活用事例
基幹システムの刷新プロジェクトと業務課題の整理に社外のプロフェッショナルを活用。第三者視点が入ることで、経営戦略と連動したDXが加速
株式会社ドウシシャ
- 目的
- 業種
- 利用サービス
インタビューにご協力いただいた方
- 人事企画部 ダイレクター 砂川 敏郎様
課題:部署毎の作り込みにより構成が複雑化した古い基幹システムのリプレイス
支援したアドバイザー:高橋様
外資系銀行やコンサルティング会社を経て、フューチャーシステムコンサルティング株式会社(現フューチャーアーキテクト株式会社)に参画。PMとして流通・金融・製造業など業種横断で大規模プロジェクトを担当。執行役員人財本部長として企業経営サイドも経験。その後、ウェルネット株式会社の取締役管理本部長、株式会社ベビーカレンダーの社外取締役などを歴任。現在は社外取締役を務める傍ら、大手企業のBPR、グランドデザイン、およびITプロジェクト推進に関するアドバイザリ、PMO支援などをコンサルタントとして推進中。
まずは、ドウシシャ様の事業内容を教えてください。
ドウシシャは、生活に関わるモノやサービスを扱う商社であり、また自社で企画開発を行うメーカーでもあります。1974年の創業から、「つぶれないロマンのある会社」を社訓として、ニッチビジネスを起点にユニークな立ち位置を築いてきました。百均商材から家電、ブランド時計など21の専門的な部門がお客様至上主義を掲げ、2100社の仕入れ先、4800社の販売先と取引を行っています。
今回ビザスクにご相談いただいた課題についてお聞かせいただけますか?
基幹システムのリプレイスの検討を始めたことが発端でした。当社では20年以上同じ基幹システムを使用していますが、そこで大きく2つの課題に直面したのです。
ひとつは、いわゆるレガシー問題です。現在システムで使用されている言語でプログラミングができる技術者は減っており、メンテナンスに時間がかかります。
もうひとつの課題は、システムの構造が複雑になっていたことです。ドウシシャは13事業部21部門がそれぞれ裁量を持ち、お客様の商習慣やご要望に合わせて柔軟かつスピーディーに業務を最適化させています。それは確かに当社の強みであり成長の原動力なのですが、システムも部門ごとに作りこまれて個別に作り込みが進んでしまっている側面がありました。
今後さらに世の中の変化が激化する中で、当社の強みである変化対応型の経営を加速させるには、システム改革のみならず、業務改革をセットで進めることが必要です。しかし事業部ごとに権限委譲をしている当社には、システムと業務両面から全社的に横串を通して改革を推進する機能が不足していました。
ビザスクpartnerの活用に至った理由を教えてください。
もともと当社には、変化にスピーディーに対応するために、足りない機能や新しいコトには外部の知見を活用する姿勢が根付いています。新たに人材を雇用することも検討しましたが、雇い入れるとなるとプロジェクト終了後のキャリアに責任が生じます。また、ベンダは自社製品の導入推進がメインとなり選択肢が狭まること、コンサルティングファームはコストや時間がかかることから「ビザスクpartner」を検討し始めました。
ビザスクには以前、当社の新規事業ワークショップに協力いただいたご縁があり、面白い事業モデルだと思っていました。そこで本プロジェクトについて相談をしてみたところ、すぐに伴走支援してくださるアドバイザー候補を10名以上ご提案いただけました。なおかつ、一人ひとりのバックグラウンドや強みなども紹介したうえで、当社の課題や要望と照らし合わせてレコメンドしてくれました。
会社の経営に関わる大きなプロジェクトを共に進めるパートナーとして、経験や知見ももちろん重要ですが、最後は「人」です。「ビザスクpartner」であれば、複数の選択肢から人物面も含めて当社にマッチした人選ができると考え、活用することに決めました。
何名か候補が上がったなかで、なぜ今回のアドバイザーを選定されたのでしょうか?
システム、業務改革、経営視点すべてを兼ね備えている方だからです。本プロジェクトの要となるのは「システム改革と業務改革をセットで進めること」です。その点選定したアドバイザーの方はシステムの知見のみならずITコンサルとしてBPRのご経験もあり、「システムだけでは会社は変わらない」という信念で複眼的な視点をもって業務を推進していらっしゃることから、信頼できる方だと感じました。さらに企業の役員としてのご経験もお持ちです。
ITシステムとは経営そのものであり、今回のプロジェクトも経営戦略と連動しながら進める必要があります。部署毎に複雑化しているシステムや業務を解きほぐしながら、経営・現場・外部ベンダなど関係各所全体を巻き込むには、この方以外にいないと思いました。
アドバイザーの支援内容についてお聞かせください。
基幹システムリプレイスプロジェクトそのものの建て付けから一緒に創り上げていただきました。第1フェーズとして、グランドデザインとRFP(ベンダ等に提案を依頼するために必要な要件・スケジュール等を記載する資料)をまとめ上げる必要があります。アドバイザーの方には、RFPを支援いただくコンサルティングファーム、ドウシシャの社内プロジェクトメンバー、そして経営陣のハブとなっていただきました。
全体の方向性や戦略については経営陣との会議で議論し、世の中の動きも取り入れたアドバイスをいただきながら、ドウシシャらしい「あるべき姿」を描いてきました。それをRFPに落とし込むために、コンサルティングファームやプロジェクトメンバーとの会議にも入っていただき、詰めていく段階で浮彫になった課題をまた経営陣との会議で議論するというように、まさに大車輪の活躍をいただいたと思います。
選定時の期待通り、システム、現場の業務や風土、経営すべてにおいて深い理解がある方なので、すべての視点を盛り込んだ形で明文化いただけますし、関係各所を齟齬なくスムーズに繋いでいただけるため、非常にありがたいと感じています。
アドバイザーの支援により、どのような成果につながりましたか?
