活用事例

社員の挑戦を徹底的に応援する新規事業創出プログラム 国内/海外の生の声を聞いて事業アイデアに活かす挑戦者

富士通株式会社

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インタビューにご協力いただいた方

  • 左から Digital Solution事業本部 ものづくりソリューション事業部 岡田 純様
    CEO室 CDXO Division 古川 達也様


まずは、「Fujitsu Innovation Circuit」(以下FIC)の事務局担当である古川様にプログラムの概要についてお伺いします。
古川様:FICは「挑戦が当たり前の富士通」を掲げて2021年11月より開始した新規事業創出プログラムです。
「挑戦する人を徹底的に応援する」というビジョンの通り、当人だけが挑戦するのではなく、周りもチャレンジャーを応援する文化を作り、一丸となって事業を創出しようという想いが込められています。


出典:富士通公式サイト

FICは、Academy、Challenge、Growthの3つのステージで構成されています。その中で私は、事務局としてChallengeステージを担当しています。このステージでは社外プロフェッショナルメンターのサポートを受けながら、6ヶ月間本業を離れて新規事業創出に専念することができます。


出典:富士通公式サイト

FICへの応募は、個人でも可能ですがチームを推奨しています。第0期の応募は28チームあり、その中で10チームがChallengeステージに進み、さらに2チームがGrowthステージに進んでいます。次のステージへのゲートを通過する重要なポイントの1つとして、そのサービスを買ってくれるようなお客様がいるかどうかという点があります。社内外問わず多くの審査員やメンターの皆さんは、”課題はどこにあって、本当に買ってくれるお客様はいるのか”と口酸っぱく指摘されてますね。

事務局としての、FICの今後の展望をお聞かせください。
古川様:FICに挑戦するチームをもっと増やしていきたいです。Challengeステージは第0期から始まり現在第2期まできていますが、全社員数を考えると応募数はまだまだ少ない状況です。今後は新規事業創出に挑戦する文化を全社的に広めて、チャレンジャーを増やしていきたいですね。

ここからは、Challengeステージ第0期に挑戦された岡田様にお話を伺います。

なぜFICに挑戦しようと思われたのですか?
岡田様:元々新規事業創出には興味があり、FICの前身となるプログラムにも参加していました。しかし、当時は業務の3割までしか新規事業創出に時間を費やせないという制約があったんです。そんな中、社内起業家をもっと生み出す必要があるという当社の新たな方針の下、FICが発足しました。私自身、環境が変われば人は影響を受けるものだと考え、思い切って100%新規事業創出に集中できるFICに参加することに決めました。

取り組まれた新規事業の内容についてご教示ください。
岡田様:3Dデジタル化による文化遺産の保護とマネタイズに関する事業を進めていました。テーマは一貫していましたが、調査を進める中でマネタイズの方法や目を向けるマーケットは変化していった次第です。

前半は、国内の文化遺産の保護に目を向けていました。熊本で地震が起き、チームメンバーが崩壊した熊本城の修復支援プロジェクトに関わったことがきっかけです。日本は災害が多い国ですが、文化遺産のデジタル化が遅れており、一度崩壊すると建て直しが難しい状況でした。そこで、3Dデジタルコンテンツとして設計図を残し、観光事業にも活用する方向で企画を進めました。
しかし、調査を進めるうちに日本よりも欧州の方が文化遺産保護が進んでおり、マーケットが大きいことがわかってきたので、ターゲットを欧州に移そうと検討しました。ところが、さらに調べてみると観光への文化遺産デジタルコンテンツの活用は政府の補助がないと難しいことがわかってきて、海外での事業推進自体行き詰まってしまいました。

そこで後半は、文化遺産の3Dデジタルコンテンツを映画などのエンタメ業界で活用していくビジネスモデルにピボットしました。エンタメ業界は、国内と海外では桁が違うほどマーケットの大きさが異なりますが、まずは国内で実績を作り、その経験を持って徐々に海外展開していく方針としました。

どのようにビザスクをご活用いただきましたか?
岡田様:企画過程の後半のエンタメ業界の調査で、国内・海外両方のアドバイザーに複数人インタビューを行いました。特に、海外調査としては、デジタルコンテンツを活用している現場の方に活用状況や今の困りごとをヒアリングしたり、元3Dデジタルコンテンツビジネス従事者にこの業界でビジネスを考える上での重要な観点などを伺いました。

インタビューで得られた情報がどのように意思決定に影響しましたか?
岡田様:インタビューによって企画の厚みが増しました。ある程度自力で仮説を立てることはできますが、インタビューをすることで仮説を裏付けて企画のディテールを決めていくことができます。例えば、エンタメ業界の著作権管理が問題になるであろうという仮説を立てた上で、生の声を聞くことでどのような管理方法・対策が必要か具体策を決めていくことが出来ました。

海外調査においてビザスクをご活用いただいた感想を教えてください。
岡田様:自力で繋がりを作れない人からスピーディーに話を聞くことができる点がとてもよかったです。SNSで自らメッセージを送って有識者と繋がることもできますが、大変な労力がかかる上に、いざ話してみても求める水準の回答が得られないことも多いです。しかし、ビザスクを活用すれば、海外調査であっても数日でターゲット層のアドバイザーを複数紹介してもらうことができます。
また、語学が心配な場合もビザスク側で通訳を手配してもらうことができます。社内で英語が堪能なメンバーがいつもインタビューに同席できるとは限らないため、スピード感を持って通訳の日程調整ができる点は助かっています。

FICで挑戦した経験が今の業務に活きていると感じることはありますか?
岡田様:今の部署に戻っても、Challengeステージの半年間で約100人へインタビューを行ってきた経験やノウハウが、今の顧客である製造業の方へのユーザーヒアリングに早速活きています。

最後にお二人にお伺いしますが、ビザスクのおすすめポイントを教えてください。
岡田様:知らないことに関するリアルな情報を得られる点です。調べたらわかるじゃないか、と思うかもしれませんが、自力で調べただけでは知っている「つもり」になっているだけです。ビザスクのアドバイザーから現場の生の声を聞いたからこそ、課題を深ぼってユニークなアイデアを取り入れることができたと思います。

古川様:FICでは事務局が一括してビザスクのインタビューチケットを購入し、各チームに振り分けており、組織としてもインタビュー実施を推進しています。しかしながら、ヒアリングの仕方がわからない、大層な準備が必要なのではないかと、心理的なハードルが高い人も多いようです。私はまずは挑戦することが大事だと思っています。ビザスクを活用して社外へのインタビューから事業につながるようなきっかけを掴んで欲しいです。

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