活用事例

属人的な実務プロセスを変えるべく、指名相談と公募によりスポットコンサルを実施。新規ツール導入に向けた意思決定材料と、業務フロー改善のヒントを得た。

株式会社アプトポッド

目的
業種
利用サービス

インタビューにご協力いただいた方

  • ビジネスデベロップメント 小宮 悠太 様

課題

・案件1:輸出管理体制改善

自社製品輸出にあたり、これまで各担当者の経験値に基づいて対応していたが、その対応できちんとコンプライアンス遵守ができているか、や、稟議を含む組織的な実務プロセスの確立のポイントなどを知りたかった。しかし、輸出関係の公的機関に複数問い合わせても、民間企業の実際の運用に落とし込めるレベルの情報が得られなかった。

 

・案件2:カスタマーサポート体制構築ならびにCRMツール見直し

カスタマーサポート体制の立ち上げと、それに合わせて社内の顧客情報管理ツールの見直しをしたかった。対象となるツールは多種多様なものがある中、想定する運用フローへの合致度合いを当該ツールの経験者の声を聞きながら選定し、なるべく失敗のない導入をしたかった。

 

実施内容

・案件1:輸出管理体制改善

アドバイザー検索にて、通関士としての輸出入業務やメーカーでの法務/コンプライアンス担当経験があるアドバイザーを見つけ、指名相談を実施。

 

・案件2:カスタマーサポート体制構築ならびにCRMツール見直し

CRMツール導入に関して該当キーワードでヒットする対象者が多かったため、「公募」にて細かい判断材料を記載しアドバイザーを募集。

 

結果

・案件1:輸出管理体制改善

指名相談のメッセージを送った2時間後にはインタビュー実施が確定。ヒアリング内容をもとに輸出プロセスを見直し、組織としてのコンプライアンスが強化された。

 

・案件2:カスタマーサポート体制構築ならびにCRMツール見直し

公募では募集開始後約1週間で16名のアドバイザーから提案が集まる。スタートアップでカスタマーサポート部門の立ち上げ経験がある方とインタビューを実施し、アドバイザーの意見を意思決定材料として、カスタマーサポートツール導入を決定。

 

ー事業概要についてお聞かせください

株式会社アプトポッドは、産業向けIoTサービスの提供を行っている会社です。「intdash」というデータ伝送プラットフォームをもっており、自動車や建機、農機、工場の製造装置などの様々な産業機械全般に対して、幅広くデータの伝送が可能なサービスです。

私はその中のビジネスデベロップメントチームというところで、営業、製品企画からマーケティングまで、何でも屋のようなポジションで働いています。直近では、専門の部署がない中で担当営業がカスタマーサポート業務を兼務している状況の改善のため、組織的な顧客対応体制を作ろうとしています。今後お客様が増えたりプロセスが確立されたら、チームを作って人を雇うといったこともしていくと思います。

 

データ伝送プラットフォーム「intdash」

 

ービザスクを利用された背景を教えてください

ビザスクはもともとアドバイザーとして4年ほど前から利用していて、時々アドバイザーとしてスポットコンサルを受託していました。今年の6月頃に、コンプライアンス面を含め輸出管理体制の実務に詳しい方にアドバイスを頂きたい場面があり、初めてビザスクを依頼者として利用しました。

輸出管理は公的機関のサポートも比較的充実している分野ではあって、事前にJETROや経産省といった公的機関に問いあわせたのですが、民間企業の実務に落とし込むレベルの具体的なアドバイスは得られませんでした。そこで実務経験者に話を伺おうとビザスクを利用しました。

その約3か月後に、今度は別の案件で公募を利用しました。弊社では専門のカスタマーサポート部門がまだなく、担当営業が顧客対応業務を兼務しています。この度オンライン上のマーケットプレイス経由での製品販売の開始に伴い、営業を介さないルートから新規顧客がやってくるルートが開設されることにより、より組織的なカスタマーサポート体制を作る必要性がありました。そのための業務フロー制定や、そのためのツール選定についてアドバイスを頂きたく、カスタマーサポート部門の立ち上げ経験がある方をビザスクの公募で募集しました。また、合わせて既存のCRMツールの見直しもしたく、カスタマーサポートとCRMツールの両面からアドバイスをいただける方を探しました。

 

ーどのようにアドバイザーを探しましたか?

輸出管理体制改善の件で具体的に伺いたかったことは、製品の輸出にあたり、コンプライアンス的に何を確認すべきか、や、ある案件における輸出に関して記録しておくべき情報、稟議などの、実務に関する社内プロセスの改善に関して注意すべき点です。ビザスクのアドバイザーデータベースを検索したところ、通関士としての輸出入業務やメーカーでの法務/コンプライアンスを担当した経験をお持ちのアドバイザーを見つけたのでメッセージを送り、2時間後にはインタビュー実施が決定しました。検索した際に出てきた対象者があまり多くなさそうだったので、広く募集するよりも相談の見通しが立てやすい指名相談にしました。

実際に出した指名相談

 

次のカスタマーサポート体制立ち上げおよびCRMツールの導入経験がある方については、検索したところ絞り切れないくらい大勢の対象者がヒットし、それも様々なバックグラウンドの方がいらっしゃるようだったので、今度は比較的広い層を対象に、相談したいことや候補者を絞るための判断材料(どのツールを利用した経験があるか)などの具体的項目を記載したうえで募集をかけることにしました。