現在、5ヶ年のプロジェクトのうち1年が経ち、予定通りグランドデザインが固まり、RFPに落とし込んでいる段階です。アドバイザーの方に入っていただいたことで、プロジェクトが加速したことはもちろん、道筋がクリアになり不安がなくなりました。自前で進めようとしていたら、ここまでスムーズには進まなかったでしょう。
また、経営陣も第三者的な視点を欲していました。ドウシシャのビジネスモデルはユニークだからこそ、競争優位性を保つことができます。しかし一方で業務やシステムにおいては「世の中の動きから見てどうなのか」と危機感を持っていたのです。今回アドバイザーの方に、ドウシシャの理念や戦略を尊重した上で、忌憚なき提案を粘り強くしていただき、業務の効率化にもつながっています。
「ビザスクpartner」をご活用いただいた感想と、今後の展開についてお聞かせください。
今回、ドウシシャのポテンシャルや文化に魅力を感じていただき、パッションをもってプロジェクトに臨んでいただけるアドバイザーの方に出会えたことに感謝しています。今後もプロジェクトは続き、アドバイザーの方にも引き続き伴走していただきます。
新しいプロジェクトや事業に挑戦する際、自社だけでは機能・知見が不足している、スピードが上がらないなど、多くの企業が課題を感じているはずです。ビザスクに相談すれば、企業の課題や状況を掴んだうえで、適切な選択肢を提示していただけるため、非常に信頼できます。
社内でも、今回のプロジェクトが順調に進んでいることが評判になっています。実際に社員からも複数の相談が寄せられており、「ビザスクpartner」で他のプロジェクトも走り始めています。ビザスクのビジネスは面白いので、ぜひ今後もご一緒したいですね。
ここからは支援アドバイザーの高橋様にもお伺いしてまいります。
アドバイザー 高橋様
外資系銀行やコンサルティング会社を経て、フューチャーシステムコンサルティング株式会社(現フューチャーアーキテクト株式会社)に参画。PMとして流通・金融・製造業など業種横断で大規模プロジェクトを担当。執行役員人財本部長として企業経営サイドも経験。
その後、ウェルネット株式会社の取締役管理本部長、株式会社ベビーカレンダーの社外取締役などを歴任。現在は社外取締役を務める傍ら、大手企業のBPR、グランドデザイン、およびITプロジェクト推進に関するアドバイザリ、PMO支援などをコンサルタントとして推進中。
ビザスクに登録されたきっかけと今回の案件をお受けいただいた理由をお聞かせください。
高橋様:独立したばかりのころ、日経の記事でビザスクのことを知りました。新たなマッチングサービスの展開も指向していることに興味を持ち、登録した次第です。
今回、ドウシシャ様の案件にご協力した理由はお会いした方々の印象です。自社への愛情、商品やサービスへの誇り、また仕事へ真摯に向かう姿勢を感じました。加えて、真に何とかしなければ…という責任感も強く持っておられました。過去の経験から、こういった思いやコミットメントを持つ方がおられるかどうかが、変革を推進できるかどうかの非常に重要なポイントであると理解していたので、協力したいと思った次第です。
ご自身のどんな強みをいかして貢献できると思われましたか?
お客様の経営課題の整理からスタートし、解決に向けた対応策・ロードマップを策定し、その推進を業務改革/IT改革の両面でご支援して参った経験が生かせると思ったのです。
また、アドバイザーという立場である以上、自らが直接に成果を産み出すというよりは、お客様自身に気づいていただき、もともとお持ちの知見や能力を発揮し、自走していけるように、第3者として働きかけることが重要と考えております。
そのために、私がこれまでPMや組織長として培った、リーダーシップやファシリテーション能力といったものでお役に立てるのではないかと考えました。
支援される際は、どういった点に工夫されましたか?
4つの点で工夫しました。
1つ目は、価値ある助言をするために、本質的な問題が何かを常に考え仮説を立てることです。そのために、現状とその背景を伺い、クライアントのカルチャーを理解するように努めました。またそのカルチャーや歴史に対し、常にリスペクトを払うようにしました。
2つ目に、基本的にはメンバーの皆様に気づきをもって、これはやるべきだと実感していただけるよう「What」「How」だけでなく「Why」をきちんとご説明するようにしたことです。その際には、各々のメンバーの立ち位置からは気づきにくいであろう、全体・経営を俯瞰した視点を私自身が持ち、その上で「Why」を語り掛け「What」「How」をアドバイスさせていただくように工夫しました。
3つ目に、プロジェクト推進のために、メンバーの皆様個々人が主体的に動いていただける環境を整備することを重要視しました。そのため、体制・役割分担については早めに整理・協議させていただくようにしました。
最後に、極力、現状や議論の結果決定した内容はペーパー化することを進めていただきました。言葉だけでは伝わりませんので、私自身ディスカッションペーパーをご提示していますが、これをメンバーの皆様にも常にお願いしています。このペーパー化という地道な行為があって初めて、プロジェクトをゴールに至らしめられると考えていますので、可視化を進めていただくようにしました。
ご支援いただいて感じたやりがいは?
当初のご面談で感じた印象そのままの社風であると感じました。そういったお客様の未来、全社一丸となり創造していくプロセスをアドバイザーとしてご支援させていただくのは、非常に重い責任であることを重々承知しつつも、誇りでありやりがいであり、これ以上の喜びはないと思っています。
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