活用事例

サービスのデジタル化を社外のプロに支援してもらったことをきっかけに、全社でDXに取り組む意識が高まった

ティーペック株式会社

目的
業種
利用サービス

インタビューにご協力いただいた方

  • 商品企画本部 商品・マーケット部 部長 中村様  課長 鳴海様

課題:従来電話対応がメインだった自社サービスのデジタル化

支援したアドバイザー:宮入様
コンサルティング会社で基幹システム導入やチェンジマネジメント・ターンアラウンドなどを経験した後、複数の国内系・外資系事業会社にて、IT部門統括や大規模プロジェクトマネジャー、IT・デジタル技術を活用した売上向上施策立案・推進リーダーなどを務めた。IT・ビジネスに関する多様な経験をもとに組織の課題解決に取り組んでいる。

事業内容を教えてください。

中村様:ティーペックは1989年の設立以来、電話健康相談サービス「ハロー健康相談24」を提供してまいりました。こちらは医療の専門家が24時間・年中無休体制で対応し、これまで2000万件を超えるご相談をいただいております。さらに、各専門分野の医師や医療機関との提携によるセカンドオピニオン手配サービス「ドクターオブドクターズネットワーク」、全国約230ケ所のカウンセリングネットワークによる面談カウンセリングサービス「こころのサポートシステム」など、多様化するニーズに合わせた健康・医療分野のサービスを展開しています。

今回ビザスクをご活用いただいた経緯をお聞かせいただけますか?

鳴海様:当社は電話による健康相談サービスを30年以上にわたり提供してまいりました。しかし時代の変化やお客様ニーズの多様化により、電話だけではなくパソコンやスマートフォンからの利用を想定したサービスのデジタル化が急務でした。
そこで社長の肝入りでDXプロジェクトを発足したのですが、社内にデジタル領域に強い人材がおらず、自社だけで進めるのは難しいと考えました。これまで外部の力を借りてプロジェクトを推進した経験もほとんどないため、どこにどのような依頼をすればいいのか、判断ができなかったのです。
そんな時に、メンバーから、まずはビザスクのスポットコンサルを利用してみてはどうかと提案があり、何を活用しどこから着手すればいいのか、全体的な知見を得たいと思い、4人の方にインタビューをすることにしました。

ビザスクpartnerのご活用を決めた理由と、アドバイザー選定で重視したことを教えてください。

中村様:スポットコンサルでヒアリングした4名の方は、それぞれ経験値が高く有用なアドバイスをいただけました。中でも宮入さんはDXプロジェクト推進や事業開発のご経験が豊富で、地に足の着いたご意見をくださったおかげで、プロジェクトの方向性がかなり明確になり、コンサル活用についても方針を固めることができました。その後、宮入さんの意見を参考にいくつかのコンサルティングファームやシステムベンダーにお声がけし情報収集を行いました。
どの会社も素晴らしい提案でしたが、最終選定の段階で宮入さんにそのまま長期的に支援していただけたら、と真剣に考えるようになりました。ご自身の経験から、プロジェクトの進め方やトップとの合意形成を含め、DXプロジェクト推進において重要となるところを総合的にアドバイスいただけると思ったのです。

そこでビザスクに相談したところ「ビザスクpartner」というサービスがあると案内をいただきました。個人への依頼ということで、上層部からは「本当に大丈夫なのか」という意見もありましたが、ご経歴や実績、スポットコンサルを利用した際の手応えも含めて、宮入さん以外には考えられないという説得材料を揃え、さらに宮入さんと経営陣との顔合わせの場を設けることで、承認を得ました。

アドバイザーの支援内容についてお聞かせください。

鳴海様:「DXプロジェクトの推進」と社内における「DXの目線合わせ」、2つの軸でご支援をいただきました。
「DXプロジェクトの推進」においては、週1回の定例ミーティングの他、個別のご相談にご回答をいただきました。第一段階のゴールとしては、当社の健康サポートサービスを集約したWebサイトを開発し、そこに様々な機能を組み込むという内容でした。宮入さんには企画書のレビュー、開発業者選定の仕方、リリースまでの業者とのやり取りやプロジェクト体制づくり、経営陣への上申の方法など、DXプロジェクトを進める上で必要なすべてのことをご支援いただきました。リリースまでの手順だけではなく、リリース後にボトルネックになりがちなことや、業者と事前に取り決めておいた方がいいことなど、運用まで見据えた現場目線のアドバイスが、非常にありがたかったです。

中村様:「DXの目線合わせ」についてですが「DX」の捉え方は人によって様々です。単なるシステムのリプレイスと考える人もいれば「デジタル」というだけで過剰な期待をする人、逆に拒否反応を示す人もいます。そこで宮入さんに、なぜ今回のプロジェクトが必要なのか、ティーペックはDXをどう活用すべきなのか、認識を統一させるためのご支援をお願いしました。
具体的には、プロジェクトメンバーや管理職に対する勉強会での講師、さらに経営陣とのセッションのファシリテートなど、様々な切り口でコミュニケーションを取っていただきました。

アドバイザーの支援により、どのような成果につながりましたか?

