活用事例

日立ソリューションズがフェムテック領域で新規事業!サーベイとインタビューを組み合わせた市場調査でスピーディーに事業化

株式会社日立ソリューションズ

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インタビューにご協力いただいた方

  • スマートライフソリューション事業部 スマートワークソリューション本部 平田 文香様

株式会社日立ソリューションズ様は、今回フェムテック領域の新規事業開発において、「ビザスクexpert survey」「ビザスクinterview」を活用されました。
2023年9月7日には、事業立ち上げを担当された平田様に登壇いただき、当社主催セミナーで”女性活躍×新規事業創出”をテーマにお話しいただきました。本記事では、その内容から抜粋してビザスク活用事例を紹介いたします。

御社の事業内容と平田様のご経歴を教えてください。

当社は、日立グループのデジタル事業を牽引する中核企業です。中でも、ワークスタイル変革事業に注力しており、企業の働き方改革を支えるようなソリューションを多く提供しております。
また、新規事業創出や起業家育成にも力を入れており、世界の先端企業が生まれるシリコンバレーでトレーニングを受けながらスタートアップ創出に挑戦できる社内制度もあります。

私は2019年に新卒で当社に入社し、システムエンジニアとしてITインフラやクラウド設計/構築に携わった後、2022年4月よりフェムテック(※)サービスの新規事業開発に従事しております。学生時代から大変興味のあった領域だったので、当社で一からフェムテック領域の事業を立ち上げると聞き自ら手をあげて参画しました。
※フェムテックとは、「Female(女性)」と「Technology(技術)」と掛け合わせた造語で、テクノロジーの活用により性や健康に関する女性特有の問題の解決をめざす分野。

御社がフェムテック領域で新規事業を立ち上げられた背景を教えてください。

女性特有の課題にしっかりと向き合わなければ、女性活躍における根本的な問題解決はできないと感じたからです。昨今、人的資本に関する情報開示が上場企業を中心に義務化されたことで、女性活躍に関する各企業の取り組みや目標が注目されるようになりました。それに伴い、女性役員比率やフェムテックの利活用、生理休暇制度の普及などについて言及される機会も増加しています。
しかし、人事や経営層が数値目標だけに目を向けていては、対象となる女性従業員の気持ちは離れていってしまいます。そこで、月経前症候群(PMS)や更年期症状など多くの女性が苦しむ特有の問題に目を向けて、女性が働きやすい環境を整えるサービスが必要だと考え、女性活躍を推進する第一歩としてフェムテック事業に着手しました。

今回立ち上げを担当された新規事業の内容について詳しく教えてください。

当社初のフェムテック事業として、働く女性を支援する「リシテア/女性活躍支援サービス」を立ち上げました。本サービスは、女性特有の健康課題に早期に対処することで、女性がイキイキと働き続けられる環境づくりを支援します。
特長は、日本最大規模の周産期医療機関である医療法人葵鐘会との協創により実現したサービスである点です。異業種とタッグを組んで事業を立ち上げた事例は社内でも珍しく、注目を集めました。

具体的には、①オンライン健康相談、②セミナー/コンテンツ提供、③社内浸透/利用拡大サポートの大きく3つのサービスを提供しています。
①オンライン健康相談は、女性特有の健康問題や体調に少しでも不安や疑問がある時、いつでもどこでも気軽に相談できる場を提供しています。会社を通すことなくプライベート厳守で、資格を有する経験豊富な専門家(看護師・助産師)に30分間ビデオ通話で相談できる手軽さが魅力です。
②セミナー/コンテンツの提供については、男性従業員にこそ知って欲しい内容であるからこそ、女性従業員に限定せず全社施策として開催可能な点がこだわりです。
③社内浸透/利用拡大サポートは、定期的なアンケート結果を元に女性従業員が感じる課題をフィードバックし、より多くの従業員の方に満足して利用してもらえるよう導入担当者の方を丁寧にサポートします。

新規事業のアイディア創出から事業化までの流れを教えてください。

当社では、海外のスタートアップとアライアンス契約を積極的に締結し、日本でその製品・サービスを提供しています。海外スタートアップの製品・サービス発掘の中で元となるアイディアが生まれました。海外では日本に比べてフェムテックが非常に進んでおり、当社で事業化することで日本でもより普及させていくべきだと考えました。

まずは、当社の女性従業員を対象に需要性検証を行いました。社内でも女性が多い部署へアンケートを実施し、オンライン相談事業のトライアルを行いました。その結果、非常にポジティブな結果が得られ、本サービスは多くの女性従業員から求められていると自信を持って事業開発を進めていくことができました。

次に、実際に導入していただく想定顧客の方へ市場調査を行いました。この市場調査で、BtoB領域のwebアンケート調査「ビザスクexpert survey」と1時間からweb/電話でビジネス相談ができる「ビザスクinterview」を活用しました。
これらの調査・検証は、ユーザーの生の声を集めているため、社内の事業承認を得るのに非常に有効で、男性の経営層へも説得力を持って提案することができました。

その後、事業化に向けて運用手順や個人情報の取扱いなど細かな内容を詰めていき、調査を開始してから約1年半で事業化することができました。

今回「ビザスクexpert survey」と「ビザスクinterview」をご活用いただきましたが、それぞれの調査内容と使い分けについて教えてください。

まずは「ビザスクexpert survey」で、想定顧客の人事/総務/労務/経営企画等の部門の方30人に対してwebアンケート調査を行いました。内容は、「女性従業員向けのどのような施策に対してどの程度予算化しているか」などリアルな数字感を探っていくような市場調査が中心でした。従業員規模や部門、最終決裁を行う立場かなどの細かい要件で候補者を絞り込んで調査を行ったため、サービスのニーズを正しく把握することができました。

その後、特に深掘りして話を聞きたい方に対しては「ビザスクinterview」を活用して1対1でヒアリングを行いました。インタビューで具体的なユーザーのニーズが聞き出せたことで、経営層を納得させられる材料が入手できました。

使い分けとしては、前半の「ビザスクexpert survey」で本当にこのまま進めていいのかという確認を定量的に行い、後半の「ビザスクinterview」でどんな機能を搭載してどのような層をターゲットにすべきかなどの具体的な計画を立てる材料を定性的に収集したイメージです。

「ビザスクexpert survey」及び「ビザスクinterview」をご活用いただいた感想を教えてください。

社内全体で見ても異例のスピードで事業化できたのは、ビザスクを活用して市場調査が2ヶ月程度で完了したことがとても大きな要因です。

また、私はサーベイを行うのは初めてでしたが、ビザスクが当社の調査に最適なフォーマットを用意してくれたり、調査項目について何度もレビューして適切な項目にブラッシュアップしてくれたからこそ、有益な調査結果が得られたと考えています。

若手社員として新規事業に携わられて、どのような学びが得られましたか。

新規事業開発に決まった手順はなく、必ずしも前例があるとも限らないため、自分で計画を練りスケジュール内で能動的に動いていかなければ何も進んでいきません。やるべきことが膨大で時間内に業務をコントロールすることは大変難しかったですが、仕事に対する姿勢など学びは多く大きな成長に繋がったと感じています。

また、新規事業開発は事業化に向けて先が見えない不安やプレッシャーを感じることは多いですが、自分なりのモチベーションを維持することが大切だと思います。私の場合、”フェムテック”というテーマは自分がとことん向き合いたいと思える課題だったので、常に圧倒的な当事者意識があり事業推進力となっていました。

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