。社員を巻き込んで運用にまで落とし込んでいく今回のプロジェクトに相応しい方だと考えました。
アドバイザーの支援内容についてお聞かせください。
プロジェクトは、約7カ月間にわたりました。まず、現状の課題を把握するために、さまざまな立場のスタッフにヒアリングを行いました。それまで、スタッフの声を引き出して形にするという取り組みを体系立てて実施したことはありませんでした。そこでアドバイザーの方にお任せしたところ、スタッフの緊張をうまくほぐしながらフラットにヒアリングをしてくださったのです。その結果、それぞれの立場のスタッフが求めている「当社らしさ」を引き出すことができました。
その後、ヒアリングの結果をもとに課題を明確化していきました。アラインメント、経営の透明性、評価基準の浸透、雇用形態の違いなど、さまざまな課題が浮き彫りになる中で、アドバイザーの方は一つひとつ問題点を整理してくださいました。当社には、ビジョンや行動指針が記載されているハンドブックがあります。その隅々まで読み込んでくださり、「チームメンバーと上長の双方がフィードバックを取りやすい環境で、スタッフと会社が同じ方向を目指して働けるようにしたい」という当社のありたい姿に合わせて、人事制度の方向性を提案していただけました。
そして、スタッフと会社が同じ方向を目指していくために、余計なものをそぎ落としてシンプルにしたOKR、360度フィードバック、新たな給与テーブルを取り入れることになりました。アドバイザーの方のご支援のおかげで、複雑なフレームワークなどにとらわれたり、当初の目的を見失ったりすることなく、人事制度を作りこんでいくことができたのだと思います。
社外アドバイザーの活用が、どのような成果につながりましたか?
全体として人事制度を新しく創るということだけではなく、アドバイザーの方がプロジェクトを離れた後も社内で仕組みがしっかり定着するよう、尽力していただきました。ローンチして間もないため、本格的な成果がみえるのはこれからだと思いますが、少しずつ社内に変化が見られています。
ひとつは、360度フィードバックをきっかけに、スタッフ同士の対話が生まれるようになったことです。特に製造部門は、ともすると目の前の業務に没頭してしまい口数が少なくなりがちですが、360度フィードバック後は業務上での気付きや改善点の提案など、コミュニケーションが活性化してきているようです。これは非常に嬉しい変化ですね。
新たな賃金体系によって、雇用形態の違いによる上下関係の意識や、部門間の垣根も取り払おうとしています。以前は「アルバイトだから」と遠慮していたスタッフも、今回の人事制度が浸透するにつれ、発言する機会が増えてきました。
人事制度改革から1年、社内では対話が盛んになり「みんなが主役」に
マネージャー同士の対話、マネージャーとメンバー間での対話も盛んになりつつあります。管理職になると、どうしても「自分が率先して発言しないといけない」と気負ってしまいますが、実際は傾聴がとても大切です。そこでアドバイザーの方にファシリテーション研修を実施していただきました。「みんなを主役にするのが大事」という言葉が、印象に残っています。
そして私個人としても、人事担当者として大きな学びがありました。人事全般の知識はもちろん、マネジメントへの提案の仕方やスタッフへの伝え方など、人事制度改革という一大プロジェクトの担当者としてスムーズに動けるようメンターとして様々なアドバイスをしてくださり、成長できたと思います。人事担当者のネットワークも紹介いただきました。今後、当社の成長ステージが進めば、再度人事制度を見直す必要が生じてくるかもしれません。その時に、今回得た知見や経験を発揮していきたいです。
「ビザスクpartner」をご活用いただいた感想
非常に満足しています。人事制度改定プロジェクトの後、他の部門でも「ビザスクpartner」を活用しています。
会社が変化し成長する過程で、人事制度に限らず様々な領域での専門的な知見が必要となる場面が出てきます。そこで社員として雇用するとなると、任せたい業務だけではなく、チームメンバーとの相性や長期的なキャリアなど色々な視点が必要となり、完全にジョブベースだけでその方のスキルを判断しにくくなりがちです。
その点、「ビザスクpartner」であれば、ミッションや目的にフィットしたスキルと経験を持って一定期間コミットしてくださる方を選定できます。このようなサービスが日本でももっと広がれば、高度な専門性を持つ方の活躍の場も増えますし、会社としてもより変化しやすくなると思います。
今後の展開についてお聞かせください。
今回の人事制度改定は、会社がより変化し成長するための一つの手段です。個人の力を最大限に引き出すことにより、当社のみならず日本のクラフトチョコレート業界全体の発展に貢献し、クラフトチョコレートをカルチャーとして浸透させていきたいです。
ここからはダンデライオン様をご支援されたアドバイザーの神吉様にお伺いします。
アドバイザー 神吉様
デロイトトーマツコンサルティング、リクルートホールディングスといった大手企業や上場前のベンチャー企業など、幅広い規模・フェーズの組織において豊富な人事制度構築や制度運用マネジメント等の経験を有する。現在は、業界・企業規模・課題の種類問わず、複数社で組織人事の課題を解決する働き方を実践。
今回の案件をお受けいただいた理由、ご自身の経験を活かせそうだと思われたポイントをお聞かせください。
神吉様:面談した際に人事制度に対する考え方に共感する点が多く、一緒に働いてみたいと思いました。
特に、プロジェクトの方向性として、「事業をドライブするために必要なことをやろう。制度はただの手段。一般的な方法論にとらわれずに進めよう。」といったニュアンスを感じた点にワクワクしました。
ダンデライオンチョコレートさんは、既にオリジナリティ溢れる強力なプロダクトを持っているので、事業の強みを伸ばす(+組織課題を解決する)というアプローチに重きをおくことができる「事業が主役」アプローチが有効だと思いました。
支援される際は、どういった点に工夫されましたか?
神吉様:毎回のミーティングの場で、経営者・事業責任者・人事責任者の本音の課題が話されているかに意識を向けました。本音の課題が場に出され、一致点と違和感が見える化され、最後にロジックと心の両面から合意形成できるようにファシリテーションすることを心掛けました。
ご支援いただいて感じたやりがいは?
神吉様:非常に楽しかったですし「プロダクトにかける想いは、組織・人づくりにかける想いと共通している」ということを実体験として学びました。
この組織に集う人たちの根っこに、チョコレートやその製造工程に対する強い「誇り」を感じました。
みなさん、プロダクトに対してだけでなく働く職場についても「もっと良くしたい」というまっすぐな想いがあり、その想いの強さに、経営、管理職、社員、アルバイトなど役割による垣根は全くありませんでした。
実際に出来上がった制度も、「雇用形態の垣根なく自分のスタイルに合わせて働き、成長できる」という既にある強みをさらに伸ばしていけるような成長ステップ(等級報酬テーブル)です。評価制度でも、一般的な査定や報酬のための枠組みではなく、「成長のためにフィードバックし合う」という既にあるカルチャーをドライブしていくような仕組みになったと思います。ユーザーからのフィードバックを通じてプロダクトが磨かれていくように、組織・人も仲間からのフィードバックを通じて成長課題に気付き支援し合えるような仕掛けです。
ここのチョコレートも非常に好きになりました。(笑)カカオの酸味、コク、きび砂糖の甘さ、食感のなんとも言えないバランスが癖になってやめられず、定期的にWEBで注文していますし、大切な人へのお返しとしても贈っています。
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