活用事例
社外アドバイザーのサポートなしでは初めての新規事業を1年で実証実験フェーズにつなげられなかった
貴社の事業内容と、部署のミッションを教えてください。
佐藤様:当社は総合広告会社として、企業理念の「最高のアイデア」をベースに、コミュニケーション、メディア、クリエイティブ、イベント、装飾などを含めたトータルプランニングから実施運営を行っています。また、京王線の交通広告管理運営も担います。
しかしながらコロナ禍の影響により、交通広告をはじめとする広告領域は大きな打撃を受けました。そこで、既存事業の延長線上ではなく、まったく新しい事業の柱を創るべく、2021年4月に現在の事業開発部の前身である新規事業開拓チームを立ち上げることになったのです。会社としても初めての試みですが、2023年度に事業化し3年間で目標の営業利益を出せるよう、私たち3人で取り組んでいるところです。
今回ビザスクにご相談いただいた経緯をお聞かせいただけますか?
秋山様:私たち3人には新規事業の経験がなく、知識と経験が圧倒的に不足していました。社内全体を見渡しても同じで、社内に新規事業の知見を豊富に有する人もいません。そのため、まずは書籍を読んだりセミナーに参加したりしながらアイデアを150案ほど出していきました。
しかし、そこから事業化の可能性が高いアイデアを絞り込んでいく段階で、どのように判断をすればいいのか迷いが生じました。そこで、外部有識者の方に伴走していただきたいと考えたのです。当社の社長よりビザスクを紹介いただき、相談することにしました。
「ビザスクpartner」のご活用を決めた理由を教えてください。
波多野様:ひとつは、営業担当の方が信頼できることです。私たちの課題やニーズを的確に把握し、提案をしてくださいました。アドバイザー候補も単にリストアップするだけではなく、それぞれの方の強みや当社とマッチするポイントも合わせてご説明をいただき、満足のできる選択をすることができました。
また、新規事業を進める中では様々な課題に直面しますが、ビザスクにはそれらを包括的にサポートするサービスラインナップがあります。支援が必要だと感じたら、担当者の方に相談すれば適切なサービスをご提案いただけるということも、魅力のひとつでした。 今回は「実務経験のある方と一緒に色々とお話をお伺いしながら、新規事業を進めたい」という理由で伴走支援型の「ビザスクpartner」の導入を決めました。
アドバイザー選定の際には、どのようなことを重視しましたか?
佐藤様:今回お願いした河西さんは事業会社での新規事業立ち上げ経験や、新規事業のメンターなど豊富なご経験をお持ちであるため、私たちに不足している知識や経験を補い、実践的なアドバイスをしていただけると考えました。また、当社の社風や物事の進め方などもご理解いただいた上で、寄り添っていただけることも大きな決め手となりました。
アドバイザーの支援内容についてお聞かせください。
佐藤様:はじめのうちは週1回、その後は2週に1回のペースで、河西さんと定例ミーティングを行いました。定例ミーティングのほかにも、不明点があればチャットで随時質問でき、ありがたかったです。まずは新規事業の進め方として、事業開発を複数のステージに分け、それぞれ基準を設けて評価するステージゲート方式を提案頂きました。各ゲートの乗り越え方、ポイントを随所でアドバイスいただき、最初は150案くらいあったアイデアから最終的には3案ほどまでに絞り込んでいきました。
波多野様:それぞれのゲートで、河西さんには的確なアドバイスをいただきました。市場のトレンドや私たちの気付かなかった視点を織り交ぜて客観的な事実を提示しながらも決めつけるような言い方はせず、必ず最終的には私たちの意思で判断できるよう促していただき、頼もしかったです。
特に印象に残っているのは、アイデアの評価基準のひとつに「モチベーション」を設定していただいたことです。事業性や新規性ももちろん大切ですが、新規事業というものは正解のない道を手探りで進んでいくため、何より私たちのモチベーションが続くかどうかが非常に重要だとお話しがあり、確かにその通りだと思いました。
答えを持っているのはアドバイザーではなく顧客。細部にわたるアドバイザーのサポートで重要なことに気付けた
秋山様:仮説検証の段階ではビザスクのスポットコンサルも活用し、顧客の声を聞いてアイデアの実効性を判断していきました。どうしても私たちは事業に直結する顧客の反応に目が行きがちですが、河西さんは顧客の声の中の何気ない言葉からポジティブ・ネガティブな反応を引き出し、サービスのブラッシュアップにつながる示唆をたくさんいただきました。