公募では16名ものご提案があった中で3名ほどに絞り、最終的に1名と実施しました。

公募頂いた方を絞り込んだポイントは、経験した組織の大きさや使っていたツールの種類などに当社との親和性があるかどうかです。今回社内でも事前に目星をつけていたツールがあったので、そのツールの導入経験がある方や、組織が出来上がった後ではなく立ち上げ期のご経験がある方を優先しました。最終的に外資系スタートアップにいらっしゃった方に依頼したのですが、事前に目星をつけていたツールの導入や拡大フェーズにある組織でのご経験がまさにぴったりの方でした。

 

「社内に有識者がいない議題において、経験者であるアドバイザーのご意見が意思決定の強い材料になりました」

 

ービザスクをお使いいただいた感想を教えてください。

ビザスクのサービスについて、シンプルに良かったという印象です。公募でここまで多くの応募(16件)があって驚きました。

2回のインタビューを実施してみて実感したのは、特に社内に有識者がいない内容において、経験者であるアドバイザーの方からのご意見は、社内の意思決定の最後の一押しとなってくれるということです。課題に対し、事前に80%の確度の仮説を立てるところまでは社内のメンバーでもできますが、いざそれを社内で提案して「それって本当にそうなの」と聞かれた時に、自信を持って100%イエスと言える根拠を持っておけると、意思決定は比較的早く進むと実感しました。今回はアドバイザーの方に事前に了承をもらい、意思決定者である上司や事業部長、チームメンバーをスポットコンサルに同席させていただいたことで、インタビューでやり取りした内容とアドバイザーの方のご意見、言い切り度合いのようなものを共有することができたのが非常によかったと思います。

 

ースポットコンサル実施の際に工夫された点はありますか?

たとえばカスタマーサポートツール導入に関しては、事前に目ぼしいツールを自分達で調べてリストを作り、そのツールの使い勝手をベンダーに問い合わせたりと、出来る限りの下準備をした上でスポットコンサルに臨むようにしました。事前に調べた情報を基に、当日アドバイザーの方に伺う質問リストを作っておいたので、スムーズに質問していくことができました。

また、公募にご提案いただいたアドバイザーの中からどの方に依頼するかに関しては、それぞれの方のポイントをスプレッドシートにまとめたものを見ながら、メンバー内で相談しつつ決めました。

質問の仕方に関してもケースによって様々ありますが、個人的にはアドバイザーがイエスノーで答えられるまで仮説と質問を練り抜いておいたほうがヒアリングしやすいと感じました。私がアドバイザーとして過去受けた依頼の中には「~をするとしたらどうですか」のようなざっくばらんなご質問もあったのですが、まずはイエスノーで答えられる質問をして、その理由を掘り下げて聞く、といった方が有効なヒアリングができるのではないかと思います。

 

ービザスクご利用前の情報収集方法と比較していかがですか?

輸出管理体制改善についてのヒアリングの際は、ビザスク利用前に、JETROや経産省、その他諸々の公的機関で思いつくところに色々お話を伺いました。たとえばJETROのサイトにも輸出関連のお問い合わせ窓口があって、そこに質問を投げると後日メールで回答を頂けるのですが、法解釈や行政側の運用方針については教えてくれるものの、それを民間企業の中で具体的にどのような運用に落とし込んだら問題なく回せるのかということまでは教えてもらえませんでした。そこでビザスクを利用して実務経験者にお話を伺えたことで、実際の社内での運用に落とし込むことができました。

ビザスクを利用したことがある社員も恐らくいないと思うので、今回利用したのは新しい取り組みだったと思います。1件数万円という謝礼金額も、比較的簡単な稟議で通りやすい価格帯なので、文字通りスポットで使うには適していると思います。

 

ービザスクでのインタビューは、その後の事業に生かされていますか?

スポットコンサルで相談した輸出管理体制改善に関しては、インタビューに基づき、それまで属人的要素が多かった輸出プロセスをコンプライアンスを強化する方向に改善し、その後の輸出も問題なく実施できています。ヒアリングが実直な成果につながったと感じています。

スポットコンサルを実施したカスタマーサポート体制立ち上げについては、当時検討していたツールを導入し、その後の運用も問題なく行えています。CRMツールの置き換えに関しては、今に至るまで時間の制約もあって新ツールの導入には至っていないのですが、社内テスト等をやりながら正式導入に向けて試行錯誤を続けているところです。CRMやカスタマーサポートのシステムは選択肢が多すぎて正解がわからない状態の中で、自社にあったツールが何かを実績ある方に聞くことで、運用性や機能についての仮説を確認できたのは非常に良かったと思います。

 

ーベンチャー企業としてビザスクをおすすめできる点があれば、ぜひ教えてください。

ベンチャー企業では、解決しなければならない課題が幅広く、次から次へ出てくると思います。一方で、課題ごとに人を雇っていたら切りがないので、意思決定のためのスポット支援としてビザスクを利用するというのはベンチャーにとって良い使い方なのではと思います。

弊社でも、今後も例えば新規に出す製品の方向性を決める際などに、有識者のアドバイスを効果的に取り入れながら進めていけたらと思っています。

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