活用事例
手薄だったBtoB領域の調査のために、ビザスクを活用。該当領域に従事する専門家に話を聞くことで、研究テーマに素早く反映できる。
キリンホールディングス株式会社
インタビューにご協力いただいた方
- キリン中央研究所 成瀬辰郎様
中央研究所のミッションについて教えてください。
キリンでは、「iMUSE」のような免疫関連の商品を新たな柱として、医と食をつなぐ領域を育てようとしています。中央研究所では、予防効果があるような有効成分の探索や、免疫、脳機能、腸内環境など、ヘルスサイエンス領域を重点領域として研究を進めています。
その他にも新規領域向けた研究探索を行うことが、我々のミッションです。私は研究企画のポジションとして、研究所が抱える各案件テーマのニーズを幅広く担当しています。
ビザスクのサービス利用のきっかけをお聞かせください。
当社のメイン事業はBtoC領域ですが、私たち中央研究所が担うのは素材開発などBtoB領域です。そのため、BtoB領域での情報収集や調査などのノウハウがあまり蓄積されていません。新規の研究テーマを立ち上げるにあたり、アイデアの検証は不可欠ですが、市場レポートやデスクトップリサーチから得られる情報では不十分です。
そこで、BtoB領域に実際に従事されている方に直接お話しを伺える手法を探して色々と調べてみたところ、ビザスクのサービスを知りご連絡させて頂きました。
最初の案件では、エキスパートサーベイとインタビューを活用いただきましたが、調査の流れをお聞かせください。
この案件は研究ステージが進んでおり、ある程度明確にターゲットのペインポイントやニーズをつかんでいる状態でした。そこで、ペインポイントの定量化を行いたいと考え、エキスパートサーベイを実施することにしました。同じテーマを様々な視点で見るため、幅広い職種のアドバイザーを選定し、同じ問いを投げかけました。ニッチな領域であるため、対象者の選定には苦労しましたが、想定していた方々にアクセスでき、アドバイザーの質の高さを感じました。仮説検証において、多様な回答に触れられたことが非常に役立ったと思います。
サーベイからインタビューにはどう移行されたのですか?
エキスパートサーベイの回答を拝見して、3名の方にインタビューを実施しました。サーベイで広くアンケートを取り、そこからインタビューで回答の背景を深掘りできるという流れが非常に魅力的です。また、インタビューの前にアジェンダを送っていますが、アドバイザーの方々は必ず事前に目を通してくださるため、効率よくインタビューを進めることができました。中には、補足情報として参考文献をリストアップしてくださる方もおり、ありがたかったですね。
その後、他の案件では、どのように活用をいただいていますか?
最初の案件は研究ステージが進んでいましたが、その後はアーリーステージでの活用が多く、研究をはじめるにあたっての妥当性を確認するために、インタビューをメインに実施しています。研究所の新規テーマのニーズ調査やコンセプト研究、そして飛び地の場合は業界慣習や研究開発の手法などの情報収集を行うことが多いです。
研究している本人が、アドバイザーの方々と意見交換できる場が重要だと考えているため、インタビューは研究テーマの担当者と、私が行うようにしています。得られた結果は、研究テーマを扱うグループにはその都度共有し、即座にプロジェクトに反映し、場合によっては研究テーマを修正することもあります。その業界で重要な意思決定を行う方からのご意見も得られるため、活用度がとても高いですね。
コロナは、研究に関する調査に影響をしましたか?
以前はフェイストゥフェイスで、回答者の方の反応を見ながら深掘りしていくことができましたが、コロナ禍ではオンラインでのインタビューが中心となるため、慣れるまでには少し時間を要しました。
しかし、一旦慣れてしまえばオンラインの方が日程調整や場所の設定など手間がかからず、スケジューリングがしやすいと感じています。特に、ひとつのテーマで3~5名ほどインタビューを行いたいというとき、オンラインでうまく調整すれば1日で完了できるため、スピード感が上がりました。
ビザスクのサポートや、アドバイザーの選定などはいかがでしたか。
まず、エキスパートサーベイは、調査結果の納品スピードも想定以上に早く、内容もグラフ化してまとめていただき、活用しやすい形式でした。
インタビューのアドバイザー選定も、毎回非常にスピーディーに実施していただいています。「思いついた仮説やアイデアを、ターゲットに今すぐぶつけたい」という研究者が多いのですが、ビザスクにお願いすると、その「熱」が冷めないうちにリストを上げてくださるため、非常に満足度が高いです。
そしてリストの精度もとても高いです。いつもテーマ概要を簡単にまとめて書いてお渡しするのですが、その内容をしっかりと汲み取り、我々のニーズにマッチしたアドバイザーのリストをあげてくださるため助かっています。
エキスパートサーベイやインタビューを通して得られた情報は、意思決定にどのような影響がありましたか?
私たちが行っている研究は、時間軸が長いです。それゆえ、あまり途中で出戻りをしたくありません。ビザスクの活用により、意思決定における正確な一次情報にアクセスでき、研究の上で立てている仮説の確からしさを精度高く検証できるようになりました。新規事業において、意思決定のために必要な情報を、以前よりも確実に得られるようになったと感じています。
ビザスクを活用し始めてまだ1年半で、キリン全体には浸透してませんが、今後も研究者がテーマ相談をしてくれた時、外部での情報収集が必要だと感じた場合、ビザスクを活用していきたいと思います。