また、最終的に3つに絞り込んだアイデアのうち特に有望な1つの案について、先んじて小規模な実証実験を行いました。そこで検証する項目の取捨選択で、私たちは色々なことを盛り込もうとしていましたが、「情報をたくさん集めるだけでは、本当に必要なことが見えなくなる」と河西さんのご助言がありました。そのため、検証項目を絞り込んだうえで臨むことができ、有効な実証実験につながったと思います。
現在のプロジェクトの状況を教えてください。
佐藤様:本格的な実証実験フェーズに進むにあたり、最も大きな関門は事業計画書を作成し、経営会議で承認を得ることでした。河西さんには、経営陣が事業計画書のどのような点を見ているのか、そして判断を進めるための材料の準備、どのような伝え方をすればいいのかまで、細部にわたりサポートをいただきました。経営会議で承認を得ることができ、現在は実証実験の準備を進めているところです。
サービスをご活用いただいた感想をお聞かせください。
秋山様:私たちは新規事業の経験がないため、不安が先立ち正解をすぐに求めたり、段取りよく物事を進めようとしてしまい、すぐに河西さんにアドバイスを求めることもありました。しかし、答えを持っているのは河西さんではなく、顧客です。分からない点は怯まずどんどん顧客に聞きに行く姿勢を学びました。また、新規事業はすべてが予定通りに進むことはありません。そういった、当事者だけではどうしても視野が狭くなってしまうところを、河西さんは適切なタイミングで指摘してくださり、ありがたかったです。
河西さんのサポートなくして、実証実験まで進めることはできませんでした。
波多野様:まさに、上下関係ではなく横について伴走いただけたという印象です。当社の社風も早急にキャッチアップしてくださり、一緒に進め方を考えていくことができました。
さらに、ビザスク担当者の方もプロジェクトの進捗を把握し、私たちが相談するとすぐに対応してくださったため、サービスに対する不安を抱くことはありませんでした。
今後の展開についてお聞かせください。
佐藤様:本格的な実証実験を行い、オペレーションや事業性の確認をしていきます。そこで十分な結果を得ることができれば、次は小規模なテストマーケティングを計画しています。さらに、その結果次第で事業化につなげる予定です。今後もビザスクのご支援をいただきながら、新しい事業の柱を創っていきたいと考えています。
ここからは支援アドバイザーの河西様にもお伺いしてまいります。
アドバイザー 河西様
日比谷花壇、アスクル、NTTドコモにて新規事業の立上げ、および新規事業創出制度の設計・運営に従事後に独立。
アイコニックビート株式会社、一般社団法人REIONEの代表を務め企業内新規事業、スタートアップ支援、行政主導のインキュベーションプログラム等の運営に関わる。
ビザスクご登録のきっかけと今回の案件をお受けいただいた理由
当時勤務していた企業で実際にサービスを活用しており、自分も何かお役に立てる事があるのではと思い登録しました。
今回の案件については、まさに求められている事と、ご提供できる事が一致していると感じました。自身が初めて新規事業に取組んで来た頃の試行錯誤がもたらしてくれた知見が提供できると感じられました。
ご自身のどんな強みをいかして貢献できると思われましたか
一言で言えば、これまでの事業支援の経験です。自身が現場で体験してきた事が転ばぬ先の杖になるように。また、社内新規事業で大切なステークホルダである役員の皆様とのコミュニケーションに対しても、大企業で勤務した頃の知見を活用して貢献したいと考えてお受けしました。
ご支援の際に工夫されたこと
「先生」にならない事。
この先同社の新規事業の意思決定を担う皆様ですので「問いの設定」「選択肢の構築」「答えを出す」この一連の体験を補助する事に注力しました。企業が新規事業を生み出し続けていく為に必要な事だと考えたからです。
また、役員の皆様の期待を背負われている事も考慮し、企業毎に存在する合意が必要な論点とそれを導くプロセスを組み込みながら、社内で応援してもらえる提案にしたいという点に拘りました。
ご支援いただいた感想、やりがい
フットワークの良いチームの方とのお仕事はエキサイティングです。毎回、実際にアクションを起こされ、毎回新しい気づきを教えて下さったり、社外の新しい方を巻き込めたお話をして下さったり、「AでダメならBでやってみました!」というような試行錯誤のお話をいただき、私の知見を活用いただけている実感がありました。