活用事例
30名超の本音で事業仮説を刷新
コクヨが新市場で実践した顧客起点の新規事業開発
利用したサービス
ビザスクexpert survey:ビジネス領域特化のオンラインアンケート
ビザスクinterview:1時間単位のインタビュー
概要
エキスパート: 自社の既存接点では辿り着けない新規参入市場の想定顧客
依頼内容: HR領域の新規事業立案に向けて、市場理解とターゲット層のニーズの妥当性を、インタビューとアンケートを組み合わせて検証。
実施施策: ビザスクinterviewで課題の深さを捉え、ビザスクexpert surveyで想定顧客の意見の広がりを確認し、顧客起点のサービス開発を実現。
こんな方におすすめ
・新市場で顧客理解から始めたい新規事業担当者
・既存顧客以外の本音を集めたいマーケティング担当者
・事業仮説を検証したい事業開発責任者
会社情報
コクヨ株式会社は、ステーショナリー、EC通販、オフィス家具の製造販売や空間設計などを展開する企業です。今回は、グローバルワークプレイス事業本部の新規事業セクションで事業責任者を務める酒井様と、マーケティング全般を担う林様に、チームに着目した新規事業開発の裏側と、ビザスクを活用した市場検証の進め方について伺いました。
ビザスクで未知の市場の顧客課題を捉える
Q. 新規事業の推進において、どのような課題がありましたか?
私たちのチームは、2023年に「人の領域」に着目した新規事業の探索を始めました。働く環境を良くするワークプレイス事業の知見は持っていましたが、新たに挑戦していくHR領域については、正直ほとんど知見がありませんでした。デスクリサーチやマーケットレポートを通じて、「人的資本の重要性が高まっている」といった大きな潮流は把握できますが、実際に人事の方々が現場で何を課題としているのか、どのような文脈でその課題を捉えているのかまでは見えてきませんでした。世の中に出ている情報は整理されすぎていて、実務者が現場で感じているウェットな痛みのようなものが見えてこないのです。
また、新規事業の仮説を既存顧客や社内の接点のみに頼って検証すると、関係性ゆえに厳しい意見は出にくく、「本当に売れるのか」という問いに答えられない検証になってしまう恐れもあり、意識的に既存の関係性の外側に本音を取りに行く必要がありました。そこで選んだのがビザスクです。コクヨ社内でも活用実績があり、新規事業の立ち上げ初期にビザスクを使ってみたという経験値がありました。決め手となったのは、自社とは接点のない人事領域の仕事に携わる実務経験者に直接アクセスできる点です。既存の関係性に左右されない形で、本音に近い声を取りにいける点に価値を感じました。
インタビューとサーベイを目的別に使い分ける
Q. 課題を解決するために、どのような施策を実施しましたか?
まずビザスクinterviewを活用し、HR領域の実務経験者へのインタビューを重ねました。狙いは、新規サービスの評価を得ることではなく、人事担当者が抱える悩みや、記事や調査レポートでは見えない実務上の課題を把握することでした。
大規模な市場調査では実態の輪郭は掴めても、現場の人が何に困り、どういう解決策を求めているのかという踏み込んだ実態までは見えてきません。現場の具体的な困りごとや活動を知るために、実務経験者との対話を重ねることを選びました。
また、同じ質問でヒアリングを重ねるのではなく、1件終えるごとにすぐ振り返りを行い、得られた知見をもとに質問項目を柔軟にアップデートしていきました。その結果、インタビューを重ねるたびに仮説がブラッシュアップされていき、WEBに公開された調査レポートだけではたどり着けない、実務の深部にある課題を特定することができました。計30名超へのインタビューを通じて、HR領域の課題やそれを生んでいる構造が手触り感のあるものとして見えてきました。
その後、HR領域で得た示唆を元に、弊社の既存事業とのシナジーを生むために、総務・ファシリティ部門向けにビザスクexpert surveyを実施しました。一般的な大規模調査はBtoC属性の回答者が多く、BtoBの実務に即したクリティカルな情報が得られにくいという課題があります。エキスパートに絞って聞くことで、量と質のバランスを保ちながら、オフィス空間構築における「チーム」や「共同体験」への意識を確認することができました。インタビューで課題の深さを捉え、サーベイで周辺領域への広がりを確認する。目的に応じて複数サービスを使い分けることで、新しい領域と既存事業とのシナジーという2つの事業仮説を磨いていきました。
