ビザスク

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ユニチカ株式会社

R&D過程の様々な課題に合わせて、ビザスクを活用!技術者の成長にもつながる外部知見の活用

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  • 研究開発

インタビューにご協力いただいた方

技術開発企画室 事業開発グループ

宮西 健次様

昨今は、研究者自らニーズ調査や仮説検証をおこなうことが求められています。しかし、実際にどのように進めればよいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

ビザスクでは、「研究開発を加速させるユニチカの外部知見活用術~素材メーカーが取り組むマーケティングと用途探索とは~」というテーマでセミナーを開催。ユニチカ株式会社の宮西様にご登壇いただき、研究開発初期ステージテーマのマーケティングや、事業部既存製品の新規用途探索におけるビザスクの活用事例、「社内事務局」という立場としての役割から見た外部連携支援機関の活用や人材育成について、お話しいただきました。

社内の横串連携、社外接点づくりの起点として

宮西様:私が所属する技術開発企画室 事業開発グループは、新事業創出や既存事業の規模拡大のための技術開発施策の立案と実行支援、オープンイノベーションの推進、技術移転・技術導入施策立案・推進を担っています。社内の横串連携や新規の社外接点づくりの起点となり、事業規模の維持拡大に努めることがミッションです。そして、自社の既存ルートを超えた市場情報の獲得支援やルート構築、社外から獲得すべき技術の情報収集をするために、ビザスクのような外部連携支援サービスの社内事務局としての機能も有します。

BtoB素材企業製品とR&D過程における課題

宮西様:具体的な活用事例をお話しする前に、BtoB素材企業の特徴を紹介します。

1つ目の特徴は、「一つの製品の用途が多岐にわたる」ことです。たとえば昨今、マスクや防護服の素材として認知度の高まった不織布は、その他にも土木や農業など複数の用途があります。そのためか製品ができてから「この素材、何かに使えませんか?」と顧客に聞いて、用途を開拓することがよくありました。また、成熟期にある製品に、突如新しい用途が見つかり、製品が若返りを起こしたように再度成長期に入るということも稀にあります。

2つ目の特徴は、「製品を大量に生産するためには大きな設備が必要となり、そこに対する設備投資が巨額になる」ことです。そのため、新しい素材を開発し製造するには、確実に売れるという用途を最低一つでも見つけておく必要があります。

用途が複数見つかったとしても、安泰ではありません。それまで用途が複数あったのに、突然一つの用途がなくなってしまうということが起こり得るからです。製造設備の減価償却が終わっていなかった場合、それを残った用途でカバーしなければならなくなり、価格競争力が下がってしまいます。つまり、用途が一つなくなると、他の用途にもマイナスの影響を与えてしまうのです。そのため、既存製品にも、常に新しい用途展開をしなければなりません。

ステージゲート制の導入と、外部支援サービス活用

宮西様:上記のような課題感がある中、コーポレートR&D部門である弊社中央研究所では、ステージゲート制度を導入し、研究開発活動の初期段階での有望用途探索をある程度の確度をもって行うこととしました。具体的には4ゲート5ステージの仕組みを構築し、技術開発着手前に調査ステージ(Sステージ)を設けました。そして、製品コンセプトを妥当なものに修正した上で、次の技術開発ステージ(Rステージ)へ進めるというものです。

ここで一つ問題が出てきます。これまでは、まずモノの開発を行い、顧客候補に見せることができる段階に至って、顧客(候補)を前にして用途開拓を行うのが一般的でした。しかし、上記のような変革実施後は開発前の段階、つまり見せられるモノがない段階で、製品コンセプトの妥当性を確認しなければなりません。その課題を解決するために、ビザスクをはじめとする外部支援連携サービスを活用しています。

様々なサービスがありますが、研究所のメンバーと試行錯誤しながら使い分けをしています。たとえばビザスクのサービスでお話しすると、アイデアコンセプトはあるけれど、どんな顧客層に受容されるか分からないという段階であれば、「web展示会」でターゲット層の設定をします。次に、ターゲット層は設定できたものの、そこにどういうアプローチをしていけばいいのか分からないという段階であれば、「エキスパートサーベイ」によって、仮説立案ができます。そして最後、仮説検証をする段階では「インタビュー(スポットコンサル)」が有効です。

ビザスク活用事例:研究開発初期ステージテーマのマーケティング

宮西様:ビザスクのサービスを活用した事例を紹介します。まだ開発段階のため詳細はお伝えできませんが、当社にとって新規性が高く、想定市場ターゲットは既存ルートの外側にあるテーマです。この開発品が適用される市場は、ある程度把握はできていました。しかし、どのようなアプローチをすればいいのか、仮説立案ができていませんでした。そこで、エキスパートサーベイを活用することにしたのです。

