活用事例
農家の課題に向き合うスタートアップ。人脈のないロボット業界経験者との出会いが事業化の力に。
サマリー
・野菜の自動収穫ロボット事業で創業するにあたり、業界理解を深めたい
・ハードウェアベンチャーの組織作りについてディスカッションしたい
実施内容
・業界経験者を公募し2名のアドバイザーから業界知見を得る
・社名検索でロボット開発経験者に指名相談しチーム作りに関して議論
感想
・アクセスしづらい方にスムーズにたどり着けて直接お話を聞ける点が最大の魅力
・善意で知見を提供してくれるアドバイザーに感謝
ー事業概要についてお聞かせください
弊社は2017年に設立し、野菜の自動収穫ロボット開発とレンタル提供を行っています。お米や一部の野菜は既に機械で一気に収穫できますが、成長具合や色を目で確認し収穫の判断が必要な多くの野菜は、未だに人の手で一つ一つ収穫しています。しかし農家さんが本当に時間をかけてやりたいことは「もっとおいしい野菜をつくる」「新種を開発する」といったクリエイティブな仕事、という課題感を、知り合いの農家から聞いたことが事業のきっかけになりました。
また、農機具が非常に高い一方で使われる時期はその品種の収穫時期のみで、一農家で所有した場合使えない時期が出てきます。そこで複数の野菜に対応したロボットを、10月末まではアスパラ農家、11月からはきゅうり農家に貸し出すといった、レンタルのビジネスモデル「RaaS(Robot as a Service)」に着地しました。
ービザスクを利用された背景を教えてください
2014年に自動収穫ロボットという事業に着想し、2017年に会社を創業しました。でも、私ももう一人の創業者も元々この業界にいたわけでも、ロボット開発の経験もありませんので、当初は自分の人脈をたどって情報収集をしていました。
会社化し資金調達をする過程で、投資家に対して今後の製造コストやプロトタイプの費用について説明を求められる機会が多くなってきて、もう人脈で収集出来る情報では太刀打ちできなくなってきました。そんな時に、会社でビザスクを使っていた知人から教えてもらいました。
ーこれまで2017年に公募で、2019年には指名相談でご利用いただいています。まずは2017年の公募スポットコンサルについてお聞かせください。
まずはロボット業界の構造理解、製造業への理解を深める目的で、業界経験の豊富な方にお話を伺いたいと考えていました。当時のビザスクのデータベース規模から判断し効率的だと思って公募形式を選びました。10名程のアドバイザーから提案をいただき、当社の農機具や農業用ロボットの分野に近い方に絞りこんで2名にお話を伺いました。
お一人は国内有数の著名な農業用機械メーカーで、実際に製造をされていた方でした。「こんなにすごい方が登録していて公募に提案してくれるのか。」と本当に驚きました。 一般的な業界知識を幅広くインプットするため事前に質問を用意して臨みましたが、想定質問以外にも経験者ならではの深い部分まで知識を与えていただいたり、施設の見学を薦めていただいたりと非常に有意義でした。当社の事業をお伝えしたら応援する、と仰っていただけたのも嬉しかったですね。
ー次に2019年の指名相談でのご利用についてお聞かせください。
この時は事業をスタートするにあたり、ロボット開発というハードウェアエンジニアの組織づくりに関して知見を得たくて利用しました。ロボット事業を営む社名でピンポイント検索し指名相談したのですが、元々ロボットの業界の方は絶対数が少ないので、話を聞きたい方が登録しているか正直不安でした。
でも社名検索したら、まさにその会社の方を見つけることができ、驚きました。この時は、ロボット開発チームの立ち上げとかマネジメントとかのノウハウについて知見を得たかったので質問は作りこまずオープンにディスカッションし、充実した議論ができました。
ーお使いいただいた感想はいかがでしたか?
ベンチャー企業だと大企業と同じようなことをしても勝てないので、新しい事業を考える際、更によりよくする、ということを考えなければいけないですよね。まず世の中を知ってその土俵に立ったうえで、そこの先にどう工夫していけるかを考える必要があります。創業当初の業界理解から実際に動き出して以降の組織づくりまで、フェーズに応じビザスクを通じて、実際に詳しい人に聞けたので満足しています。
また、元々ビザスクに登録されている方は、自分自身のナレッジを善意だけで提供したいというより対価を得たいという方だと思っていましたが、実際お会いしてみて印象が変わりました。
ー他の調査方法と比べ、ビザスクのメリットは何だと思われますか?
ロボット産業はものすごくお金がかかるので、従来ベンチャーではなく大手で行われることが多く、大手の中で経験を積んだ方が多い業界です。製造業の工場の動かし方やチームでのコミュニケーションなど実態を知りたい場合、こうした大手に所属し知見をお持ちの方と自力で繋がることは難しかったです。大学や研究所に直接アタックして研究者の方にお話を伺おうと試みたこともありますが、全く知見のない業界ですし市場に研究者の方が出てきづらい分野でした。そもそも、どの機関に適切な方がいるのかわからず苦労しました。
ですので、当社にとってはアクセスしづらい方やそもそもどこにいるのかわからない方にスムーズにたどり着け、直接お話を聞ける点が最大の魅力でした。コスト的にも、倍の金額でも良かったと思う程、満足度は高いしリーズナブルだと思います。
ースタートアップ、起業家にはどんな点でおすすめですか?
自分から遠い業界のことをやろうとしたときには、ビザスクを使われるといいと思います。統計情報は検索すれば出てくるので、それでストーリーを作り解説することは可能です。でも、やってみないとわからないことを知るためには、やはり実際に経験した人に会うことが重要です。
自分から遠い業界でビジネスを興すときに、その突破口がないケースって多々あると思います。そうした時の入口としてビザスクを活用するのがおすすめです。
ー今後のご活用予定について
今後もたくさん活用させていただきたいと思っています。具体的には将来的に日本以外のマーケットを検討しているので、海外展開について相談したいですね。他にも東京で仕事をしながら、地方でどのようにロボットメンテナンスをする方法も試行錯誤しているので、詳しい方にお話を伺えたらと思っています。