顧客理解が、事業の軸と訴求を変えた
Q. ビザスクを活用したことで、どのような成果がありましたか?
最も大きかったのは、顧客解像度が一気に高まったことです。従来は見えていなかった「人事から見たコクヨの受け止められ方」や、サービスのコンセプトに対する率直な反応まで把握できたことで、誰に何をどう届けるべきかを、より現実的に考えられるようになりました。
また、当初検討していたサービスは「チームを単位としてサーベイを実施するという独自性そのもの」を前面に打ち出していましたが、インタビューを通じて見えてきたのは、お客様が求めているのはサーベイそのものではなく、結果を元に気づきや対話を行い、アクションを起こすということでした。つまり、提供価値の中心は“可視化すること”ではなく、“組織の対話を生み出し、アクションに進めること”にあったのです。
その結果、サービスの訴求軸は、「組織の実態把握のためのツール」という見せ方から、「組織変革に向けた対話と行動の実践」へと進化しました。営業やマーケティングのメッセージも、お客様にとってより伝わりやすいものへと変わっていきました。

ビザスクinterview、ビザスクexpert surveyは、新市場で仮説検証したい人におすすめ
Q. ビザスクinterview、ビザスクexpert surveyは他にどのような方におすすめでしょうか?
新規事業や新しい市場に挑戦している方には、特におすすめしたいと感じています。自社に知見のある領域であれば、既存顧客や社内の知見をもとに一定の仮説を立てることができますが、未知の市場に入ると、それだけでは実態が見えにくくなります。そうしたときに、ビザスクinterviewを活用して実務者の声を直接聞くことで、表面的な情報だけでは分からない課題や文脈を深く捉えられる点は大きな価値があると思います。
また、ある程度仮説が見えてきた段階で、その傾向がどこまで広がりを持つのか、他の部門や周辺領域にも当てはまるのかを確認したい場合には、ビザスクexpert surveyも有効だと感じています。インタビューで深さを捉え、サーベイで広がりを確認することで、事業仮説の精度を高めやすくなります。
自社の先入観にとらわれず市場の実態を把握したい方、また、仮説検証を柔軟にアップデートしたい方にとっても、非常に有効な手段だと思います。顧客理解を起点に、事業の方向性や届け方まで磨いていきたい方には、ぜひおすすめしたいです。
チームを共通言語に、変革を広げていく
Q. 今後の展望についてお聞かせください。
今後は、単なるHRサービスの提供にとどまらず、「チーム」という切り口から組織を変えていく世界観そのものを広げていきたいと考えています。
人的資本経営が注目される一方で、現場では部門間の認識のずれや連携不全が生じているという声もあります。そこで、チームを共通言語として社内に流通させることで、リーダーやメンバー、人事や総務といった立場の違いを超えた対話を起点として、組織変革を支援していきたいと考えています。
また、自社プロダクトだけで完結させるのではなく、共感するパートナーとともに価値を広げていく姿勢も重視しています。今回のように顧客の実態を起点に仮説を磨いていくことで、時間をかけて共感していただける仲間を増やし、日本発で組織の在り方を変えていく取り組みへとつなげていきたいと考えています。
現場のリアルなニーズを受けて開発されたTEAMUSの詳細WEBサイト:https://www.kokuyo-furniture.co.jp/wp/special/teamus/
セミナー開催情報
本記事で取材協力いただいたコクヨ株式会社 林 俊祐様が登壇された、アーカイブセミナーを公開中です。詳細はこちらからご覧ください。
組織を変えるのは “対話と行動のサイクル”
〜コクヨが実践するチーム起点の組織開発と、新規事業創出の裏側〜















