活用事例

異業種の新規事業開発にはビザスク 生の声を聞くことでユーザーニーズを捉える大切さを実感

損害保険ジャパン株式会社

目的
業種
利用サービス

インタビューにご協力いただいた方

  • ビジネスデザイン戦略部 小黒 祐介様、鈴木 大介様

損害保険ジャパン株式会社様は、過去多数ビザスクをご活用いただいておりますが、今回新たに2つのテーマの新規事業開発において、ビザスクintervew(スポットコンサル)やエキスパートサーベイを活用されました。
2022年6月には、ビジネスデザイン戦略部のお二方に登壇いただき、当社主催セミナーで”異業種の新規事業でユーザーニーズを捉える方法”をテーマにお話しいただきました。本記事では、その内容から抜粋してビザスク活用事例を紹介いたします。

ご所属部署の役割や業務内容をお聞かせください。

鈴木様:ビジネスデザイン戦略部は、SOMPOグループの中でも新規事業を創出する中心的な役割を担っている部門です。保険・介護事業に次ぐ中核事業を創出することをミッションに掲げており、これまでも様々な事業を立ち上げてきました。
私たちは、ユーザー理解が新規事業の基礎となると考えています。「自分=ユーザー」に置き換えて、ユーザーニーズ(課題)のみならず、その原因のレベルまで特定することを大切にしています。また、ユーザーへの共感のためには、実際にユーザー体験をする他に、行動観察をしたり、インタビューを通して深く知ることも重要かと思います。
※詳細は『「ユーザーファーストの新規事業」-社内の資産で新たな成長の種をまく』(当該事業の担当役員である中村様の著書)をご参照ください。

今回、IoT事業と防災・減災事業の2つの新規事業開発でビザスクをご活用いただいておりますが、ここからは1つ目のIoT事業に関して鈴木様にお聞きします。

鈴木様:IoT事業に取り組んだきっかけは、「保険だけで十分だろうか」という問いにあります。保険会社として、事故が起きた際に保険金をお支払いするという経済的な補償は非常に重要な役割と言えます。しかし、事故リスクへの対応方法として、そもそも事故を起こさせないような取り組みが必要であり、取り組む意義があると考えました。
自社が培ってきた事故調査の技術に加え、IoTデータを収集することによってこれまで以上に定量的な事故分析が可能になります。この分析がAIによるアルゴリズムの構築に繋がり、自社の強みを活かした精度の高い異常予測や事故防止の仕組みが出来上がります。

実際に事業を進めるにあたって難しかったのは、決裁者とユーザーが異なる点です。決裁権のある本社の方はコスト削減等のニーズを持っていますが、現場でIoT機器を操作する方の意思とは反することもあります。どちらかのニーズのみを汲み取っていたのでは上手くいかず、双方へのインタビューが大変重要になってくると考えました。

インタビューの必要性を感じられ、ビザスクをご利用いただいたのですね。

鈴木様:色々な人にインタビューしたいと思うものの、自分たちでアポイントを取って訪問すると時間がかかりますし、そもそもインタビューしたい方との接点がないという問題もありました。頭を抱えていた中で、コンサルティング会社の方はビザスクを使ってユーザーヒアリングをしていると知り、我々も活用してみようと思ったんです。

インタビューを活用するメリットは何でしたか?

鈴木様:日頃接点がない方の意見を聞くことが出来た点が良かったです。インタビューによって、事業を進める中の早い段階で致命的な課題を発見できました。
また日程が合えば翌日にでもインタビューができますし、特に昨今はオンラインが主流ですので対面で会う必要もなく、簡単にスピーディーにセッティングが可能で便利でした。

アドバイザーを選定するコツや、インタビューの際に気をつけていることなどあれば教えてください。

鈴木様:アドバイザーの選定に当たり、ビザスクへ我々が考えていることをお伝えして、アドバイザーが想定質問にご回答可能か確認を進めました。その際、ビザスクがかなり親身になって対応してくださり、アドバイザーに関する参考情報をたくさんご提示いただきました。その中で決めたアドバイザーとのインタビューでは、懇切丁寧にご対応いただいて、やはりこの方にお願いして間違いなかったと思えました。

インタビューの際に心掛けていることは、「なぜ?」を尋ねることです。答えがわかっていると思うことだとしても「なぜそうするのか?」と尋ねると、案外想定と違う答えが返ってくることもあります。また、複数人にインタビューをする際は、それぞれ異なる回答の項目にはヒントが隠れていることが多いので、あえて矛盾を意識するようにしています。

ここからは、2つ目の新規事業である防災・減災ビジネスに関して、小黒様にお聞きします。

小黒様:防災・減災ビジネスは、既存の保険事業と非常にシナジーの生みやすい分野です。と言うのも、自然災害が起きた際も、事前に防災や減災でリスク低減できていれば、お支払いする保険金も少なくなります。この分野でなんとかイノベーションを起こしたいと考えました。
災害大国の日本において、37%の企業が自然災害への対策を何もしていないという結果が出ており、日本企業の災害対策は大変不十分です。そこで、企業がアクションに繋げられるような新しい防災サービスを作るというのが新規事業の柱となりました。

具体的にどのようにビザスクをご活用いただきましたか?

小黒様:ユーザーからの生の声を拾うことで、社内の議論を促進しようと考えました。ユーザーインタビューの目的としては、企業の抱える課題の理解によるペルソナの絞り込みやオファリング内容の精緻化、UI・UXのブラッシュアップなどが挙げられます。
具体的な調査方法としては、エキスパートサーベイで約30問ほどのwebアンケート調査を実施し、併せてビザスクinterviewも活用しました。今回は、調査全体の設計や仮説構築から、調査の実施、結果分析やレポーティングまで一気通貫で調査のプロフェッショナルに伴走支援いただきながら進めていきました。

エキスパートサーベイ、インタビューを経て、どのような成果や気づきがありましたか?

小黒様:まずサーベイでは、企業の状況や自分たちが立てたサービスの仮説が市場にどの程度受け入れられるかなどのデータを定量的に把握することができました。また、インタビューではさらにサービス仮説に対する率直かつ個別具体的な、ユーザーの生の声を得られました。言葉の定義やペルソナのずれを認知できましたし、ユーザーに取ってのハードルや課題にも気づけました。
今回の調査を通して得た学びは、新規事業開発の担当者が自分たちだけで調査を進めると、主体性はあるものの、プロジェクトを前に進めるためのバイアスがかかるという点です。客観的に物事を把握するためには、定期的に社内外の第三者のレビューが必要だと感じました。
同様に、知り合いへのインタビューではやはり限界があります。質問者と回答者の関係性によってバイアスがかかってしまい、本音を引き出しにくいでしょう。最後に、自明と思っていることほど、本当にそうなのかと疑う気持ちを持って調査を進めることも大切だと学びました。

今回、調査のプロが第三者目線で入ることによってどういったメリットがありましたか?

小黒様:インタビューの実施においては、バイアスがかかりがちな自分たちの考えの見直し、アドバイザーに本質的に聞くべき内容や聞き方までコンサルティングいただきました。
また、エキスパートサーベイでは、回答者の負担や集中が切れるタイミングなどを考慮して、質問のアルゴリズムの構築まで行っていただき、もっと回答者の立場を考えなければならないということに気付かされました。
今後の調査設計においても非常に学びが多かったです。

目的
業種
利用サービス