活用事例
新サービスの顧客は誰か?業種・役割・立場の異なる数十人へのヒアリングで顧客層と課題を掴み、進むべき方向が見えた。
富士通株式会社
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インタビューにご協力いただいた方
- CEO室 DX Division
セルフ動画型リサーチKOEプロジェクト
鈴木 良 様
株式会社富士通(以下、富士通)様は、新規サービス「KOE」の立ち上げにおいて「ビザスクInterview」を活用されました。
●KOEについて:https://honnemir.jp/
2024年5月、弊社主催セミナーにて、事業立ち上げを担当された株式会社富士通 CEO室 DX Division セルフ動画型リサーチKOEプロジェクト 鈴木様にご講演いただきました。
本記事では、その内容から抜粋して新規事業立ち上げにおけるビザスク活用事例をご紹介します。
「Fujitsu Innovation Circuit」とはどのようなプログラムですか?
Fujitsu Innovation Circuitは富士通の社内起業家育成プログラムで、事業の継続を3ヶ月ごとに判断し、1年でSPF(Solution Product Fit)を目指します。
スタートアップ起業は、少ないリソースで、クイックに物事を決める必要があります。このプログラムでは、ステージゲート制を採用しており、3ヶ月ごとに成果と今後の計画を責任者に報告し、その時点で事業の継続を判断されます。また、原則1年間でお客様の課題を解決するSPF(Solution Product Fit)まで到達しなければいけません。
新規サービス「KOE」について教えてください
「KOE」は食品・化粧品メーカーを中心とした、消費財メーカーのプロダクトオーナーをターゲットとした、セルフサーブ型のリサーチソリューションです。
自社製品や特定の商品をどう使用するのかなどを、モニターにスマホ越しに語りかけてもらうことで、行動と発言から商品の利用実態を低コストでクイックに調査できるようなユーザーリサーチツールです。
ビジネスモデルとしては、法人顧客が設定したリサーチをKOEがモニターに配信し、モニターが動画等で回答の上、その結果をKOEがツール上でまとめ、AIで分析します。
モニターは消費者であり、消費者が知見を提供してくれます。
今回、クイックに事業開発するために、どのようにインタビューでアプローチしましたか?
インタビューを実施するにあたり、スタートアップでよく使われている「リーンキャンバス」を活用しました。その中でも、私たちは特に「顧客セグメントと課題」「解決策」「コスト構造」に力を入れました。
顧客セグメントと課題の設定では、爆発的にプロダクトを広げていくために、誰の課題を解決するべきかを調査しました。エキスパートのリクルート条件で、属性・セグメントで細かく分けてインタビューを実施し、アーリーアダプターの解像度を上げました。
解決策の方向性探索においては、リサーチツールが先行している海外のユーザーに対するインタビューを実施しました。モックを作り出す前に、解決策の筋が良いか、既存ツールの改善等をヒアリングすることができました。
最後に、解決策を実現するためのコスト検証では、私たちが実現しようとしているモニタープールを構築する先駆者の方に、構築コストやインパクトをヒアリングし、注力すべき開発・検証の舵取りを実施しました。
ビザスクinterviewについて詳しく知りたい方はこちら
資料ダウンロード(無料)顧客セグメントと課題の設定において、どのようにビザスクinterviewを活用されましたか?
着眼点を置いたリサーチにおいても、その業務に当たるステークホルダーは無数にいます。プロダクトの拡販やユニーク性を生むために、アーリーアダプターとして誰の課題を解決するべきなのかを決めることが大切でした。
そのため、あらゆる業種・立場・役割・スキルの違う数十人の方にヒアリングを実施したことで、それぞれ予算の裁量権や、リサーチの結果の活用度、あとはペインを持つ箇所に差があることに気がつきました。
元々は、UXデザイナーやリサーチャーをターゲットにおいていましたが、日本の会社だとデザイナーの予算の権限が高くないことや、リサーチャーはリサーチスキルが高いためあまり課題に感じていないことが分かりました。
ファーストターゲットとして今回選んだプロダクトオーナーは、プロダクト開発をリードしており、開発への発言権が大きく、自分自身でユーザーの声を聞き、開発を加速させていきたい一方で、既存の調査に課題を持っていることが分かりました。
私たちはリサーチ結果をどう活用するか、活用度が高いか低いか、予算への影響度が高いか低いかどうかという点で、アーリーアダプターかどうかを決めました。
解決策の方向性の探索においては、どのようにビザスクinterviewを活用されましたか?
リサーチツールはアメリカやイギリスがかなり先行しているため、海外において競合ツールを使っているプロダクトマネージャーにインタビューを実施しました。
ここでは、インタビューの中で他社の課題を確認したことで、よりユニークなUXの検討ができた上に、一からUX・UIを検討するよりもかなり時間を節約できました。
ただし、インタビューを実施する前に、あらかじめ自分たちで海外サービスを使用し、UI・UXを徹底的に調査し、事前仮説を立てておくことで、聞くポイントをしっかり絞っておくことを意識しました。
インタビューを通じて、解決策や、UI・UXを検討するケース、他社との差別化ポイントを考える際には、海外で既に類似的なサービスを使っている先進的なユーザーに聞いてみることは非常に示唆が多かったです。
コスト検証においては、どのようにビザスクinterviewを活用されましたか?
私たちの場合、コスト構造を考える際に非常に悩ましかったのが、初期に自社パネルを持つべきか、外部モニターを用いるべきかという点でした。
実際に自社パネルを構築し、検証することで答えを出せたら良かったのですが、これをするには期間もお金も必要であり、チームのリソースでは回せませんでした。
そのため、類似した事業を立ち上げた経験のあるエキスパートにインタビューを実施しました。
ここで私たちが意識したことは、比較する軸を事前に洗い出すことです。
私たちはモニターを集めるという観点だったため、4つの軸で比較を実施しました。
<4つの軸>
1.回答品質:リサーチで重要なパネルの質
2.コスト:モニターにお支払いする謝礼
3.パネルの獲得・維持コスト
4.モニターの人数:様々なニーズに答えられるか
類似した事業を立ち上げたエキスパートにインタビューすることで、検証してみないと分からないことでも、コストやインパクトを確認することができ、進むべき方向が分かるようになりました。
今回「ビザスク interview」を活用して調査を実施された感想をお聞かせください
一つ目は、属性・セグメントを細かく分けて、インタビューを実施できたことで、アーリーアダプターの解像度を上げることができました。
ビザスクでは、役職・役割・業種など多種多様な方にダイレクト・フラットにインタビューできる良さがあり、クイックにアーリーアダプターとその課題をより深く、ピンポイントに設定することができました。
二つ目は、リサーチツールが先行している海外のユーザーへインタビューを行うことで、モックを作り出す前に、利用者である先進的な人から、解決策の方向の筋が良いか、既存サービスの改善点がヒアリングできました。
様々なスキルを持ったエキスパートというビザスクの最大の強みは、検証をせずとも、インタビューをすることで、事業に大きくインパクトを与える内容の判断がクイックにでき、事業開発を加速させることができることだと感じました。
三つ目は、自分たちが構築しようと考えていたモニタープールの先駆者へ、構築コストやインパクトをヒアリングし、自分たちが取るべき戦略の解像度を上げることができました。
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