鳴海様: 宮入さんの支援を経て、2022年の3月、健康サポートWebサイト「plus Baton(プラスバトン)」をリリースしました。(健康サポートWebサイト plus Baton | 健康・医療サポート・メンタルヘルスケア | ティーペック株式会社 (t-pec.co.jp)
サイトリリースという成果も含めプロジェクトをしっかりと完遂できたことは、ご支援あっての大きな成果だったと思います。現在、新しいプロジェクトも走り始めていますが、このプロジェクトで得たノウハウを存分に活かすことができています。

これほど大きなプロジェクトを進めること自体が私たちには初めての経験であり、絶対に失敗に終わらせたくはありませんでした。宮入さんのご支援のおかげで成功体験を積むことができ、DXプロジェクトにおける基本的な考え方や体制などノウハウの蓄積ができたことはもちろん、社内のDXに対する認識も浸透してきたと感じています。
実際に、プロジェクト開始時にはチャットでの健康医療相談に懐疑的だった社員も、今では積極的にサービス提供に協力してくれるようになっています。
DXを正しく理解し、会社の成長に必要なものとして活用していく文化の土台ができました。当社の変革のひとつの大きなきっかけとなるプロジェクトだったと思います。

ご活用いただいた感想をお聞かせください。

中村様:まずスポットコンサルについては、デスクリサーチだけでは知り得ない情報を、プロフェッショナルに直接ヒアリングできることは非常に貴重な機会だと思います。特にプロジェクトの初期段階、仮説検証フェーズで活用することで、成功の確率を高められると感じました。
「ビザスクpartner」の利用においては、私たちの課題をしっかりとヒアリングしてくださり、サービスベースではなく当社の課題解決ベースでご提案をいただけたことが良かったです。ビザスクの方も、宮入さんもレスポンスが非常に早く、信頼ができます。

今後の展開についてお聞かせください。

中村様:今回のプロジェクトでは、まず「plus Baton」サイトのリリースまで無事に行うことができました。今後は、サイトの運用を軌道に乗せることが目標です。そして安定的な運用ができるようになった後は、サイトを通じてより多くの利用者様に質の良いテックサービスを提供していきたいと考えています。
これからサイトを成長させるためには、たとえばUI/UXやプロモーションなど、以前とは異なる専門領域での知見が必要となるでしょう。その際は、またスポットコンサルなど、ビザスクのサービスを活用したいですね。

ここからは支援アドバイザーの宮入様にもお伺いしてまいります。

アドバイザー 宮入様

コンサルティング会社で基幹システム導入やチェンジマネジメント・ターンアラウンドなどを経験した後、複数の国内系・外資系事業会社にて、IT部門統括や大規模プロジェクトマネジャー、IT・デジタル技術を活用した売上向上施策立案・推進リーダーなどを務めた。IT・ビジネスに関する多様な経験をもとに組織の課題解決に取り組んでいる。

今回の案件をお受けいただいた理由とご自身のどんな強みをいかして貢献できると思われたかお聞かせください。

ティーペック様は、デジタルに関する取り組みを今まで多く実施してきたわけではなかったのですが、今回、新しい取り組みを真剣に進めようとされていることが、とてもよく伝わってきました。何かお役に立てるのであれば、お役に立ちたい、新しい取り組みを成就させてほしいと思い、新たな取り組みに参画させていただきました。

自身の強みとしては3つあると思います。

1.多様な視点
事業会社側・サービス提供側両方の経験であったり、担当者・プロジェクトマネージャー・マネジメントなど様々な立場で、デジタル・IT・ビジネスに関する取り組みに関わってきました。そのため、新しい取り組みを進めるにあたって関係する多様なステークホルダーの視点を提供できると考えました。

2.リアルな失敗経験・成功体験
自分自身が、デジタルやITに関する新しい取り組みをする中で、うまくいったこと、いかなかったこと両方の経験をしてきました。デジタル領域に関する取り組みは、実態が見えづらい、想像しにくい面があると思いますが、経験をもとにした話は、聞く方からすると実感をもちやすい、理解しやすいのではないかと思います。

3.プロジェクトマネジメント経験
今までの様々なプロジェクト経験から、プロジェクトの立ち上げから終了、次のプロジェクトへと一連の流れの中で行うことや、発生する課題やリスクをアドバイスできると考えました。

ご支援の際に工夫されたことは何でしょうか?

1.プロジェクトの前提
新しい取り組みは、最初からなかなかうまくいかないものです。それを前提にすることで、うまく進んでいない時に過度に悲観したり、失敗を恐れることがないようにしました。そうすることで、メンバーが悪いニュースも率直に話ができるようになると考えました。ティーペック様にとって新しいチャレンジでしたので、メンバーの皆さんが、プロジェクト課題に過剰反応しすぎないよう心掛けました。

2.納得感のある具体的なアクション
課題が発生した時は、様々なメンバーの方々から状況や意見を聞き、置かれている状況をよく理解するように務めました。その上で、課題解決のための具体的なアクションをディスカッションして、実行するメンバーの方々が、納得して取り組めるようにしました。

3.短期の視点と長期の視点
DXに関する取り組みは長期に渡るものです。よって、直近の課題を解決しつつ、プロジェクト内だけでなく、会社全体のステークホルダーからサポートを得て、継続した取り組みにしていくための視点も提供するよう心掛けました。

ご支援いただいて感じられたやりがいは何ですか?

メンバーの皆さんと、色々な課題に直面しながら、新しい取り組みにチャレンジしていく過程、一つ一つ形にしていく過程は、とても楽しかったです。会社全体での新しい挑戦に参画し、様々な過程を経ながら変化していく場に立ち会えることに、大きなやりがいを感じます。

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