具体的には複数のターゲット分野の有識者に、業界に対する課題や要求事項を聞き、フィードバックを得ました。それをもとに、製品コンセプトの仮説構築ができたため、次にその仮説の検証をすべく、エキスパートサーベイ対象の方から何名か選定し、インタビューを実施することにしました。そして、インタビューで詳しくヒアリングすることで、製品コンセプトの受容性が確認でき、技術開発目標まで明確にすることができたのです。このテーマは無事に調査ステージをクリアし、次の研究開発ステージに進んでいます。

ビザスク活用事例:事業部既存製品の新規用途探索

宮西様:もう一つ、既存製品の新規市場開拓の事例も紹介いたします。「MELSET®」という、熱セットで固まるポリエステル糸なのですが、この製品は「面白いね」と言ってもらえるのに、なかなか採用例が増えないという課題がありました。また、自分たちのリーチできている範囲を超えての製品認知促進の面でも課題を感じていました。そこで、ビザスクのWeb展示会を活用し、製品が受容されそうなターゲット層を新たに見つけようと考えたのです。

従来の顧客層だけではなく、幅広い分野からの用途アイデアを募りたいため、繊維分野の専門用語や細かな技術情報は避けました。また動画を活用するなどして、視覚に訴える工夫もしました。その結果、バラエティに富む分野の方々から、幅広い用途提案をいただくことができたのです。現在、いくつかの用途について、インタビューを経てマーケティング活動を検討中です。

人材育成視点での意義

宮西様:我々は、製品コンセプトの妥当性の見極めを、R&D担当者自身に実施してもらっています。当社には、「MOTマーケティング」という用語があります。これは、開発初期段階の、まだ開発対象の仕様や詳細が決まっていない、または本格的な技術開発を開始する前の、アイデアコンセプト段階でおこなうプレマーケティング活動のことです。これをR&D担当者に実行してもらうにあたり、我々がレクチャーを実施しました。

このレクチャーを経て、R&D担当者自身がエキスパートサーベイの質問文やインタビュー内容を考えるようにすることで、情報収集力や分析力、洞察力、仮説構築・検証力などが身に付きます。そして、いちテーマ担当者としてではなく、テーマ推進リーダーとしての自覚が自然と備わっていきます。そして研究開発ステージに上がってチームに人が増えた時、自ら旗振り役としてチームを牽引するようになるのです。その姿をみると、この活動をしていて良かったと思えます。

―宮西様のご講演のあと、参加者との質疑応答をおこないました

新規事業参入におけるポイント

宮西様:最初からあまり厳しい基準を設けず、ある程度担当者に任せています。そのうちに担当者がテーマを“自分ごと”としてとらえられると、活発に色々と調べはじめ、「ビザスクを使いたい」といった相談をしてくれるようになります。そういった、ハートに火が付く段階の芽をつぶさないことが大切だと思います。

ビザスク活用後の社内の変化

宮西様:自分たちだけで考え続けて時間を費やすよりも、外部の知見を活用して素早く進めることに積極的になったと感じています。「自分で答えが分からないからといって、外部を頼るなんて安易じゃないか」と意見もあるかもしれません。しかし、外部 の知見はただ「丸腰」で聞きに行っても充分得られるものではありません。経験を積んでいく中で、その前の段階で自問自答をたくさんするようになっていくはずです。外部に頼ることで、逆に自らの仮説構築力や自走力が鍛えられるという側面もあるはずです。

web展示会の成果指標の設定

宮西様:なるだけ広く可能性を探るのが目的ですので、明確な数値は設けていません。成果目標を決めるというよりは、「このくらいのフィードバックがあれば嬉しい」という希望を出して、それを実現できそうな手段のなかで、費用対効果を比較検討するのがいいと思います。

ビザスク木下:目安として、WEB展示会については、1週間提案を募る期間を設けています。その中で、平均10~20件の提案が集まっています。さらにそこから、3~5名のインタビューにつながっています。

R&D担当者の積極性を引き出すための工夫

宮西様:やはり、人から色々な情報を引き出すことを苦手とする人もいます。そういう人は、あまり事務局にも相談できず、ひとりで課題を抱えて苦しんでいるかもしれません。ただ、そのなかでも上司や周囲の人の手助けのもと、事務局に相談をしてくれるケースがあります。そして、実際に外部サービスを活用するうちに、苦手意識を克服している人もいます。担当者だけではなく、そのチームや上司など周囲を巻き込んで検討してもらえるといいかもしれませんね。

ビザスク木下:ビザスクには、様々な外部知見の提供の方法があります。皆様の個々の課題に合わせてご支援したいと思いますので、ぜひご相談ください。