活用事例
社内ビジコンから、事業化を目指す!エキスパートサーベイとスポットコンサルを活用し、アイデアを具体化
株式会社NTTデータ
- 目的
- 業種
- 利用サービス
インタビューにご協力いただいた方
- 第二金融事業本部 谷頭 未來様 高嶋 周人様 堀田 直也様
第二金融事業本部のミッションと役割について教えてください
私たちは、高品質、高信頼なシステム提供により、お客様である大手地方銀行様との強固な信頼関係を長年にわたり確立してきました。しかし、ウィズコロナ・アフターコロナ、異業種参入と金融業界は転換点を迎えており、地方銀行様の経営環境は厳しさが増す一方です。その中で、お客様とともに地域社会の発展を支える事業パートナーとなるべく、新しい金融事業サービスの提供に取り組むことが必要であると考えております。
ビザスクを活用した背景をお聞かせください
新しい金融事業サービスを開発するには、企画力の強化が必要です。そこで第二金融事業本部では、新規事業の企画力強化に取り組むことになりました。そのために取り入れた手法が、金融事業推進部が独自開発しお客様に提供している「DCAP」 (Digital Corporate Accelerate Program)というデジタルビジネス創発支援プログラムです。一通りDCAPのプログラムを受講した後、私たち3人が立候補して、そこで生まれたアイデアのブラッシュアップを進めていました。さらにそれを第二金融事業本部で毎年行っている社内ビジコン「価値創造コンテスト」に応募したところ、採択されたのです。
そのアイデアというのが、廃業を検討している中小企業の経営者をサポートする事業でした。アイデアをより具体的な企画に落とし込んでいくには、対象となる「廃業を経験した方」や「近いうちに廃業を検討している方」がどのような課題を抱えていらっしゃるのかを掴む必要があります。しかし、私たちにはそういった経験をしている知人がおらず、リアルな情報を得られないという課題を抱えていたのです。その時に、金融事業推進部からビザスクを紹介してもらいました。
従来は、どのような方法でリサーチを行っていらっしゃったのでしょうか
まずはインターネットで記事やリサーチレポートを検索して、対象となる領域の概要を掴みました。その上でより具体的な情報を得るために、自分たちの知り合いや上司、同僚など社内の伝手を当たって、対象となる方にインタビューを行うというのが基本的なリサーチの進め方でした。
今回、エキスパートサーベイを活用いただいた理由について聞かせてください
スポットコンサルの活用も検討したのですが、一人ひとりにインタビューを行うとなると、取り組める数にも限界があります。また、インタビューはその時々によって話の進み方や得られる回答がまちまちです。今回、まずは廃業という特殊な状況をご経験された方の声をなるべく多く、統一された質問内容で集めたいと考えたため、エキスパートサーベイを利用することにしました。
エキスパートサーベイでは、どのような調査を行いましたか
私たち三人はまだ若く人生経験も少ないため、廃業というのはどのような状況なのか、具体的なイメージが湧いていませんでした。そこで廃業した時に「具体的にどのようなことで苦労をしたのか」に焦点を当てて、アンケートの設問を作成しました。具体的に想定していたのは、顧客や取引先の引継ぎ、技術やノウハウの引継ぎ、生活資金といった課題です。これらが本当に重要な課題なのか、他に重要な課題があるかなどを明らかにしたいと考えていました。
サーベイ結果から、どのような気づきを得られたのでしょうか
自由記述の質問形式で具体的な話を交えて詳細な回答をいただけたため、有用な情報を得ることができました。同じ廃業といっても、比較的安定した経済状況で事業を畳む方もいれば、本当にひっ迫した状況に追い込まれて倒産という形で終わりを迎えざるをえない方もいます。特に後者の場合、借入金の返済に苦労したという声が共通していました。
また、技術やノウハウの引継ぎについて、大企業であればある程度マニュアル化しているのですが、中小企業の場合はノウハウが属人化していることも多く、引継ぎが困難だというお話しもありました。
調査結果は、新規ビジネスの企画内容に影響しましたか
今回の調査結果を受けて、アイデアの方向性を転換するという結論に至りました。もともと「廃業される方が、その後の人生をいかに幸せに生きていくか」というテーマで事業を検討していたのですが、借入金などの課題があることから、廃業される方をターゲットにしたビジネスモデルの構築は難しいと判断しました。
一方で、技術やノウハウの引継ぎといった課題については、何か別の方向性でソリューションが考えられないかということで、現在進めているアイデアにつながっています。
エキスパートサーベイにおけるビザスクのサポートはいかがでしたか
満足しています。特に設問の作成時には、素人の私たちだけで作成するよりも、ビザスクのようなプロの方にアドバイスを頂くことで、精度の高いアンケート調査ができたと思います。
また調査結果の納品も早かったです。調査後一週間以内には、回答結果をまとめたデータを頂きました。新規ビジネスの企画はスピードが命ですから、これは非常に助かりました。その後、改めて調査結果をまとめたサマリレポートも頂いたのですが、これも分かりやすくまとまっており、企画の進行に役立っています。
当初のアイデアからピボットしたということですが、現在の状況を聞かせてください
現在は、廃業した方の技術やノウハウを可視化して他の事業者に活用していただくサービスを検討しています。そこでまた調査の必要性が出てきたため、ビザスクのスポットコンサルも利用しました。この時は可視化したノウハウを活用していただけそうな方を対象に、10名程度のインタビューを行いました。
従来もお知り合いの紹介などからインタビュー調査を行っていらっしゃったとのことでしたが、スポットコンサルを活用していただき、従来の手法との違いは感じられましたか
今回インタビューしたのは起業経験がある方々でしたが、私たちの個人的なつながりでは、あまりそういった経験のある方々には縁がありません。その点、ビザスクには多様な経験を持つ方々が登録されており、その中から適切な方をリストアップしていただけるため、ターゲットとなる人が見つけやすいと思います。
エキスパートサーベイとスポットコンサル、両方のサービスを活用いただきましたが、どのような感想をお持ちですか
事業アイデアに関わる調査の流れとして、インターネットリサーチで概要を掴んだ上で、さらにイメージを具体化するために、まずはスポットコンサルを利用するのがよいと思いました。スポットコンサルで何名かにインタビューすることで、リアリティのある話を伺い、事業アイデアの解像度を高めることができるからです。
またアイデアを具体化し、事業化フェーズに進めるには社内の説得は不可欠です。そのためのエビデンスを得るには、エキスパートサーベイが有効です。スポットコンサルで得た情報をもとに精度の高い設問を用意し、それをエキスパートサーベイでまとまった人数に投げかけ、その結果を説得材料とするという流れで活用するのが効果的だと思いました。
今後の方向性について聞かせてください
「DCAP」の活動から始まったアイデアが「価値創造コンテスト」で採択され、1年ほどかけてアイデア段階から事業化に向けて検討を重ねてきました。当初起案者の3名のみだったチームが今は8名に増え、 PoCに向けて企画書を作成中です。その結果を受けて、ビジネスモデルをよりブラッシュアップし、サービス内容を明確にしていくことになるでしょう。そうなれば、改めてターゲットに対してアンケートやインタビューを行う必要性が出てくるかもしれません。その際はまたぜひビザスクのサービスを活用したいと考えています。
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