活用事例

大学発ディープテックスタートアップがバイオ領域で国内外サーベイを実施 早期から海外調査に踏み切り研究開発の方向性が見えた

ハインツテック株式会社

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インタビューにご協力いただいた方

  • 代表取締役社長 青木 睦子様

事業内容をお聞かせください。

半導体の微細加工技術をバイオの世界に応用しています。具体的には、ナノスケールの注射針がたくさん並んだような構造のフィルムを作り、その一本一本の針を介して細胞の外と中で物質のやり取りをする新しい手法と、それに必要なツールの開発、およびその技術を使用した研究開発支援事業を行なっています。この技術は、例えば遺伝子編集などに使用することができます。

この技術は早稲田大学で開発されました。技術を応用していくにあたって、お客様の意見を取り入れながら完成形に近づけるべく早く事業化すべきだという専門家の意見もありましたし、バイオ領域での活用をより推進するために約2年前に当社を立ち上げ、本技術を広く皆さんに使って頂くことを目指して活動しています。

事業を推進するにあたって、どのような課題やニーズをお持ちでしたか。

私たちは主に材料やナノテクノロジーが専門でしたので、個々のバイオの専門領域を深く知る潜在顧客が、それぞれ具体的にどのような使い方をしたいと考えているのか、つまり市場ニーズが不明瞭であることが課題でした。そのため、私たちの研究開発の方向性も決め手に欠けていました。
このような課題から潜在顧客層のリアルな声を聞きたいという切実な思いがあったので、自力でヒアリングも行いました。しかし、創業間もなく人的リソースに余裕がない中で地道にヒアリングを続けていくのはとても骨の折れる作業で、一度にたくさんの方から効率的に意見をもらえないものかと考えていました。

「ビザスクexpert survey」をご利用いただいた理由、背景についてお聞かせください。

以前もビザスクを利用したことがあったので、今回はどのサービスが適切か直接相談させてもらいました。その結果、複数の方から幅広く意見をいただき、大まかな方向性を見定め、仮説検証したいというニーズに合ったサービスが「ビザスクexpert survey」でした。
また、ビザスクから「ビザスクexpert survey」では海外アドバイザーのN数も確保できるとご提案いただいたので、海外調査も同時に行いたいと考えていた私たちにとって最適だと判断しました。

ご実施頂いた調査の内容をご教示ください。

国内と海外のアドバイザーにそれぞれ20名ずつ調査を行いました。この業界はグローバルで見るとマーケットが一番大きいのはアメリカです。そのため、日本市場だけを見ていると実際に目指すべきところと乖離してきてしまう可能性を懸念し、早い段階からアメリカを中心とした海外の方の意見を取り入れることにしました。

調査対象の条件は、潜在顧客層である、細胞を扱った研究開発を行なっている方とするとかなり広範になってしまうため、ビザスク側と相談して今回は医療分野の方に絞って調査を実施することにしました。

当社の技術を従来法と比較した際の優位性、考えられる技術用途、どの程度将来的にパフォーマンスが出せれば実用化できるかなどの質問に対して、主にテキスト形式で回答をいただきました。

調査によってどのような成果が得られ、どのように活かしていきたいとお考えですか。

今まで想定していなかった用途の可能性が出てきたことが成果として大きいです。新たに出てきた用途に関しては、実際に市場でどの程度ニーズがあるのかを探りながら検討していく必要があると考えています。その際もまたビザスクを活用できたらいいですね。

他にも想定以上に需要がある用途がわかってきたり、他技術と比較した際の優位性をかなりご評価いただいて励みになったりと、幅広く気づきがありました。
また、自分たちの中では製品としてまだまだ未熟だと考えていましたが、調査によって現状でもすでにお客様にご活用頂けるレベルに達している部分もあるというのも発見でした。

さらに、今回初めて海外調査を行ってみて、国内と海外の結果に大きな差異がなく、今まで見据えていた方向がグローバルで見ても間違っていなかったというのは良い結果と言えます。やはり、比較的早いタイミングで海外も含めて調査を行ってよかったと感じました。

「ビザスクexpert survey」を活用いただいた感想をお聞かせください。

自力では多くの回答を集めるのが難しい海外の方も含めて、これだけのN数が短時間で得られたことは本当に助かりました。その結果、今後の研究開発に向けて一定の方向性が得られ、今回の調査の目的を達成することができました。また、とてもスピードが早かった点もよかったです。

海外のアドバイザーについても、大学や研究機関の方など専門性の高いアドバイザーを数多く集めてもらえました。今後はさらに、製薬企業などもう少し事業側の海外アドバイザーにも話を聞いてみたいと思っています。

ビザスクをおすすめしたい企業やおすすめの活用シーンを教えてください。

新しいビジネスモデルを考えているスタートアップは、業界・業種を問わずぜひ活用すべきだと思います。自社の顧客になり得る層がどういったニーズを持っているのかを知ることは大変有効だと感じています。
特に、当社のようなディープテック系スタートアップは、自分たち企業側と実際に製品を使うお客様とで専門領域が異なるパターンもあるかと思います。そうなると、自社の研究開発の方向性を決めるために、まずお客様の声に耳を傾ける、市場調査をしてみるという姿勢も大切です。ディープテック系スタートアップは研究開発や知財に全力で投資しがちですが、市場を見てみることも大事だと感じています。

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